2.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦[8.1、9.5、9.6参照]
2.2 QT延長又はその既往歴のある患者(先天性QT延長症候群等)[心室性頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長の増悪もしくは再発するおそれがある。][17.3.1参照]
2.3 低カリウム血症のある患者
[心室性頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長を起こすおそれがある。][17.3.1参照]
2.4 クラスIA(キニジン、プロカインアミド等)又はクラスIII(アミオダロン、ソタロール等)の抗不整脈薬を投与中の患者[10.1参照]
閉経後乳癌
通常、成人にはトレミフェンとして40mgを1日1回経口投与する。また、既治療例(薬物療法及び放射線療法などに無効例)に対しては、通常成人にトレミフェンとして120mgを1日1回経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
8.1 本剤には抗エストロゲン及びエストロゲン作用がある。本剤は、閉経初期の患者へ投与されることがあるので、以下の点に注意すること。[2.1、9.5、9.6参照]
・本剤の投与開始時にあたっては、妊娠していないことを確認し、本剤の妊娠への影響について説明すること。
・治療期間中はホルモン剤以外の方法で避妊するよう指導すること。
・本剤投与中に妊娠が確認された場合又は疑われた場合には直ちに投与を中止すること。
8.2 本剤投与によりQT延長がみられていることから、心血管系障害を有する患者に対しては、本剤の投与を開始する前に心血管系の状態に注意をはらうこと。[9.1.2、17.3.1参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 骨髄抑制のある患者
軽度の白血球減少及びヘモグロビン減少が認められている。
9.1.2 重度の徐脈等の不整脈、心筋虚血等の不整脈を起こしやすい心疾患のある患者
心室性頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長を起こすおそれがある。[8.2、17.3.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット、ウサギ)で胎児毒性(死亡、発育遅延、内臓・骨格異常、出生児の生殖障害)、妊娠維持及び分娩への障害等の生殖障害が認められている。[2.1、8.1参照]
9.6 授乳婦
授乳中の女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で乳汁に移行することが認められている。[2.1、8.1参照]
9.8 高齢者
本剤の臨床試験成績から、高齢者と非高齢者において副作用の発現率及びその程度に差がみられていないが、用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主として肝臓で代謝されており、高齢者では肝機能が低下していることが多く高い血中濃度が持続するおそれがある。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 本剤による子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖及び子宮体癌が報告されている。
15.1.2 類薬タモキシフェンクエン酸塩ではその使用と子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖、子宮体癌発生との因果関係を示唆する疫学的調査の結果が報告されている。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| クラスIA抗不整脈薬キニジンプロカインアミド(アミサリン) 等クラスIII抗不整脈薬アミオダロン(アンカロン)ソタロール(ソタコール) 等[2.4参照] | QT延長を増強し、心室性頻拍(Torsade de pointesを含む)等を起こすおそれがある。 | これらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 腎臓を介してカルシウムの排泄を減少させる薬物チアジド系利尿剤 | 高カルシウム血症の危険性を増大させるおそれがある。 | 機序不明 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| クマリン系抗凝血剤ワルファリン | 抗凝血作用を増強するとの報告があるので、抗凝血剤を減量するなど慎重に投与すること。 | クマリン系薬剤の代謝が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| フェノバルビタールフェニトインカルバマゼピン | 本剤の血中濃度が低下するおそれがある。 | 本剤の代謝が促進される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リファンピシン | 本剤の血中濃度が低下するおそれがある。 | 本剤の主要代謝酵素CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リトナビル | 本剤のAUCが上昇することが予想される。 | 本剤の主要代謝酵素CYP3A4を阻害する。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 血栓塞栓症、静脈炎(頻度不明)
脳梗塞、肺塞栓、血栓塞栓症、静脈炎、血栓性静脈炎があらわれることがある。
11.1.2 肝機能障害、黄疸(頻度不明)
11.1.3 子宮筋腫(頻度不明)
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 1〜5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
| 消化器 | 悪心・嘔吐、食欲不振 | 胃部不快感、下痢 | |
| 肝臓 | ALT上昇、AST上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇 | ビリルビン上昇 | |
| 過敏症 | 発疹、かゆみ | ||
| 血液 | 白血球減少、貧血 | 血小板減少 | |
| 眼 | 視覚障害(角膜の変化等) | ||
| 精神神経系 | めまい | 頭痛、うつ症状 | |
| 生殖器 | 性器出血 | 膣分泌物、子宮内膜増殖 | |
| 皮膚 | 脱毛 | ||
| その他 | 顔面潮紅、倦怠感、発汗 | コレステロール上昇、ほてり、高カルシウム血症 | トリグリセライド上昇、BUN上昇、浮腫 |
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