本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者
無又は低ガンマグロブリン血症
下記のウイルス性疾患の予防及び症状の軽減
麻疹
A型肝炎
ポリオ
無又は低ガンマグロブリン血症には,人免疫グロブリンとして通常体重1kg当たり100〜300mgを毎月1回筋肉内注射する.
麻疹,A型肝炎及びポリオの予防及び症状の軽減には,人免疫グロブリンとして通常体重1kg当たり1回15〜50mgを筋肉内注射する.
なお,いずれの場合も症状により適宜増減する.
疾患名 | 用量 | |
人免疫グロブリン投与量/kg | 本剤投与量/kg | |
無又は低ガンマグロブリン血症 | 毎月100〜300mg | 0.67〜2.00mL |
麻疹,A型肝炎及びポリオの予防及び症状の軽減 | 1回15〜50mg | 0.1〜0.33mL |
患者への説明
本剤の使用にあたっては,疾病の治療における本剤の必要性とともに,本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが,血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを,患者に対して説明し,理解を得るよう努めること.
本剤の原材料となる献血者の血液については,HBs抗原,抗HCV抗体,抗HIV-1抗体,抗HIV-2抗体,抗HTLV-I抗体陰性で,かつALT(GPT)値でスクリーニングを実施している.更に,プールした試験血漿については,HIV-1,HBV及びHCVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し,適合した血漿を本剤の製造に使用しているが,当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する.本剤は,以上の検査に適合した血漿を原料として,Cohnの低温エタノール分画で得た画分からポリエチレングリコール4000処理,DEAEセファデックス処理等により人免疫グロブリンを濃縮・精製した製剤であり,ウイルス不活化・除去を目的として,製造工程において60℃,10時間の液状加熱処理及びウイルス除去膜によるろ過処理を施しているが,投与に際しては,次の点に十分注意すること.
血漿分画製剤の現在の製造工程では,ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため,本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので,投与後の経過を十分に観察すること.
現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない.しかしながら,製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの,理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので,投与の際には患者への説明を十分行い,治療上の必要性を十分検討の上投与すること.
等重篤な副作用を起こすことがあるので,注意して使用し,経過を十分観察すること.
IgA欠損症の患者〔抗IgA抗体を保有する患者では過敏反応を起こすおそれがある.〕
溶血性・失血性貧血の患者〔ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない.感染した場合には,発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある.〕
免疫不全患者・免疫抑制状態の患者〔ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない.感染した場合には,持続性の貧血を起こすことがある.〕
投与経路
筋肉内注射
筋肉内注射にあたっては,組織・神経などへの影響を避けるため,下記の点に注意すること.
神経走行部位を避けるよう注意すること.
繰り返し注射する場合には,注射部位をかえ,例えば左右交互に注射するなど行うこと.
注射針を刺入したとき,激痛を訴えたり,血液の逆流をみた場合は,直ちに針を抜き,部位をかえて注射すること.
投与時
本剤はチメロサールその他の保存剤を含有していないので,残液は使用しないこと.
不溶物の認められるもの又は混濁しているものは使用してはならない.
記録の保存
本剤は特定生物由来製品に該当することから,本剤を投与した場合は,医薬品名(販売名),その製造番号(ロット番号),投与した日,投与を受けた患者の氏名,住所等を記録し,少なくとも20年間保存すること.
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
非経口用生ワクチン [麻疹ワクチンおたふくかぜワクチン風疹ワクチンこれら混合ワクチン水痘ワクチン等] | 本剤の投与を受けた者は,生ワクチンの効果が得られないおそれがあるので,生ワクチンの接種は本剤投与後3カ月以上延期すること.また,生ワクチン接種後14日以内に本剤を投与した場合は,投与後3カ月以上経過した後に生ワクチンを再接種することが望ましい. | 本剤の主成分は免疫抗体であるため,中和反応により生ワクチンの効果が減弱されるおそれがある. |
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない.
ショック(頻度不明)
ショックを起こすことがあるので,観察を十分に行い,悪寒,嘔気,発汗,腰痛等の症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
下記のような症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,発現した場合には,適切な処置を行うこと.
頻度不明 | |
過敏症 注) | 発熱,発疹等 |
注射部位 | 疼痛,腫脹,硬結 |
注)このような場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
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