重篤な出血やショック状態の患者[重篤な低血圧が起こることがある。]
注射部位又はその周辺に炎症のある患者[化膿性髄膜炎症状を起こすことがある。]
敗血症の患者[敗血症性の髄膜炎を生ずるおそれがある。]
ジブカイン又は安息香酸エステル(コカインを除く)系局所麻酔剤に対し、過敏症の既往歴のある患者
中枢神経系疾患
髄膜炎、脊髄癆、灰白脊髄炎等の患者[脊椎麻酔により症状が悪化するおそれがある。]
脊椎麻酔(腰椎麻酔)
通常成人1〜3mLをくも膜下腔に注入する。なお、年齢、麻酔領域、部位、組織、症状、体質により適宜増減する。
本剤の投与に際しては、全身麻酔と同様に患者の全身管理が必要であるので、検査、問診等によりあらかじめ患者の全身状態を把握しておくこと。
まれに
ショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、本剤の
に際しては、常時、直ちに
救急処置のとれる準備をしておくとともに、あらかじめ
静脈路の確保を行うこと
。
一般に脊椎麻酔の際には
血圧が下降しやすく、徐脈があらわれやすいので、本剤の投与に際しては次の測定基準により
血圧管理を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行うこと
。
薬液を注入してから
1分後に血圧を測定する。
それ以降14分間は、2分に1回血圧を測定する。必要があれば(例えば血圧が急速に下降傾向を示すような場合)連続的に血圧を測定する。
薬液注入後15分以上経過した後は、2.5〜5分に1回血圧を測定する。必要があれば(例えば血圧が急速に下降傾向を示すような場合)連続的に血圧を測定する。
麻酔範囲が高位に及んだ場合、過度の低血圧、徐脈、呼吸抑制さらには心停止となるおそれがあるので、十分注意すること。
本剤注入後に急激に体位を変換すると麻酔範囲が高位に及ぶことがあるので、体位を変換する場合はゆっくり行うこと。
本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショック
をできるだけ避けるために、次の諸点に留意すること。
麻酔中は頻回に
バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数、意識レベル)及び
動脈血酸素飽和度の測定を行うとともに
麻酔高に注意し、患者の全身状態の観察を十分に行い、さらに手術が終了しても
麻酔が完全に消失するまでバイタルサイン及び
全身状態の観察を行うこと。異常が認められた場合は必要に応じて適切な処置を行うこと。
手術終了後の患者の帰室時には、少なくともバイタルサインが正常であることを確認するとともに、帰室後も麻酔の効果が完全に消失するまで患者の全身状態の観察を必要に応じて頻回に行うこと。
の部位の手術に用いる必要がある場合には、慎重に投与すること。
本剤の比重は一定に調製されているが、患者の脳脊髄液の比重にはかなりの変動があることに留意すること。
前投薬や術中に投与した鎮静薬、鎮痛薬等による呼吸抑制が発現することがあるので、これらの薬剤を使用する際は少量より投与し、必要に応じて追加投与することが望ましい。なお、高齢者、小児、全身状態が不良の患者、肥満者、呼吸器疾患を有する患者では特に注意し、異常が認められた際には、適切な処置を行うこと。
脊椎麻酔により、まれに知覚異常、膀胱直腸障害、麻痺等の脊髄神経障害があらわれることがあるので、穿刺に際して患者が放散痛を訴えた場合、脳脊髄液が吸引しにくい場合又は血液混入を認めた場合は本剤を注入しないこと。
髄液の流出を最小限にとどめるため、できるだけ細い脊椎穿刺針(25G程度)を用いること。[脊椎穿刺により脊麻後頭痛が、また、まれに一過性の外転神経麻痺等があらわれることがある。]
なお、必要に応じて輸液の投与を行うこと。
妊産婦[妊娠末期は、麻酔範囲が広がり、仰臥位性低血圧を起こすことがある。](「5.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」及び「2.重要な基本的注意」(3)、(4)の項参照)
高齢者(「4.高齢者への投与」及び「2.重要な基本的注意」(3)、(4)の項参照)
若年者[一般に麻酔範囲が広がりやすいので、投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行うこと。](「2.重要な基本的注意」(3)、(4)の項参照)
腹部腫瘤のある患者[腹部腫瘤により仰臥位性低血圧を起こしやすく、麻酔範囲が広がりやすい。麻酔中はさらに増悪することがあるので、投与量の減量を考慮するとともに患者の全身状態の観察を十分に行うこと。](「2.重要な基本的注意」(3)、(4)の項参照)
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者
血液疾患や抗凝血剤治療中の患者[出血しやすいので、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがある。]
重篤な高血圧症等、心血管系に著しい障害のある患者[脊椎麻酔により循環動態が急変しやすく、低血圧が起こりやすい。](「2.重要な基本的注意」(3)、(4)の項参照)
脊柱に著明な変形のある患者[脊髄や神経根の損傷のおそれがあり、また麻酔の高さの予測も困難である。](「2.重要な基本的注意」(3)、(4)の項参照)
全身状態が不良な患者[生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。]
一般的に局所麻酔
の過量投与や血管内誤注入等による血中濃度の上昇に
中毒症状が発現するとされている。その症状は
主に中枢神経系及び心血管系の症状
。
徴候・症状
中枢神経系の症状
初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲の知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、耳鳴、視覚障害、振戦等があらわれる。症状が進行すると意識消失、全身痙攣があらわれ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じるおそれがある。より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある。
心血管系の症状
血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系の抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等があらわれる。
処置
呼吸を維持し、酸素を十分投与することが重要である。必要に応じて人工呼吸を行う。振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。心機能抑制に対しては、カテコールアミン等の昇圧剤を投与する。心停止を来した場合には直ちに心マッサージを開始する。
アンプルカット時
本品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルのカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
動物実験において、ジブカイン塩酸塩による不可逆性の神経変性が観察されたとの報告がある
。
〈滅菌時の注意〉
薬液滅菌法は避けること。また、高圧蒸気滅菌法では高温及び長時間もしくは頻回な滅菌を行うと、着色したり、効力が減弱する場合があるので注意すること。
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない
ショック
ショック
観察を十分に行い、脈拍の異常、血圧
、呼吸抑制、
等があらわれた場合には、適切な処置を行うこと。
中枢神経
振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)の投与等の適切な処置を行うこと。
異常感覚、知覚・運動障害
注射針の留置時に神経(神経幹、神経根)に触れることにより一過性の異常感覚が発現することがある。また、神経が注射針や薬剤あるいは虚血によって障害を受けると、まれに持続的な異常感覚、疼痛、知覚障害、運動障害、膀胱直腸障害等の神経学的疾患があらわれることがある。
頻度不明 | |
循環器 | 血圧低下、徐脈等 |
精神神経系 注) | 眠気、不安、興奮、霧視、眩暈、悪心・嘔吐等 |
過敏症 | 蕁麻疹、浮腫等 |
その他 | 遅延性脊髄麻痺、意識障害、気管支喘息、下肢痛等 |
注)観察を十分に行い、ショックあるいは中毒への移行に注意し、必要に応じて適切な処置を行うこと。
ネオペルカミンS注脊麻用 280円/管
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