本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者
アルブミンの喪失(熱傷、ネフローゼ症候群など)及びアルブミン合成低下(肝硬変症など)による低アルブミン血症
出血性ショック
通常成人1回20〜50mL(人血清アルブミンとして4〜10g)を緩徐に静脈内注射又は点滴静脈内注射する。なお、年齢、症状、体重により適宜増減する。
<患者への説明>
本剤の使用にあたっては疾病の治療における必要性とともに、本剤は採血から製品化にいたるまで、感染症の伝播を防止するための種々の安全対策を講じているが、ヒトの血液を原料とすることに由来する感染症伝播等のリスクを完全には排除できないことを患者に説明し、患者の理解を得るよう努めること。
本剤の原材料となる血液は、問診等の検診により健康状態を確認した国内の献血者から採血し、梅毒トレポネーマ、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV-1及びHIV-2)、ヒトTリンパ球向性ウイルス1型(HTLV-1)及びヒトパルボウイルスB19についての血清学的検査及び肝機能(ALT(GPT))検査に適合したものである。さらに、HBV-DNA、HCV-RNA及びHIV-RNAについてのプールした試験血漿を用いた核酸増幅検査に適合しているが、当該血液に核酸増幅検査等の検出限界以下のウイルス等が混入している可能性が常に存在する。そのため、原料血漿を6カ月間以上貯留保管して安全性が疑われる血液を極力排除している。
また、製造工程では、コーンの低温エタノール分画法によりウイルスを除去・不活化し、60℃、10時間の液状加熱によりウイルスを不活化している。
本剤には上記のような各種検査やウイルスの除去・不活化などの安全対策を講じているが、投与に際しては、次の点に十分に注意すること。
血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に除去・不活化することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。
現在までに本剤の投与により、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分に行い、治療上の必要性を十分に検討の上投与すること。
血清アルブミン濃度が2.5〜3g/dLでは、末梢の浮腫等の臨床症状を呈さない場合も多く、単なるアルブミン濃度の維持を目的として使用しないこと。
慢性の病態に対する使用では、アルブミンの合成能の低下を招くことがある。特に血清アルブミン濃度が4g/dL以上では合成能が抑制されることがあるので注意すること。
肝硬変などの慢性の病態による低アルブミン血症では、たとえアルブミンを投与しても、血管内に留まらず、血管外に漏出するために血清アルブミン濃度は期待したほどには上昇せず、かえってアルブミンの分解が促進されるので注意すること。
「血液製剤の使用指針(改定版)」を参考に、たん白質源としての栄養補給等を目的とした本剤の不適切な使用を避けること。
ハプトグロビン欠損症の患者[過敏反応を起こすおそれがある。]
心臓障害のある患者[循環血漿量の増加により心負荷増大の可能性がある。]
循環血漿量が正常ないし過多の患者[急速に注射すると、心過負荷等の循環障害及び肺浮腫を起こすことがある。]
溶血性・失血性貧血の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。]
免疫不全患者・免疫抑制状態の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。]
調製時
5%ブドウ糖液、生理食塩液等の中性に近い輸液・補液以外の他剤との混合注射を避けること。
投与時
混濁しているものは投与しないこと。
凍結した溶液は使用しないこと。
残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。〔本剤は、細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていないため。〕
<記録の保存>
本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を投与した場合はその名称(販売名)、製造番号、投与した日、患者の氏名・住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。
本剤は使用成績調査等の副作用発現率が明確となる調査を実施していない。(再審査対象外)
ショック、アナフィラキシー(様)症状(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(様)症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、喘鳴、胸内苦悶、血圧低下、脈拍微弱、チアノーゼ等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
| 頻度不明 | |
| 過敏症注) | 発熱、顔面紅潮、蕁麻疹等 |
| その他 | 悪寒、腰痛 |
注)このような症状が発現した場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
赤十字アルブミン20%静注4g/20mL
赤十字アルブミン20%静注10g/50mL 4613円/瓶
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