本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、本剤についての十分な知識と神経線維腫症1型の治療の十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
2.3 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者[9.3.1、16.6.2参照]
神経線維腫症1型における叢状神経線維腫
通常、小児にはセルメチニブとして1回25mg/m2(体表面積)を1日2回経口投与するが、患者の状態により適宜減量する。ただし、1回量は50mgを上限とする。
8.1 心機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に心機能検査(心エコー等)を行い、患者の状態(LVEFの変動を含む)を確認すること。[9.1.1、11.1.1参照]
8.2 眼障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に眼の異常の有無を確認すること。また、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。[11.1.2参照]
8.3 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に肝機能検査を行うこと。[11.1.4参照]
8.4 横紋筋融解症、ミオパチーがあらわれることがあるので、本剤投与中は定期的にCK、クレアチニン等の検査を行い、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等に十分注意すること。[11.1.5参照]
8.5 貧血、ヘモグロビン減少、好中球減少、リンパ球減少、血小板減少があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行うこと。[11.1.6参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心疾患又はその既往歴のある患者
症状が悪化するおそれがある。[8.1、11.1.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)
投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。[2.3、16.6.2参照]
9.3.2 中等度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類B)
本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。[7.6、16.6.2参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後1ヵ月間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.4.2 パートナーが妊娠する可能性がある男性に対しては、本剤投与中及び投与終了後1週間は適切な避妊を行うよう指導すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。マウスを用いた胚・胎児発生に関する試験では、胚・胎児死亡、催奇形性、胎児重量の減少が認められ、臨床曝露量(25mg/m2 1日2回投与、初回投与時)に対する安全域は2.8倍であった。マウスを用いた出生前及び出生後の発生に関する試験では、出生児に未成熟な開眼及び口蓋裂等の奇形が認められ、臨床曝露量(25mg/m2 1日2回投与、初回投与時)に対する安全域は0.4倍未満であった。[2.2、9.4.1参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤又は本剤の代謝物がヒトの母乳中に移行するかどうかは不明であるが、動物試験(マウス)で授乳中の母動物へ本剤を投与した際、本剤及び本剤の代謝物が乳汁中に排泄されることが認められている。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児又は体表面積0.40m2未満の小児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。[7.3、17.1.1参照]
14.1 薬剤調製時の注意
吸湿により本剤の品質に影響を及ぼす可能性があるため、分包せずボトルのまま交付すること。
14.2 薬剤交付時の注意
患者又は保護者に対し以下の点に注意するよう指導すること。[7.2参照]
・カプセル型容器を開け、容器内の顆粒をpH 5未満の柔らかい投与媒体(服薬補助ゼリー、ヨーグルト、イチゴジャム等)に混ぜて投与すること。pH 5以上の投与媒体(水、ミルク、白粥、野菜ピューレ等)に混合すると顆粒のコーティングが剥がれて味のマスキング効果が低下するおそれがあるので推奨しない。
・カプセル型容器ごと服用しないこと。
・投与媒体と混合後は30分以内に服用させること。
・カプセル型容器の入ったボトルから乾燥剤は取り出さず、使用の都度密栓すること。[20.1、20.2参照]
15.2 非臨床試験に基づく情報
マウスを用いた反復投与毒性試験において、臨床曝露量の約22倍で盲腸及び結腸の穿孔が認められ、回復性は確認されていない。また、ラットを用いた反復投与毒性試験において、臨床曝露量の約9倍で骨端軟骨異形成が認められ、回復性は確認されていない。
20.1 湿気を避けるため、乾燥剤を同封した元のボトルにて保存し、使用の都度、密栓すること。[14.2参照]
20.2 ボトルから乾燥剤を取り出さないこと。[14.2参照]
本剤は、主にCYP3Aにより代謝され、CYP2C19も関与する。[16.4参照]
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 強い又は中程度のCYP3A阻害剤クラリスロマイシンエリスロマイシンイトラコナゾール等グレープフルーツジュース[7.7、16.7.1、16.7.4参照] | 本剤の副作用が増強されるおそれがあるため、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | これらの薬剤等がCYP3Aを阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| フルコナゾール[7.7、16.7.2参照] | 本剤の副作用が増強されるおそれがあるため、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | CYP2C19及びCYP3Aを阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 強い又は中程度のCYP3A誘導剤フェニトインリファンピシンカルバマゼピン等[16.7.3、16.7.4参照] | 本剤の効果が減弱するおそれがあるため、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。 | これらの薬剤等がCYP3Aを誘導することにより、本剤の代謝が促進され、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の効果が減弱するおそれがあるため、摂取しないよう注意すること。 | これらの薬剤等がCYP3Aを誘導することにより、本剤の代謝が促進され、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 心機能障害
駆出率減少(8.1%)、左室機能不全(頻度不明)等の心機能障害があらわれることがある。[8.1、9.1.1参照]
11.1.2 眼障害
網膜色素上皮剥離(頻度不明)、中心性漿液性網膜症(頻度不明)、網膜静脈閉塞(頻度不明)等の眼障害があらわれることがある。[8.2参照]
11.1.3 消化管障害
下痢(31.1%)、嘔吐(25.1%)、悪心(21.3%)等の消化管障害があらわれることがある。
11.1.4 肝機能障害
AST(17.4%)、ALT(14.0%)、ビリルビン(0.4%)等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.3参照]
11.1.5 横紋筋融解症(頻度不明)[8.4参照]
11.1.6 貧血及び血球減少
貧血(13.6%)、好中球減少(7.2%)、リンパ球減少(3.8%)、血小板減少(2.6%)等があらわれることがある。[8.5参照]
11.1.7 間質性肺疾患(頻度不明)
副作用発現頻度はセルメチニブカプセル及び本剤の臨床試験成績に基づく。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 20%以上 | 10%〜20%未満 | 1%〜10%未満 | |
| 眼 | − | − | 霧視 |
| 呼吸器 | − | − | 呼吸困難 |
| 消化器 | 口内炎 | − | 便秘、口内乾燥 |
| 皮膚 | ざ瘡様皮膚炎(46.4%)、爪囲炎、発疹、皮膚乾燥、脱毛・毛髪変色 | − | − |
| その他 | 血中CK増加(40.9%) | 疲労・無力症、末梢性浮腫 | 低アルブミン血症、顔面浮腫、発熱、血中クレアチニン増加、高血圧 |
副作用発現頻度はセルメチニブカプセル及び本剤の臨床試験成績に基づく。
コセルゴ顆粒5mg
コセルゴ顆粒7.5mg
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