ロセフィン

セフェム系抗生物質製剤

4.26154(1件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 セフトリアキソンナトリウム水和物
製造/販売 太陽ファルマ
剤形/規格
  • ロセフィン静注用0.5g
  • ロセフィン静注用1g
  • ロセフィン点滴静注...

薬剤の評価コメントをご覧いただくにはログインが必要です。

はじめてご利用の方は、新規会員登録
すでにm3.comをご利用の方はログインしてご利用ください

禁忌

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 高ビリルビン血症の未熟児、新生児(「小児等への投与」の項参照)

効能・効果

  • 適応菌種

    • セフトリアキソンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)

  • 適応症

    • 敗血症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、精巣上体炎(副睾丸炎)、尿道炎、子宮頸管炎、骨盤内炎症性疾患、直腸炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、胆管炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、化膿性髄膜炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、中耳炎、副鼻腔炎、顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎

用法・容量

  • ロセフィン静注用0.5g

    • 成人

      • 通常、1日1〜2g(力価)を1回又は2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。

      • 難治性又は重症感染症には症状に応じて1日量を4g(力価)まで増量し、2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。

      • 淋菌感染症については、下記の通り投与する。

        • 咽頭・喉頭炎、尿道炎、子宮頸管炎、直腸炎

          • 通常、1g(力価)を単回静脈内注射又は単回点滴静注する。

        • 精巣上体炎(副睾丸炎)、骨盤内炎症性疾患

          • 通常、1日1回1g(力価)を静脈内注射又は点滴静注する。

    • 小児

      • 通常、1日20〜60mg(力価)/kgを1回又は2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。

      • 難治性又は重症感染症には症状に応じて1日量を120mg(力価)/kgまで増量し、2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。

    • 未熟児・新生児

      • 通常、生後0〜3日齢には1回20mg(力価)/kgを1日1回、また、生後4日齢以降には1回20mg(力価)/kgを1日2回静脈内注射又は点滴静注する。

      • 難治性又は重症感染症には症状に応じて1回量を40mg(力価)/kgまで増量し、1日2回静脈内注射又は点滴静注する。ただし、生後2週間以内の未熟児・新生児には1日50mg(力価)/kgまでとする。

    • [静脈内注射]

      • 静脈内注射に際しては、日局注射用水、日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液に溶解し、緩徐に投与する。

    • [点滴静注]

      • 点滴静注に際しては補液に溶解して用いる

        注3)

        • 注3)点滴静注を行う場合には、注射用水を用いないこと(溶液が等張にならないため)。また、点滴静注は30分以上かけて静脈内に注射すること。

注意事項

重要な基本的注意

  • 本剤による

    ショック、アナフィラキシー

    の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。

    • 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。

    • 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。

    • 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。

  • 本剤を投与する場合は、カルシウムを含有する注射剤又は輸液と同時に投与しないこと。[国外において、新生児に本剤とカルシウムを含有する注射剤又は輸液を同一経路から同時に投与した場合に、肺、腎臓等に生じたセフトリアキソンを成分とする結晶により、死亡に至った症例が報告されている(「適用上の注意」の項参照)。]

慎重投与

  • バイアル品及びバッグ品共通

    • ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

    • 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者

    • 高度の腎障害のある患者[高度の腎機能障害患者は、本剤が過剰に蓄積する可能性があるので、血中濃度を頻回に測定できない場合には投与量が1g/日を超えないようにすること(【薬物動態】の項参照)。]

    • 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、高齢者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]

  • バッグ品(生理食塩液に関する注意)

    • 心臓、循環器系機能障害のある患者[循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。]

    • 腎障害のある患者[水分、塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。]

過量投与

  • 本剤は、腹膜透析や血液透析では除去されないので、過量投与した患者に対しては注意深く観察し対症療法を行うこと。

適用上の注意

  • 投与速度

    静脈内大量投与により、まれに血管痛、血栓性静脈炎、ほてり感、嘔気、嘔吐を起こすことがあるので注射速度はできるだけ遅くすること。また、点滴静注は30分以上かけて静脈内に注射すること。

  • 調製方法

    溶解後は速やかに使用すること。特にグルタチオン製剤、高濃度アミノ酸類の補液に溶解して使用の場合は留意のこと。点滴静注を行う場合には注射用水を用いないこと(溶液が等張にならないため)。

  • 配合変化(輸液中での配合時)

    配合時には配合変化データを参照のこと

    • 本剤はトブラマイシン、ベカナマイシン硫酸塩、ジベカシン硫酸塩との配合により混濁等の変化が認められるので、配合しないこと。

    • カルシウムを含有する注射剤又は輸液との配合により混濁等の変化が認められたとの報告があるので、配合しないこと。

取扱上の注意

  • バッグ品

    • 製品の品質を保持するため、本品を包んでいる外袋は使用時まで開封しないこと。

    • 次の場合には使用しないこと。

      • 外袋が破損しているときや溶解液が漏出しているとき。

      • 隔壁の開通前に抗生物質が溶解しているとき。

      • 抗生物質が変色しているときや溶解液が着色しているとき。

    • 容器の液目盛りはおよその目安として使用すること。

相互作用

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
利尿剤フロセミド 等 類似化合物(他のセフェム系抗生物質)で併用による腎障害増強作用が報告されている。腎機能に注意すること。 機序は不明であるが、利尿時の脱水による血中濃度の上昇等が考えられる。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 承認時迄の調査及び承認時以降の調査15,149例において、副作用は662例(4.4%)に認められた。主な副作用は、AST(GOT)上昇240件(1.6%)、ALT(GPT)上昇239件(1.6%)、Al-P上昇92件(0.6%)、発疹87件(0.6%)、下痢81件(0.5%)等であった。(再審査終了時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • ショック(0.01%)、アナフィラキシー(頻度不明)

    ショック症状を起こすことがあるので観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、呼吸困難、顔面浮腫等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、溶血性貧血(以上頻度不明)

    汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、溶血性貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(以上頻度不明)

    劇症肝炎等の重篤な肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 急性腎障害(0.01%)、間質性腎炎(頻度不明)

    急性腎障害、間質性腎炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 偽膜性大腸炎(頻度不明)

    偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症(以上頻度不明)

    中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、

    多形紅斑、

    急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 間質性肺炎、肺好酸球増多症(PIE症候群)(以上頻度不明)

    発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多を伴う間質性肺炎、肺好酸球増多症(PIE症候群)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

  • 胆石、胆嚢内沈殿物(以上頻度不明)

    セフトリアキソンを成分とする胆石、胆嚢内沈殿物が投与中あるいは投与後にあらわれ、胆嚢炎、胆管炎、膵炎等を起こすことがあるので、腹痛等の症状があらわれた場合には投与を中止し、速やかに腹部超音波検査等を行い、適切な処置を行うこと。なお、多くの症例は小児の重症感染症への大量投与例でみられている。

  • 腎・尿路結石(頻度不明)

    セフトリアキソンを成分とする腎・尿路結石が投与中あるいは投与後にあらわれ、尿量減少、排尿障害、血尿、結晶尿等の症状や腎後性急性腎不全が起きたとの国外報告がある。このような症状が認められた場合には投与を中止し、速やかに適切な処置を行うこと。

  • 精神神経症状(頻度不明)

    意識障害(意識消失、意識レベルの低下等)、痙攣、不随意運動(舞踏病アテトーゼ、ミオクローヌス等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。これらの症状は、高度腎障害患者での発現が多数報告されている。

その他の副作用

  • 次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。(頻度不明は※)

0.1%以上又は頻度不明 0.1%未満
過敏症 注4) 発疹、蕁麻疹、発熱 発赤、そう痒、紅斑
血液 注5) 好酸球増多 顆粒球減少、貧血、好塩基球増多、血小板増多、異常プロトロンビン
消化器 嘔気、下痢、軟便 嘔吐、腹痛、食欲不振
菌交代症 口内炎、カンジダ症
ビタミン欠乏症 注6) ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎)
その他 注射部位反応(紅斑、疼痛、腫脹等) 頭痛、浮腫、心室性期外収縮
  • 注4)投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 注5)定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 注6)経口での食事摂取不良の患者、高齢者、衰弱している患者に投与する場合にあらわれやすいので観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

薬価

ロセフィン静注用0.5g 359円/瓶
ロセフィン静注用1g 422円/瓶
ロセフィン点滴静注用1gバッグ 1064円/キット

評価サマリー

もっとも参考になった評価コメント

効果の強さ

投稿日: 2015/12/17 参考率: 90%(19人/21人)

小児科/70代/処方経験あり

はじめてご利用の方

m3.comは、医療従事者のみ利用可能な医療
専門サイトです。会員登録は無料です。

新規会員登録

m3.comにご登録済の方

ログイン

{"controller":"medicines","action":"show","id":"3491"} false