ファルモルビシンRTU注射液10mg 他

抗腫瘍性抗生物質製剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 エピルビシン塩酸塩
製造/販売 ファイザー
剤形/規格
  • ファルモルビシンR...
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警告

  • 本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応患者の選択にあたっては、各併用薬剤の添付文書を参照して十分注意すること。
    また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

禁忌

  • 心機能異常又はその既往歴のある患者[心筋障害があらわれるおそれがある。]

  • 本剤に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

  • 他のアントラサイクリン系薬剤等心毒性を有する薬剤による前治療が限界量(ドキソルビシン塩酸塩では総投与量が体表面積当り500mg/m2、ダウノルビシン塩酸塩では総投与量が体重当り25mg/kg等)に達している患者[うっ血性心不全があらわれるおそれがある。]

効能・効果

  • 下記疾患の自覚的並びに他覚的症状の緩解

    • 急性白血病、悪性リンパ腫、乳癌、卵巣癌、胃癌、肝癌、尿路上皮癌(膀胱癌、腎盂・尿管腫瘍)

  • 以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法

    • 乳癌(手術可能例における術前、あるいは術後化学療法)

用法・容量

  • 急性白血病の場合

    • エピルビシン塩酸塩として15mg(力価)/m2(体表面積)を1日1回5〜7日間連日静脈内に投与し3週間休薬する。これを1クールとし、必要に応じて2〜3クール反復する。

  • 悪性リンパ腫の場合

    • エピルビシン塩酸塩として40〜60mg(力価)/m2(体表面積)を1日1回静脈内に投与し3〜4週休薬する。これを1クールとし、通常3〜4クール反復する。

  • 乳癌、卵巣癌、胃癌、尿路上皮癌(膀胱癌、腎盂・尿管腫瘍)の場合

    • エピルビシン塩酸塩として60mg(力価)/m2(体表面積)を1日1回静脈内に投与し3〜4週休薬する。これを1クールとし、通常3〜4クール反復する。

  • 肝癌の場合

    • エピルビシン塩酸塩として60mg(力価)/m2(体表面積)を肝動脈内に挿入されたカテーテルより、1日1回肝動脈内に投与し3〜4週休薬する。これを1クールとし、通常3〜4クール反復する。

  • 膀胱癌(表在性膀胱癌に限る)の場合

    • エピルビシン塩酸塩として60mg(力価)を1日1回3日間連日膀胱腔内に注入し4日間休薬する。これを1クールとし、通常2〜4クール反復する。
      注入に際しては、ネラトンカテーテルで導尿し十分に膀胱腔内を空にした後、同カテーテルより注入し、1〜2時間膀胱腔内に把持する。

  • なお投与量は年齢、症状、副作用により、適宜増減する。

  • 乳癌(手術可能例における術前、あるいは術後化学療法)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合

    • シクロホスファミド水和物との併用において、標準的なエピルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、エピルビシン塩酸塩として100mg(力価)/m2(体表面積)を1日1回静脈内に投与後、20日間休薬する。これを1クールとし、通常4〜6クール反復する。

    • シクロホスファミド水和物、フルオロウラシルとの併用において、標準的なエピルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、エピルビシン塩酸塩として100mg(力価)/m2(体表面積)を1日1回静脈内に投与後、20日間休薬する。これを1クールとし、通常4〜6クール反復する。

    • なお、投与量は年齢、症状により適宜減量する。

注意事項

重要な基本的注意

  • 骨髄抑制、心筋障害等の重篤な副作用が起こることがあるので、適宜臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査、心機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。

  • アントラサイクリン系薬剤未治療例で、本剤の総投与量が900mg/m2 (体表面積)を超えると、うっ血性心不全を起こすことが多くなるので注意すること。

  • 本剤の総投与量が900mg/m2以下であっても、うっ血性心不全を起こすことがある。特に、他のアントラサイクリン系薬剤等心毒性を有する薬剤による前治療歴のある患者及び心臓部あるいは縦隔に放射線療法を受けた患者では心機能検査を行い、慎重に投与すること。

  • 心筋障害等の心毒性については、本剤の投与終了後も発現することがあるので、長期にわたり観察すること。

  • 本剤と他の抗悪性腫瘍剤を併用した患者に、二次性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)が発生することがあるので、本剤の投与終了後も長期にわたり注意すること。

  • 感染症・出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。

  • 小児に投与する場合には、副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。[「小児等への投与」の項参照]

  • 小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。

慎重投与

  • 肝障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]

  • 腎障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]

  • 骨髄抑制のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]

  • 感染症を合併している患者[骨髄抑制により感染を増悪させるおそれがある。]

  • 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

  • 水痘患者[致命的な全身障害があらわれるおそれがある。]

  • 他のアントラサイクリン系薬剤等心毒性を有する薬剤による前治療歴のある患者[心筋障害があらわれるおそれがある。]

適用上の注意

  • 調製時

    冷所保存によりエピルビシン塩酸塩が自己会合を起こし、粘性が増すことがあるので、使用前20〜30分間常温に放置するか、又はゆるやかに振り混ぜてから使用すること。

  • 投与経路

    • 本剤は用法・用量にしたがって使用し、皮下、筋肉内投与はしないこと。

    • 腹腔内に投与すると、腸管の癒着を起こすことがあるので、腹腔内投与はしないこと。

  • 配合変化

    配合変化を起こす可能性があるので他の薬剤との混注を避けること。

  • 静脈内投与時

    • 静脈内投与により血管痛、静脈炎、血栓を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。また、同一部位への反復投与により、血管の硬化を起こすことがある。

    • 静脈内投与に際し薬液が血管外に漏れると、注射部位に疼痛、灼熱感、炎症、腫脹、壊死を起こすことがあるので、点滴の側管を利用する等、薬液が血管外に漏れないように投与すること。

  • 肝動脈内投与時

    • 肝動脈内投与において、本剤が標的とする部位以外へ流入することにより、胃潰瘍、十二指腸潰瘍があらわれることがあるので、造影剤等によりカテーテルの先端位置、薬剤の分布領域をよく確認し、カテーテルの逸脱・移動、注入速度等に随時注意すること。なお、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

    • 肝動脈内投与により疼痛、発赤、紅斑、びらん、潰瘍等の皮膚障害があらわれ、皮膚壊死に至ることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の注意

  • ラットの新生児に皮下投与した実験で、発癌性がみられたとの報告がある。

  • 本剤の尿中排泄により尿が赤色になることがある。

  • 細菌等に対する突然変異誘起性が認められている。

取扱上の注意

  • 本剤には、21G又はそれより細い針を使用して下さい。太い針を使用すると、ゴム栓コアが発生する可能性が高くなります。また、同一ヶ所に複数回刺した場合にも、ゴム栓コアが発生する可能性が高くなります。

相互作用

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
潜在的に心毒性を有する抗悪性腫瘍剤アントラサイクリン系薬剤等 これらの薬剤が過去に投与されている場合、あるいは併用療法を行う場合は、心筋障害が増強されるおそれがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。 心筋に対する蓄積毒性が増強される。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
投与前の心臓部あるいは縦隔への放射線照射 心筋障害が増強するおそれがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。 心筋に対する蓄積毒性が増強される。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
抗悪性腫瘍剤放射線照射 骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。 ともに骨髄抑制作用を有する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
パクリタキセル 本剤投与前にパクリタキセルを投与すると、骨髄抑制等の副作用が増強されるおそれがあるので、併用する場合は、パクリタキセルの前に本剤を投与すること。 本剤投与前にパクリタキセルを投与すると、本剤の未変化体の血漿中濃度が上昇する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
シメチジン シメチジンが本剤のAUCを増加させる。 シメチジンが本剤の代謝酵素であるP-450を阻害する。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 全身投与例(動脈内投与を含む)

    エピルビシン塩酸塩製剤(注射液剤及び注射用剤)の調査症例数4,852例中、副作用発現症例は2,766例(57.0%)であり、副作用発現件数は延べ9,199件であった。その主なものは、悪心・嘔吐1,780件(36.7%)、白血球減少1,652件(34.0%)、食欲不振1,196件(24.6%)、脱毛1,194件(24.6%)等であった。(承認時までの調査及び市販後の使用成績調査の集計)

  • 膀胱腔内注入例

    エピルビシン塩酸塩製剤(注射液剤及び注射用剤)の調査症例数1,162例中、副作用発現症例は248例(21.3%)であり、副作用発現件数は延べ567件であった。その主なものは、頻尿200件(17.2%)、排尿痛192件(16.5%)等の局所刺激症状であった。(承認時までの調査及び市販後の使用成績調査の集計)
    なお、その内注射液剤(本剤)における局所刺激症状は、調査症例数20例中、排尿痛、頻尿各17件(85.0%)、血尿16件(80.0%)、尿沈渣(赤血球数増加)13件(65.0%)、尿蛋白12件(60.0%)、尿沈渣(白血球数増加)11件(55.0%)等であった。(承認時までの調査の集計)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 心筋障害(0.12%)

    心筋障害、更にうっ血性心不全等の症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬又は投与を中止すること。特に他のアントラサイクリン系薬剤等心毒性を有する薬剤による前治療のある症例に投与する場合には十分注意すること。

  • 骨髄抑制(頻度不明)

    汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血、出血傾向があらわれることがある。なお、高度な骨髄抑制により致命的な感染症(敗血症)や消化管出血があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • ショック、アナフィラキシー(頻度不明)

    ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、呼吸困難、発赤、意識低下等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 間質性肺炎(頻度不明)

    発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

  • 萎縮膀胱(頻度不明)

    膀胱腔内注入によって萎縮膀胱があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 肝・胆道障害(頻度不明)

    肝動脈内投与において、肝内胆汁性嚢胞、胆管炎、胆管壊死、肝壊死等の肝・胆道障害があらわれることがあるので、造影剤等により薬剤の分布領域をよく確認し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 胃潰瘍(0.02%)、十二指腸潰瘍(0.02%)

    肝動脈内投与において、胃潰瘍、十二指腸潰瘍があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。[「適用上の注意」(5)の項参照]

その他の副作用

5%以上 0.1〜5%未満 0.1%未満 頻度不明
心臓 心電図異常、不整脈、頻脈 胸痛
過敏症 発疹 紅斑、発赤 蕁麻疹
肝臓 肝機能異常(AST(GOT)・ALT(GPT)上昇等)
腎臓 腎機能異常(BUN上昇等)
消化器 悪心・嘔吐、食欲不振 口内炎、下痢、腹痛 食道炎、胃炎 消化管出血
皮膚 高度の脱毛 色素沈着、そう痒症 肝動脈内投与時の発赤、紅斑、びらん、潰瘍等の皮膚障害、皮膚壊死
精神神経系 倦怠感 しびれ、疼痛、頭痛 耳痛・耳鳴、不眠、意識障害、知覚異常(口腔内異和感)
泌尿器 頻尿、排尿痛、膀胱炎、血尿、蛋白尿、尿沈渣(赤血球数・白血球数増加)等の膀胱刺激症状注1) 頻尿、血尿
呼吸器 呼吸困難、気胸・血胸注2)
注射部位 静脈内投与による血管痛、静脈炎、血栓
その他 発熱 悪寒、顔面浮腫、血圧低下 ほてり
  • 注1:膀胱腔内注入療法による。

  • 注2:類似化合物(ドキソルビシン塩酸塩)の投与により肺転移を有する症例の治療中にあらわれたとの報告がある。

薬価

ファルモルビシンRTU注射液10mg 3472円/瓶
ファルモルビシンRTU注射液50mg 14549円/瓶

評価サマリー

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