2.1 本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者
2.2 激しい喘息発作時の患者[症状を増悪させることがある。]
2.3 月経直前及び期間中の患者[一時的に症状を増悪させるおそれがある。]
2.4 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
2.5 著しく衰弱している患者[発作を誘発するおそれがある。]
気管支喘息、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、アレルギー性皮膚疾患(蕁麻疹、慢性湿疹、アトピー性皮膚炎)
| 効能・効果 | 用法・用量 |
| 気管支喘息 | 本剤1バイアルを注射用水1.5mLに溶解し、皮下に注射する。 通常1回1バイアルを成人では週1〜2回、小児では週1回の間隔で6回注射し1クールとする。 十分な効果のあらわれない場合には更に1クールの注射を行う。この場合、成人に対しては1回投与量を最高3バイアルまで増量することができる。 また、いったんあらわれた効果を維持するためには3〜4ヵ月ごとに1回の注射を反復する。 |
| アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、アレルギー性皮膚疾患(蕁麻疹、慢性湿疹、アトピー性皮膚炎) | 本剤1バイアルを注射用水1.5mLに溶解し、皮下に注射する。 通常1回1バイアルを成人では週1〜2回、小児では週1回の間隔で3回又は6回注射し1クールとする。 十分な効果のあらわれない場合には更に1クールの注射を行う。この場合、成人に対しては1回投与量を最高3バイアルまで増量することができる。 また、いったんあらわれた効果を維持するためには3〜4ヵ月ごとに1回の注射を反復する。 |
8.1 本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているものの、ヒトの血液を原材料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを患者に対して説明し、その理解を得るよう努めること。
8.2 本剤の成分である人免疫グロブリンの原材料となる国内献血者の血液については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体、抗HIV-2抗体及び抗HTLV-1抗体陰性で、かつALT値でスクリーニングを実施している。さらに、HBV、HCV及びHIVについては個別の試験血漿で、HAV及びヒトパルボウイルスB19についてはプールした試験血漿で核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。
その後の製造工程であるCohnの低温エタノール分画及びウイルス除去膜によるろ過工程は各種ウイルスに対して不活化・除去作用を有することが確認されているが、投与に際しては以下の点に注意すること。
8.2.1 血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。[9.1.5、9.1.6参照]
8.2.2 肝炎ウイルス等のウイルス感染症のリスクについては完全に否定出来ないので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
8.2.3 現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
9.1.2 特に過敏性の強い患者
初回量を適宜減量する等の注意を行い漸次増量すること。発作を誘発するおそれがある。
9.1.3 副腎皮質ステロイド剤常用患者
本剤の投与量を適宜減量する。発作を増悪誘発するおそれがある。
9.1.4 IgA欠損症の患者
抗IgA抗体を保有する患者では過敏反応を起こすおそれがある。
9.1.5 溶血性・失血性貧血の患者
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。[8.2.1参照]
9.1.6 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。[8.2.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝障害の既往歴のある患者
肝機能異常を来したとの報告がある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[2.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤のプラスチック製バイアルキャップを外した後ゴム栓を消毒し、ゴム栓中央部分に注射針を垂直に刺し、添付の溶解液を注入してゆるやかに振り混ぜ溶解すること。
14.1.2 添付溶解液のアンプルにはアンプルカット時にガラス微小片混入の少ないワンポイントカットアンプルを使用しているが、さらに安全に使用するため、エタノール綿等で消毒することが望ましい。このとき、エタノールが内容液中に混入しないよう蒸発してからカットすること。
14.1.3 一度溶解したものはできるだけ速やかに使用すること。
14.1.4 使用後の残液は再使用しないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 溶解時に不溶物が認められるものは投与しないこと。
14.2.2 溶解した液をシリコンオイルが塗布されているシリンジで採取した場合、浮遊物が発生することがある。投与前に薬液中に浮遊物がないか目視で確認すること。浮遊物が認められた場合には投与しないこと。
14.2.3 皮下注射にのみ使用すること。決して静脈内に注射してはならない。
14.2.4 注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため下記の点に注意すること。
・神経走行部位を避けるよう注意すること。
・繰返し注射する場合には、注射部位をかえて行うこと。
・注射針を刺したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
20.1 凍結を避けること。
20.2 本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を使用した場合は、医薬品名(販売名)、その製造番号又は製造記号(ロット番号)、使用年月日、使用した患者の氏名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 非経口用生ワクチン(麻疹、おたふくかぜ、風疹、これらの混合ワクチン及び水痘ワクチン等) | 本剤の投与を受けた者は、生ワクチンの効果が得られないおそれがあるので、生ワクチンの接種は本剤投与後3ヵ月以上延期すること。また、生ワクチン接種後14日以内に本剤を投与した場合は、投与後3ヵ月以上経過した後に生ワクチンを再接種することが望ましい。 | 本剤中の免疫抗体の中和反応により、生ワクチン中の弱毒ウイルスの増殖が抑制され、免疫を獲得できなくなるおそれがある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)
血圧低下、チアノーゼ、呼吸困難等の異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
| 過敏症 | 蕁麻疹、発疹、喘息発作、一時的な鼻症状の増悪、そう痒 | 咳嗽、呼吸困難、くしゃみ発作 | − |
| 精神神経系 | 眠気、頭痛 | めまい | しびれ感 |
| 循環器 | − | 熱感、心悸亢進 | − |
| 消化器 | − | 悪心、嘔気、腹痛 | 嘔吐 |
| 肝臓 | − | ASTの上昇、ALTの上昇 | − |
| 注射部位 | 疼痛、硬結、発赤、腫脹 | − | 熱感 |
| その他 | 発熱 | のぼせ、気分不良、倦怠感 | − |
ヒスタグロビン皮下注用 1444円/瓶
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