ニトプロ持続静注液6mg 他

血圧降下剤

3.0(1件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 ニトロプルシドナトリウム水和物
製造/販売 丸石製薬
剤形/規格
  • ニトプロ持続静注液6mg
  • ニトプロ持続静注液...

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警告

  • 本剤の投与により過度の低血圧が急激にあらわれることがあり、場合によっては死に至る可能性があるので、必ず血圧を連続的にモニター(観血的動脈圧測定等)しながら、慎重に投与すること。(「用法・用量に関連する使用上の注意(1)(2)」「8.過量投与」の項参照)

  • 本剤の過量投与によりシアン中毒があらわれることがあり、場合によっては死に至ることがあるので、血圧、心拍数、心電図の他に血液ガス及び酸塩基平衡が常時測定できる十分な設備が整った施設において、慎重に投与すること。(「禁忌(3)」「用法・用量に関連する使用上の注意(4)」「8.過量投与」の項参照)

禁忌

  • 脳に高度な循環障害のある患者[脳循環が抑制されるおそれがある。]

  • 甲状腺機能不全の患者[代謝物のチオシアンにより甲状腺機能が低下する場合がある。]

  • レーベル病(遺伝性視神経萎縮症)、たばこ弱視あるいはビタミンB12欠乏症の患者[シアンの解毒処理能力が低下している場合がある。](「警告」「用法・用量に関連する使用上の注意(4)」「8.過量投与」の項参照)

  • 重篤な肝機能障害のある患者[肝循環が抑制されるおそれがある。]

  • 重篤な腎機能障害のある患者[腎循環が抑制されるおそれがある。]

  • 高度な貧血の患者[血圧低下により貧血症状(めまい等)を悪化させるおそれがある。]

  • ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者[併用により降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある。](「2.重要な基本的注意(4)」「3.相互作用(1)」の項参照)

効能・効果

  • 手術時の低血圧維持

  • 手術時の異常高血圧の救急処置

用法・容量

  • 本剤は、5%ブドウ糖注射液で希釈し、ニトロプルシドナトリウム水和物として0.06〜0.1%(1mL当たり0.6〜1mg)溶液を持続静注する。
    通常、成人には1分間に体重1kg当たりニトロプルシドナトリウム水和物として効能・効果ごとに下記に基づき投与する。なお、最高投与速度は3μg/kg/分を限度とする。また、開始投与速度は年齢、症状により適宜減量する。

    • 手術時の低血圧維持

      • 0.5μg/kg/分の投与速度で投与を開始し、過度の血圧低下に注意しながら徐々に増量して目的値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら投与速度を調節する。通常、2.5μg/kg/分以下の投与速度で目的とする血圧が得られ、それを維持することができる。

    • 手術時の異常高血圧の救急処置

      • 0.5μg/kg/分の投与速度で投与を開始し、過度の血圧低下に注意しながら徐々に増量して目的値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら投与速度を調節する。通常、2.0μg/kg/分以下の投与速度で目的とする血圧が得られ、それを維持することができる。

注意事項

重要な基本的注意

  • 低血圧を必要とする手術ではECG、導尿等により、心機能や腎機能を監視すること。

  • 呼吸抑制があらわれることがあるので、呼吸管理に注意すること。また、本剤の投与により動脈血酸素分圧(Pao2)が低下することがあるので、本剤の投与中はPao2又は動脈血酸素飽和度(Sao2)の監視を行い、必要に応じて吸入酸素濃度(FIO2)の調節を行うこと。なお、Pao2低下時に酸素吸入が行われていない場合は投与を中止し、速やかに酸素吸入を行うこと。

  • 投与終了後は、患者の血圧が完全に回復するまで管理を行うこと。

  • 本剤とホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を低下させることがあるので、本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。
    また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。(「禁忌(7)」「3.相互作用(1)」の項参照)

慎重投与

  • 頭部外傷又は脳出血による血腫などの頭蓋内圧亢進症の患者[頭蓋内圧を上昇させる。]

  • 甲状腺機能の低下した患者[代謝物のチオシアンにより甲状腺機能が低下する場合がある。]

  • 心機能障害のある患者[冠循環が抑制されるおそれがある。]

  • 肝機能障害のある患者[肝循環が抑制されるおそれがある。]

  • 腎機能障害のある患者[腎循環が抑制されるおそれがある。]

  • 著しく血圧の低い患者[血圧低下をさらに悪化させるおそれがある。]

  • 高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)

  • 小児(「7.小児等への投与」の項参照)

  • 本剤の添加剤カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム水和物に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 極度な肥満の患者[血中シアン濃度が上昇するおそれがある。](「用法・用量に関連する使用上の注意(4)」の項参照)

過量投与

  • 徴候、症状

    外国において、過度の低血圧が強くあらわれたりシアン中毒が発現することが報告されている。シアン中毒はその徴候として、耐薬性の出現、代謝性アシドーシスの進行、静脈血酸素含量の上昇及び心電図ST-T波変化などがあらわれる。(「警告」「禁忌(3)」「用法・用量に関連する使用上の注意(1)(2)(4)」「1.慎重投与(10)」の項参照)

  • 処置

    直ちに本剤の投与を中止し、必要に応じて過度の低血圧の場合には昇圧剤の投与、シアン中毒の場合はシアン中毒に対する治療を行うこと。シアン中毒の治療には日局 チオ硫酸ナトリウム水和物の静脈内投与、日局 亜硝酸アミルの吸入又は亜硝酸ナトリウム注)の静脈内投与等が有効であり、特に亜硝酸剤投与後にチオ硫酸ナトリウム水和物を投与する併用療法の効果が高いので、本剤の使用に際してはこれらの薬剤をあらかじめ用意し、救急処置の準備をしておくことが望ましい

    • 「注)亜硝酸ナトリウムについては医薬品として市販されていない。」

  • シアン毒性の回避

    ニトロプルシドナトリウム水和物の代謝物として生成されたシアンはさらにチオシアンに代謝されて解毒されるが、ニトロプルシドナトリウム水和物を2μg/kg/分より速い投与速度で投与する場合は、総投与量が500μg/kg以上になると体内における解毒処理能力を超えてシアンが生成されることが知られている。シアン毒性を回避するため、投与速度が2μg/kg/分を超える場合には総投与量が500μg/kg以上とならないように注意すること。(「警告」「用法・用量に関連する使用上の注意(4)」の項参照)

適用上の注意

  • 調製方法

    本剤は強力な降圧作用を有するので、必ず希釈して用いること。また、調製後は速やかに使用し、残液は廃棄すること。
    なお、本剤との配合試験の結果、下記に示す輸液は配合が可能であった。

    • 5%ブドウ糖注射液、生理食塩液、20%マンニットール注射液、マルトス-10、ポタコールR、低分子デキストランL注、ソリタ-T1号、ソリタ-T3号、ソリタ-T4号、ヘスパンダー

  • 投与時

    本剤の投与には必ずシリンジポンプを使用すること。一時的な大量注入により過剰な低血圧が生ずる危険を防ぐため、投与ラインは屈曲しないように適度な長さのものを使用し、また、三方活栓を介して本剤を投与する時は、注射部位からできるだけ近位に三方活栓を設置すること。投与終了後は投与ラインの残存液にも注意すること。

  • アンプルカット時

    本品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。

相互作用

併用禁忌

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤シルデナフィルクエン酸塩(バイアグラ、レバチオ)、バルデナフィル塩酸塩水和物(レビトラ)、タダラフィル(シアリス、アドシルカ、ザルティア) 併用により、降圧作用が増強することがある。 本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤リオシグアト(アデムパス) 併用により、降圧作用が増強することがある。 本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
吸入麻酔剤(セボフルラン等) 血圧低下が増強されることがあるので、本剤の用量を調節するなど注意すること。 吸入麻酔剤の降圧作用及び圧反射機能の抑制作用によると考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
筋弛緩剤(パンクロニウム臭化物) 筋弛緩剤の作用時間を延長することがあるので、筋弛緩モニターを充分に行うこと。 機序は不明であるが、動物実験でパンクロニウム臭化物の作用時間の延長が認められている。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
降圧作用を有する薬剤(ニカルジピン塩酸塩、プラゾシン塩酸塩、エスモロール塩酸塩等) 血圧低下が増強されることがあるので、本剤の用量を調節するなど注意すること。 他の降圧作用を有する薬剤との相乗・相加作用によるものと考えられる。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 総症例547例中78例(14.3%)に副作用が認められている。(承認時)

  • 市販後調査(使用成績調査・特別調査)では、1648症例中136例(8.3%)に副作用が認められた。主な副作用は低血圧80件(4.9%)、肝機能異常10件(0.6%)、頻脈6件(0.4%)等であった。また、臨床検査値の異常変動としては肝機能検査異常15件(0.9%)、血圧低下8件(0.5%)、C-反応性蛋白増加7件(0.4%)、PO2低下6件(0.4%)、白血球増加6件(0.4%)等であった。(再審査終了時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 過度の低血圧(0.1〜5%未満)があらわれることがある。このような副作用があらわれた場合には、減量又は投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。また、速やかに血圧を回復させたい場合には昇圧剤を投与すること。

  • 本剤の投与を中止した場合に、急激な血圧上昇等のリバウンド現象(0.1〜5%未満)があらわれることがある。このような副作用があらわれた場合には、必要に応じて降圧剤を投与するなど適切な処置を行うこと。特に、手術時の異常高血圧の救急処置に用いる場合に起こりやすいので注意すること。

その他の副作用

5%以上又は頻度不明 0.1〜5%未満
循環器 頻脈、不整脈、心電図異常
呼吸器 Pao2低下
肝臓 肝機能検査値異常(ビリルビン上昇、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇 等)
その他 代謝性アシドーシス

薬価

ニトプロ持続静注液6mg 616円/管
ニトプロ持続静注液30mg 2429円/管

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