ボラニゴ錠10mg 他

抗悪性腫瘍剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 ボラシデニブクエン酸水和物
製造/販売 日本セルヴィエ
剤形/規格
  • ボラニゴ錠10mg
  • ボラニゴ錠40mg

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警告

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

禁忌

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

  • 2.3 フルボキサミンマレイン酸塩を投与中の患者[10.1、16.7.2参照]

効能・効果

  • IDH1又はIDH2遺伝子変異陽性の神経膠腫

用法・容量

  • 通常、成人には、ボラシデニブとして40mgを1日1回、空腹時に経口投与する。

  • 通常、12歳以上の小児には、ボラシデニブとして体重に応じて以下を1日1回、空腹時に経口投与する。

    • 40kg未満:20mg

    • 40kg以上:40mg

  • なお、患者の状態により適宜減量する。

注意事項

重要な基本的注意

  • 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[7.3、11.1.1参照]

慎重投与

  • 9.3 肝機能障害患者

    • 9.3.1 重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)

      • 本剤は主に肝代謝により消失するため、血中濃度が上昇する可能性がある。なお、重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.2参照]

  • 9.4 生殖能を有する者

    • 9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後2箇月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。経口避妊薬による避妊法の場合には、経口避妊薬以外の方法をあわせて使用するよう指導すること。[9.5、10.2参照]

    • 9.4.2 男児及び生殖可能な男性に投与する場合には、造精機能の低下があらわれる可能性があることを考慮すること。ラットを用いた反復経口投与毒性試験において、臨床曝露量の24.7倍以上に相当する用量で、雄性生殖器への影響(精巣精細管変性及び萎縮、精巣上体内腔細胞残屑、前立腺及び精嚢萎縮)が認められ、精巣精細管変性は完全には回復しなかった

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。ラット及びウサギを用いた胚・胎児毒性試験において、臨床曝露量のそれぞれ10倍(ウサギ)及び101倍(ラット)に相当する用量から、吸収胚数及び着床後胚損失率高値(ラット及びウサギ)、並びに内臓奇形(腎臓及び精巣位置異常)(ラット)が認められた。[2.2、9.4.1、9.6参照]

  • 9.6 授乳婦

    • 授乳しないことが望ましい。ヒトでの乳汁移行に関するデータはないが、乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。[9.5参照]

  • 9.7 小児等

    • 12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。AG881-C-004試験は12歳以上を対象として実施されたが、18歳未満の患者は本剤群に組み入れられなかった。

適用上の注意

  • 14.1 薬剤交付時の注意

    • 14.1.1 本剤は吸湿性があるため、分包せずボトルで提供すること。

    • 14.1.2 患者又は保護者等に対し以下の点に注意するよう指導すること。

      • ・ボトル包装のふたはチャイルドロックを施しているため、ふたを押しながらねじって開封すること。

      • ・湿気を避けるため、乾燥剤を同封した元の容器で保管すること。

      • ・容器から乾燥剤を取り出さず、使用の都度密栓すること。

その他の注意

  • 15.1 臨床使用に基づく情報

    • 因果関係は明らかではないが、AG881-C-004試験において、本剤群の6/168例(3.6%)及びプラセボ群の2/163例(1.2%)に悪性転化が認められた。無作為化から悪性転化までの期間の中央値[最小、最大](箇月)は、本剤群で16.6[6.9,22.5]、プラセボ群で9.2[9.0,9.4]であった(2023年3月7日データカットオフ)。

      • :本剤又はプラセボの投与中止後の手術における病理組織学的検査でGrade 3又は4と確認された場合を「悪性転化」と定義した。

  • 15.2 非臨床試験に基づく情報

    • ラットを用いた反復経口投与毒性試験において、臨床曝露量の24.7倍以上に相当する用量で、雌性生殖器への影響(性周期消失、卵巣黄体減少及び閉鎖卵胞増加、子宮及び腟萎縮等)が認められた。

相互作用

相互作用序文

  • 本剤は、CYP1A2により代謝される。また、本剤はCYP2B6、2C8、2C9、2C19及び3Aに対する誘導作用並びにBCRPに対する阻害作用を有する。[16.4参照]

薬物代謝酵素用語

CYP1A2

薬物代謝酵素用語

CYP2B6

薬物代謝酵素用語

CYP2C8

薬物代謝酵素用語

CYP2C9

薬物代謝酵素用語

CYP2C19

薬物代謝酵素用語

CYP3A

薬物代謝酵素用語

BCRP

併用禁忌

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
フルボキサミンマレイン酸塩(ルボックス、デプロメール)[2.3、16.7.2参照] 本剤の副作用が増強されるおそれがある。 フルボキサミンマレイン酸塩がCYP1A2を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP1A2阻害剤シプロフロキサシン、ベムラフェニブ、メキシレチン等[16.7.1参照] 本剤の副作用が増強されるおそれがあるため、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 これらの薬剤がCYP1A2を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP1A2誘導剤フェニトイン、リファンピシン、カルバマゼピン等[16.7.2参照] 本剤の有効性が減弱されるおそれがあるため、CYP1A2誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。 これらの薬剤がCYP1A2を誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
タバコ(喫煙) 本剤の有効性が減弱されるおそれがある。 喫煙によるCYP1A2の誘導により、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3Aの基質となる薬剤ミダゾラム、デキサメタゾン、経口避妊薬(デソゲストレル・エチニルエストラジオール、ノルエチステロン・エチニルエストラジオール、レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール等)等[9.4.1、16.7.2参照] これらの薬剤の有効性が減弱するおそれがある。 本剤がCYP3Aを誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP2B6の基質となる薬剤シクロホスファミド、エファビレンツ、メサドン等[16.7.2参照] これらの薬剤の有効性が減弱するおそれがある。 本剤がCYP2B6を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP2C8の基質となる薬剤レパグリニド、パクリタキセル、モンテルカスト等[16.7.2参照] これらの薬剤の有効性が減弱するおそれがある。 本剤がCYP2C8を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP2C9の基質となる薬剤ワルファリン、フルルビプロフェン、フェニトイン等[16.7.2参照] これらの薬剤の有効性が減弱するおそれがある。 本剤がCYP2C9を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP2C19の基質となる薬剤イホスファミド、タモキシフェンクエン酸塩、オメプラゾール等[16.7.2参照] これらの薬剤の有効性が減弱するおそれがある。 本剤がCYP2C19を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
BCRPの基質となる薬剤ロスバスタチン、サラゾスルファピリジン、リバーロキサバン等[16.7.2参照] これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 本剤がBCRPを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 肝不全(0.6%)、肝炎(自己免疫性肝炎を含む)(0.6%)、肝機能障害(40.7%)[7.3、8.参照]

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上 5〜10%未満 1〜5%未満
胃腸障害 悪心、下痢 便秘、腹痛 嘔吐、鼓腸、胃食道逆流性疾患、腹部膨満、上腹部痛、消化不良、おくび、胃炎
一般・全身障害 疲労 無力症
神経系障害 頭痛、浮動性めまい 注意力障害、痙攣発作
代謝および栄養障害 食欲減退 低リン血症、高血糖、高カリウム血症
臨床検査 血中乳酸脱水素酵素増加、血中尿素増加、血小板数減少
精神障害 不眠症、不安、錯乱状態
筋骨格系および結合組織障害 筋肉痛、背部痛
皮膚および皮下組織障害 脱毛症、多汗症、寝汗
呼吸器、胸郭および縦隔障害 呼吸困難
血管障害 高血圧
血液およびリンパ系障害 貧血

薬価

ボラニゴ錠10mg
ボラニゴ錠40mg

評価サマリー

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