キロサイド注20mg 他

代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 シタラビン
製造/販売 日本新薬
剤形/規格
  • キロサイド注20mg
  • キロサイド注40mg
  • キロサイド注60mg
  • キロサイド注100mg

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警告

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

禁忌

  • 本剤に対する重篤な過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • ○急性白血病(赤白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化例を含む)。

  • ○消化器癌(胃癌、膵癌、肝癌、結腸癌等)、肺癌、乳癌、女性性器癌(子宮癌等)等。ただし他の抗腫瘍剤(フルオロウラシル、マイトマイシンC、シクロホスファミド水和物、メトトレキサート、ビンクリスチン硫酸塩、ビンブラスチン硫酸塩等)と併用する場合に限る。

  • ○膀胱腫瘍

用法・容量

  • <急性白血病>

    • (1)寛解導入

      • 急性白血病の寛解導入には、シタラビンとして通常1日小児0.6〜2.3mg/kg、成人0.8〜1.6mg/kgを250〜500mLの5%ブドウ糖液あるいは生理食塩液に混合して、点滴で静脈内投与するか、又は20mLの20%ブドウ糖液あるいは生理食塩液に混合して、ワンショットで静脈内投与する。通常2〜3週間連続投与を行う。

    • (2)維持療法

      • 寛解が得られた場合は、維持療法として上記用量を1週1回そのまま皮下、筋肉内投与するか、あるいは上記用法に従い静脈内投与する。

    • (3)シタラビン少量療法

      • 通常、成人にはシタラビンとして以下の用量を10〜14日間皮下又は静脈内投与する。

        • ・1回10〜20mgを1日2回

        • ・1回20mg/m2を1日1回

    • (4)シタラビン標準量療法

      • 他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人及び小児には、シタラビンとして1日100〜200mg/m2を5〜7日間点滴で静脈内投与する。

    • (5)髄腔内化学療法

      • 通常、成人にはシタラビンとして1回25〜40mgを1週間に1〜2回髄腔内に投与する。小児に投与する場合には、下記を参考に年齢・体格等に応じて投与量を調節する。
        なお、併用する他の抗腫瘍剤及び患者の状態により投与間隔は適宜延長すること。髄液に異常所見を認める場合は、正常化するまで投与を継続すること。

        • 1歳 2歳 3歳以上
          15〜20mg 20〜30mg 25〜40mg

    • 年齢、症状により適宜増減する。
      併用する薬剤の組合せ、併用量等は医師の判断による。

  • <消化器癌、肺癌、乳癌、女性性器癌等>

    • (1)静脈内注射

      • 消化器癌、肺癌、乳癌、女性性器癌等に他の抗腫瘍剤(フルオロウラシル、マイトマイシンC、シクロホスファミド水和物、メトトレキサート、ビンクリスチン硫酸塩等)と併用するときは、シタラビンとして通常1回0.2〜0.8mg/kgを1週間に1〜2回点滴で静脈内投与するか、又はワンショットで静脈内投与する。

    • (2)局所動脈内注射

      • 局所動脈内注入の場合は、シタラビンとして通常1日0.2〜0.4mg/kgを他の抗腫瘍剤(フルオロウラシル、シクロホスファミド水和物、ビンクリスチン硫酸塩、ビンブラスチン硫酸塩等)と併用して持続注入ポンプで投与する。

    • 年齢、症状により適宜増減する。
      併用する薬剤の組合せ、併用量等は医師の判断による。

  • <膀胱腫瘍>

    • 膀胱腫瘍に単独膀胱内注入を行う場合は、シタラビンとして通常200〜400mgを、また、他の抗腫瘍剤と併用し、膀胱内注入を行う場合は、シタラビンとして通常100〜300mgを10〜40mLの生理食塩液又は注射用蒸留水に混合して1日1回又は週2〜3回膀胱内に注入する。

    • 年齢、症状により適宜増減する。
      併用する薬剤の組合せ、併用量等は医師の判断による。

注意事項

重要な基本的注意

  • 8.1 骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。[9.1.1、11.1.1参照]

  • 8.2 感染症・出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。[9.1.2参照]

  • 8.3 本剤に特有な副作用として眼症状、皮膚症状が知られている。眼症状は結膜炎、眼痛、羞明、眼脂、結膜充血、角膜潰瘍等が発現する。これらの症状は副腎皮質ホルモン点眼剤により予防及び軽減することができる。皮膚症状は四肢末端に発疹、発赤、紅斑(しばしば高度の痛みを伴う)等が発現する。これらの症状は副腎皮質ホルモン剤により軽減することができる。[11.1.7参照]

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 9.1.1 骨髄機能抑制のある患者

      • 骨髄機能抑制を増悪させるおそれがある。[8.1、11.1.1参照]

    • 9.1.2 感染症を合併している患者

      • 骨髄機能抑制により、感染を増悪させるおそれがある。[8.2参照]

  • 9.2 腎機能障害患者

    • 副作用が強くあらわれるおそれがある。

  • 9.3 肝機能障害患者

    • 副作用が強くあらわれるおそれがある。

  • 9.4 生殖能を有する者

    • 9.4.1 妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]

    • 9.4.2 パートナーが妊娠する可能性のある男性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[15.2参照]

    • 9.4.3 小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。催奇形性を疑う症例報告があり、また、動物実験(マウス、ラット)で催奇形作用が報告されている。[9.4.1参照]

  • 9.6 授乳婦

    • 授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。[15.2参照]

  • 9.7 小児等

    • 副作用の発現に特に注意すること。髄腔内化学療法の場合、低出生体重児、新生児又は乳児(1歳未満)に対する臨床試験は実施していない。

  • 9.8 高齢者

    • 用量及び投与間隔に留意するなど患者の状況を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

適用上の注意

  • 14.1 薬剤調製時の注意

    • 本剤は細胞毒性を有するため、調製時には手袋を着用することが望ましい。皮膚に薬液が付着した場合は、直ちに多量の流水でよく洗い流すこと。

  • 14.2 皮下・筋肉内投与時の注意

    • 14.2.1 本剤の皮下・筋肉内投与後、神経麻痺又は硬結等を来すことがあるので、下記のことに注意すること。なお、乳児、小児、高齢者、衰弱者においては特に注意すること。

      • ・注射部位については、神経走行部位(特に橈骨神経、尺骨神経、坐骨神経等)を避けて慎重に投与すること。

      • ・繰り返し注射する場合には、同一注射部位を避けること。なお、乳児・小児においては連用しないことが望ましい。

      • ・注射針刺入時、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。

  • 14.3 膀胱内注入時の注意

    • 14.3.1 カテーテルで十分に導尿し、膀胱内を空にすること。

    • 14.3.2 単独注入の場合はシタラビンとして200〜400mgを、また、他の抗腫瘍剤との併用注入の場合は100〜300mgを10〜40mLの生理食塩液又は注射用蒸留水で5〜20mg/mLになるよう混合すること。

    • 14.3.3 この液を前記のカテーテルより膀胱内に注入し、1〜2時間排尿を我慢させること。

その他の注意

  • 15.1 臨床使用に基づく情報

    • 本剤と他の抗腫瘍剤を併用した患者に、白血病、肺腺癌等の二次性悪性腫瘍が発生したとの報告がある。

  • 15.2 非臨床試験に基づく情報

    • 染色分体の切断を含む重度の染色体異常及びげっ歯類の培養細胞の悪性形質転換が報告されている。また、細菌を用いた復帰突然変異試験において、変異原性が報告されている。[9.4.2、9.6参照]

相互作用

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
他の抗腫瘍剤放射線照射 骨髄機能抑制等の副作用が増強することがあるので、併用療法を行う場合には患者の状態を観察しながら、減量するなど慎重に行うこと。 骨髄機能抑制等の相加・相乗作用による。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
他剤併用療法フルオロウラシルマイトマイシンC副腎皮質ホルモン等 副作用の項に記載したもの以外に、静脈炎、脱毛があらわれることがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
フルシトシン 骨髄機能抑制の副作用が増強することがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するなど慎重に投与すること。 骨髄機能抑制の相加・相乗作用による。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
フルシトシン フルシトシンの効果を減弱させるとの報告がある。 フルシトシンの血中濃度の低下による。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
フルダラビン 骨髄機能抑制等の副作用が増強するおそれがある。 in vivo試験及びin vitro試験において、シタラビンの活性代謝物であるAra-CTPの細胞内濃度の上昇が認められている。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 骨髄機能抑制に伴う血液障害

    • 汎血球減少(頻度不明)、白血球減少(12.9%)、血小板減少(4.0%)、貧血(1.8%)、網赤血球減少(頻度不明)、巨赤芽球様細胞の発現(頻度不明)等があらわれることがある。[8.1、9.1.1参照]

  • 11.1.2 ショック(頻度不明)

    • 呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等のアナフィラキシーを伴うことがある。異常が認められた場合は投与を中止し、血圧の維持、体液の補充管理、気道の確保等の適切な処置を行うこと。

  • 11.1.3 消化管障害(頻度不明)

    • 消化管潰瘍、出血、好中球減少性腸炎等の消化管障害があらわれたとの報告がある。

  • 11.1.4 急性呼吸促迫症候群、間質性肺炎(いずれも頻度不明)

  • 11.1.5 急性心膜炎、心のう液貯留(いずれも頻度不明)

  • 11.1.6 中枢神経系障害(頻度不明)

    • 脳症(白質脳症を含む)、麻痺、痙攣、小脳失調、意識障害(意識消失を含む)等の中枢神経系障害があらわれることがある。

  • 11.1.7 シタラビン症候群(頻度不明)

    • シタラビン症候群として発熱、筋肉痛、骨痛、ときに斑状丘疹性皮疹、胸痛、結膜炎及び倦怠感があらわれることがある。この症候群は通常薬剤投与後6〜12時間で発現する。なお、このような症状があらわれた場合には副腎皮質ホルモン剤の投与等、適切な処置を行うこと。[8.3参照]

  • 注)発現頻度は使用成績調査を含む。

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10〜20%未満 5〜10%未満 5%未満 頻度不明
皮膚 発疹 脱毛(症)、有痛性紅斑
消化器 悪心・嘔吐、食欲不振 腹痛・下痢 口内炎
精神神経系 倦怠感、頭痛
肝臓 肝障害
腎臓 腎機能異常
泌尿器 膀胱内注入療法の場合、頻尿、排尿痛、膀胱炎、血尿等の膀胱刺激症状
その他 発熱 結膜炎、血栓性静脈炎
  • 注)発現頻度は使用成績調査を含む。

薬価

キロサイド注20mg 242円/管
キロサイド注40mg 480円/管
キロサイド注60mg 663円/管
キロサイド注100mg 1237円/管
キロサイド注200mg 1872円/管

評価サマリー

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