本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
がん化学療法後に増悪した
通常、成人には、ゾンゲルチニブとして1日1回120mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
8.1 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.2参照]
8.2 血球減少があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.3参照]
8.3 間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部画像検査の実施等、患者の状態を十分に観察すること。また、患者に対して、初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう説明すること。[11.1.4参照]
8.4 左室駆出率(LVEF)低下があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は適宜心機能検査(心エコー等)を行い、患者の状態(LVEFの変動を含む)を十分に観察すること。[9.1.1参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 左室駆出率(LVEF)が低下している患者
LVEF低下を悪化させるおそれがある。[8.4参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度以上の肝機能障害を有する患者
本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある。なお、中等度以上の肝機能障害のある患者注)を対象とした臨床試験は実施していない。
注)NCI-ODWG(National Cancer Institute-Organ Dysfunction Working Group)基準による分類
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後10日間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5参照]
9.4.2 生殖可能な女性に投与する場合には、受胎能の低下があらわれる可能性があることを考慮すること。動物実験(ラット)において、子宮の萎縮、並びに子宮頸部及び膣の過形成/過角化が報告されている。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験(ラット)において、本剤の胎児への移行の可能性が推定され、本剤120mg投与時の4.4倍に相当する曝露量で胚・胎児死亡が報告されている。[9.4.1、9.6参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。[9.5参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした本剤の有効性及び安全性は確立していない。
14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 湿気を避けるため、乾燥剤を同封したボトル包装品のまま患者に交付すること。
14.1.2 湿気を避けるため、乾燥剤を同封した元の容器にて保存し、使用の都度、密栓するよう患者に指導すること。
本剤は、主にCYP3Aによって代謝され、P-gp及びBCRPの阻害作用を示す。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 強いCYP3A誘導剤カルバマゼピン、リファンピシン、フェニトイン等[16.7.1参照] | 本剤の有効性が減弱するおそれがあるため、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。 | これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 治療域の狭いP-gpの基質となる薬剤シクロスポリン、エベロリムス、シロリムス等[16.7.1参照] | これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| BCRPの基質となる薬剤ロスバスタチン、メトトレキサート、サラゾスルファピリジン等[16.7.1参照] | これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本剤がBCRPを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重度の下痢(3.0%)
11.1.2 肝機能障害(35.2%)[8.1参照]
11.1.3 血球減少
発熱性好中球減少症(頻度不明)、好中球減少症(0.8%)、貧血(17.8%)、血小板減少症(0.8%)等があらわれることがある。[8.2参照]
11.1.4 間質性肺疾患(1.3%)[8.3参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 20〜30%未満 | 10〜20%未満 | 10%未満 | |
| 胃腸障害 | 悪心 | 口内炎 | |
| 臨床検査 | 駆出率減少 | ||
| 皮膚および皮下組織障害 | 発疹 | 皮膚乾燥、そう痒症、爪の障害 |
ヘルネクシオス錠60mg
m3.comにご登録済の方
薬剤名検索
薬剤情報提供:一般財団法人日本医薬情報センター 剤形写真提供:株式会社薬事日報社
・薬剤情報・剤形写真は月一回更新しておりますが、ご覧いただいた時点で最新情報ではない可能性がございます。 最新情報は、各製薬会社のWebサイトなどでご確認ください。
・投稿内容の中に適応外、承認用法・用量外の記載等が含まれる場合がありますが、エムスリー、製薬会社が推奨するものではありません。