本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
○急性白血病(慢性白血病の急性転化例を含む)
○悪性リンパ腫
(静脈内投与)
通常、1日量体重1kgあたり50〜200K単位を連日または隔日に点滴で静脈内に注入する。
年令、全身状態により適宜増減する。
(筋肉内投与)
通常、1日1回体表面積1m2あたり10000K単位を週3回、または1日1回体表面積1m2あたり25000K単位を週1回、筋肉内に注入する。なお、患者の状態により適宜減ずる。
8.1 重篤な凝固異常が起こることがあるので、投与中は頻回にフィブリノーゲン、プラスミノーゲン、AT-III、プロテインC等の検査を行うこと。[11.1.2参照]
8.2 骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。また使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。[9.1.2、9.1.3、11.1.7参照]
8.3 感染症、出血傾向の発現又は悪化に十分注意すること。
8.4 ショックがあらわれるおそれがあるので、本剤投与に先立って皮内反応試験を実施することが望ましい。[11.1.1、14.2.1参照]
8.5 急性白血病及び悪性リンパ腫に本剤の筋肉内投与を行う際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:L-アスパラギナーゼ(急性白血病及び悪性リンパ腫の筋肉内注射に関する用法・用量の追加)」等)を熟読すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 膵炎又は膵炎の既往のある患者
膵炎が再発したり悪化するおそれがある。[11.1.3参照]
9.1.2 骨髄機能抑制のある患者
骨髄機能をより強く抑制するおそれがある。[8.2、11.1.7参照]
9.1.3 感染症を合併している患者
骨髄機能抑制により感染症を悪化させるおそれがある。[8.2、11.1.7、11.1.8参照]
9.1.4 水痘患者
致命的な全身障害があらわれるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
高窒素血症があらわれることがある。
9.3 肝機能障害患者
高アンモニア血症があらわれやすい。[11.1.4、11.1.6参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
9.4.2 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(マウス及びラット)で脳ヘルニア、胸椎及び肋骨異常、化骨化遅延等が報告されている
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
副作用の発現に特に注意すること。
9.8 高齢者
用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、特に肝障害があらわれやすい。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 静脈内投与時は、最初に2〜5mLの日局注射用水により溶解し、その溶液を更に補液で200〜500mLに希釈して使用すること
14.1.2 筋肉内投与時は、本剤5000K単位あたり日局注射用水又は5%ブドウ糖液0.5〜1.0mLに溶解すること
14.1.3 日局生理食塩液で直接溶解すると塩析のため白濁することがあるので、日局生理食塩液での溶解は避けること
14.2 薬剤投与前の注意
14.2.1 皮内反応試験
本剤5000K単位を日局注射用水2mLで溶解後、日局生理食塩液にて全量5mLとする。このうち0.1mLを注射筒で分取し、日局生理食塩液で全量1mLとした後、この0.1mLを皮内注射する(投与量:10K単位)
14.3 薬剤投与時の注意
14.3.1 過去に抗生物質等の筋肉内注射により、筋拘縮症が発現したとの事例が報告されているので、筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため、下記の点に注意すること。
・同一部位への反復注射は行わないこと。特に乳児、幼児、小児には注意すること。
・神経走行部位を避けること。
・注射針を刺入したとき、神経に当たったと思われるような激痛を訴えた場合は直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
・注射器の内筒を軽くひき、血液の逆流がないことを確かめて注射すること。
・本剤の投与液量及び患者の状態を考慮した上で、必要に応じて複数箇所へ分割投与すること。
14.3.2 溶解後速やかに使用すること。
14.4 その他
本剤は諸外国で製造・使用されている他のL-アスパラギナーゼ製剤に比べ生体内活性が高いとの報告があるので、海外の治療法を参考に使用する場合には、投与量に留意すること
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
じん麻疹、血管浮腫、悪寒、嘔吐、呼吸困難、意識混濁、痙攣、血圧低下等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.4参照]
11.1.2 重篤な凝固異常(頻度不明)
脳出血、脳梗塞、肺出血等の重篤な凝固異常(フィブリノーゲン減少、プロトロンビン減少、プラスミノーゲン減少、AT-III減少、プロテインC減少等)があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.3 重篤な急性膵炎(頻度不明)
腹痛、嘔吐、アミラーゼ等の膵酵素の上昇等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
また、膵内分泌機能障害(膵ランゲルハンス島炎)による糖尿病があらわれることがある。口渇感、多飲多尿等の症状があらわれた場合には休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.1.1参照]
11.1.4 意識障害を伴う高アンモニア血症(頻度不明)[9.3参照]
11.1.5 中枢神経系障害(頻度不明)
脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む)、昏睡、意識障害、見当識障害等があらわれることがある。なお、広範な脳の器質的障害を来し、死亡した症例がある。
11.1.6 重篤な肝障害(頻度不明)
肝不全等の重篤な肝障害があらわれることがある。[9.3参照]
11.1.7 骨髄抑制(頻度不明)[8.2、9.1.2、9.1.3参照]
11.1.8 重度の感染症(頻度不明)
肺炎、敗血症等の重度の感染症があらわれることがある。[9.1.3参照]
注)発現頻度は副作用頻度調査を含む。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%以上 | 0.1〜5%未満 | 頻度不明 | |
| 過敏症 | 発疹 | ||
| 肝臓 | 脂肪肝 | 肝機能障害 | |
| 腎臓 | 浮腫、高窒素血症 | 蛋白尿、利尿不全 | |
| 消化器 | 食欲不振、悪心、嘔吐、下痢 | ||
| 精神神経系 | 倦怠感 | 傾眠、不安、頭痛 | |
| 投与部位 | 投与部位反応(硬結、疼痛、出血、血腫、膿瘍等) | ||
| その他 | 発熱 | 血管痛、耐糖能異常、高脂血症、唾液腺炎、耳下腺炎 |
注)発現頻度は副作用頻度調査を含む。
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