本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、急性胃粘膜病変による)、侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術、集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・広範囲熱傷)による上部消化管出血の抑制、麻酔前投薬
上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、急性胃粘膜病変による)
通常、成人にはラニチジン塩酸塩をラニチジンとして1回50mgを1日3〜4回静脈内又は筋肉内注射する。静脈内注射では、1回50mgを日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液にて20mLに希釈し、緩徐に注射する。又は輸液に混合して点滴静注する。なお、症状により適宜増減する。
一般的に1週間以内に効果の発現をみるが、内服可能となった後は経口投与に切りかえる。
侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術、集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・広範囲熱傷)による上部消化管出血の抑制
通常、成人にはラニチジン塩酸塩をラニチジンとして1回100mgを1日2回輸液に混合して点滴静注する。なお、症状により適宜増減する。
術後集中管理又は集中治療を必要とする期間(手術侵襲ストレスは3日間程度、その他の侵襲ストレスは7日間程度)の投与とする。
麻酔前投薬
通常、成人にはラニチジン塩酸塩をラニチジンとして1回50mgを麻酔導入1時間前に静脈内又は筋肉内注射する。静脈内注射では、1回50mgを日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液にて20mLに希釈し、緩徐に注射する。又は輸液に混合して点滴静注する。なお、手術が長時間に及ぶ場合は6時間間隔で50mgを追加投与する。
については、手術後に集中管理を必要とする大手術、集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・広範囲熱傷により、ストレス潰瘍が発症する可能性が考えられる場合に限り使用すること。なお、広範囲熱傷はBurn Index 10以上の熱傷を目安とすること。
治療にあたっては経過を十分に観察し、病状に応じ治療上必要最小限の使用(手術侵襲ストレスは3日間程度、その他は7日間程度)にとどめ、本剤で効果がみられない場合には他の療法に切りかえること。なお、血液像、肝機能、腎機能等に注意すること。
手術侵襲ストレス下の上部消化管出血の抑制に対しては、手術終了後より投与を開始する。
腎障害のある患者[血中濃度が持続するので、投与量を減ずるか投与間隔をあけて使用すること(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)]
肝障害のある患者[本剤は主として肝臓で代謝されるので、血中濃度が上昇するおそれがある]
薬物過敏症の既往歴のある患者
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
過量投与した場合、必要に応じて適切な療法を行うこと。
投与経路
経口投与が困難な場合や緊急の場合又は経口投与で効果が不十分と考えられる場合にのみ使用すること。なお、経口投与が可能となり、かつ経口投与により効果が期待される場合には、速やかに経口投与に切りかえること。
静脈内投与時
静脈内注射にあたっては、下記の点に注意すること。
1回50mgを投与する場合は20mLに希釈して少なくとも2分以上かけて、患者の全身状態に十分注意を払いながら緩徐に注入すること。
1回100mgを投与する場合は1時間以上かけて点滴静注すること。
筋肉内投与時
筋肉内注射にあたっては、下記の点に注意すること。
筋肉内投与はやむをえない場合にのみ必要最小限に行うこと。同一部位への反復注射は行わないこと。特に新生児、低出生体重児、乳児、小児には注意すること。
神経走行部位を避けること。
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き部位をかえて注射すること。
注射部位に疼痛、硬結をみることがある。
アンプルカット時
本剤は「ワンポイントカットアンプル」を使用しているので、カット部をエタノール綿等で清拭した後、ヤスリを用いず、アンプル枝部のマークの反対方向に折り取ること。
本剤の投与が胃癌の症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認のうえ投与すること。
外国において急性ポルフィリン症の患者に投与した場合、その症状を悪化させたとの報告がある。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
クマリン系抗凝血剤 ワルファリンカリウム | これらの薬剤のプロトロンビン時間に変動を来たしたとの報告がある。クマリン系抗凝血剤を本剤と併用する場合は、プロトロンビン時間の変動に注意し、異常が認められた場合には投与量の調節や投与中止などの適切な処置を行うこと。 | 本剤のCYP450に対する阻害作用により、クマリン系抗凝血剤の代謝を阻害する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
トリアゾラム | トリアゾラムの吸収が増大する可能性があるため、異常が認められた場合には投与量の調節や投与中止などの適切な処置を行うこと。 | 本剤の胃酸分泌抑制作用により胃内pHが上昇することで、これら薬剤のバイオアベイラビリティに影響を及ぼすと考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アタザナビルゲフィチニブ | これらの薬剤の吸収が低下する可能性があるため、異常が認められた場合には投与量の調節や投与中止などの適切な処置を行うこと。 | 本剤の胃酸分泌抑制作用により胃内pHが上昇することで、これら薬剤のバイオアベイラビリティに影響を及ぼすと考えられる。 |
総症例9491例(静脈内、筋肉内投与)中、57例(0.60%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、AST(GOT)、ALT(GPT)上昇等の肝機能異常29例(0.31%)、悪心、嘔吐等の消化器症状9例(0.09%)、白血球減少、血小板減少等の血液像異常7例(0.07%)であった(再審査終了時)。
を起こすことがある(頻度不明
注1))ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
があらわれることがある(頻度不明
注1))ので、初期症状として全身倦怠感、脱力、皮下・粘膜下出血、発熱等がみられたら、その時点で血液検査を実施し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある(頻度不明注1))ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
横紋筋融解症
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある(頻度不明注1))ので、異常が認められた場合には投与を中止すること。
意識障害、痙攣、ミオクローヌス
意識障害、痙攣(強直性等)、ミオクローヌスがあらわれることがある(頻度不明注1))ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。特に腎機能障害を有する患者においてあらわれやすいので、注意すること。
間質性腎炎
間質性腎炎があらわれることがある(頻度不明注1))ので、初期症状として発熱、皮疹、腎機能検査値異常(BUN・クレアチニン上昇等)等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがある(頻度不明注1))ので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
があらわれることがある(頻度不明
注1))ので、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
注1)自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。
他のH
2受容体拮抗剤で、
房室ブロック等の心ブロックがあらわれたとの報告がある。
以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
0.1%〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 注1) | |
過敏症 注2) | 発疹、発熱 |
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血液 | 血小板減少 | 好酸球増多 | |
肝臓 | 肝機能障害注3) | 黄疸 | |
消化器 | 下痢、悪心、嘔吐 | 便秘、腹部膨満感、食欲不振 | |
精神神経系 | 可逆性の錯乱状態 | 幻覚、うつ状態、頭痛、頭重感、めまい、不眠、眠気、不随意運動注5) | |
循環器 | 徐脈 | 房室ブロック | |
皮膚 | 多形紅斑、脱毛 | ||
その他 | 舌炎、関節痛、筋肉痛、急性膵炎、乳房腫脹、乳汁漏出、乳房痛、勃起障害 |
注1)自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。
注2)このような場合には投与を中止すること。
注3)AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-P等の上昇を含む。
注4)顔面浮腫、眼瞼浮腫、口唇浮腫等の報告例がある。
注5)振戦、眼振、パーキンソニズム等の報告例がある。
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