レットヴィモ錠40mg 他

抗悪性腫瘍剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 セルペルカチニブ
製造/販売 日本イーライリリー
剤形/規格
  • レットヴィモ錠40mg
  • レットヴィモ錠80mg

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警告

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

禁忌

  • 本剤の成分に対しアナフィラキシー等の重篤な過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • RET融合遺伝子陽性の進行・再発の固形腫瘍

  • RET遺伝子変異陽性の根治切除不能な甲状腺髄様癌

用法・容量

  • 通常、成人にはセルペルカチニブとして1回160mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

  • 通常、12歳以上の小児には体表面積に合わせて次の投与量(セルペルカチニブとして1回約92mg/m2)を1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

    • 小児の用量

      体表面積 1回投与量
      1.2m2未満 80mg
      1.2m2以上
      1.6m2未満
      120mg
      1.6m2以上 160mg

注意事項

重要な基本的注意

  • 8.1 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.1参照]

  • 8.2 QT間隔延長があらわれることがあるので、本剤の投与開始前には患者のQTc間隔が470msec以下であることを確認するとともに血清電解質検査(カリウム、マグネシウム等)を行うこと。心電図及び血清電解質検査を投与開始後1週間時点及び投与開始後6ヵ月間は毎月1回行い、以降も必要に応じて行うこと。また、必要に応じて電解質補正を行うこと。[11.1.2、17.3.1参照]

  • 8.3 高血圧があらわれることがあるので、本剤の投与開始前に血圧が適切に管理されていることを確認すること。本剤投与中は定期的に血圧を測定すること。

  • 8.4 間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部画像検査の実施等、患者の状態を十分に観察すること。また、患者に副作用について説明するとともに、間質性肺疾患の初期症状が発現した場合には、速やかに医療機関を受診するよう説明すること。[9.1.3、11.1.5参照]

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 9.1.1 QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者

      • QT間隔延長が発現するおそれがある。先天性/後天性QT延長症候群又はその他不整脈の要因になる病態を有する患者には慎重に投与すること。[11.1.2、17.3.1参照]

    • 9.1.2 高血圧症の患者

      • 高血圧が悪化するおそれがある。[11.1.4参照]

    • 9.1.3 間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者

      • 間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。[8.4、11.1.5参照]

  • 9.3 肝機能障害患者

    • 9.3.1 重度の肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類C)

      • 減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。[16.6.2参照]

  • 9.4 生殖能を有する者

    • 9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5参照]

    • 9.4.2 男性には、本剤投与中及び最終投与後1週間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[15.2.1参照]

    • 9.4.3 成長期にある若年男性又は男児に投与する場合には、造精機能の低下があらわれる可能性があることを考慮すること。幼若ラットにおいて、精巣の精上皮変性、精巣上体の精子枯渇、精子運動率低値、異常形態精子比率高値及び受胎能の低下が認められ、精巣及び精巣上体の所見に回復性は認められていない

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットを用いた胚・胎児発生毒性試験において、臨床曝露量(AUC)と同程度の曝露量で胎児死亡及び奇形が認められている。[9.4.1参照]

  • 9.6 授乳婦

    • 授乳しないことが望ましい。乳汁移行に関するデータはないが、本剤はBCRPの基質であるため、乳汁移行の可能性がある。

  • 9.7 小児等

    • 9.7.1 成長期にある若年者においては、骨成長について以下の点に注意すること。

      • ・骨端線に異常がないか十分に観察すること。骨端線に異常が認められた場合には、投与継続の可否を慎重に判断すること。

      • ・関節痛及び歩行障害について十分に観察すること。大腿骨頭すべり症等の骨端離開があらわれることがある。

      • [15.2.2参照]

    • 9.7.2 12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意

  • 14.1 薬剤交付時の注意

    • PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

  • 15.2 非臨床試験に基づく情報

    • 15.2.1 セルペルカチニブは、ラット小核試験において、臨床用量160mg1日2回で得られるCmaxの5.2倍に相当する用量で遺伝毒性が陽性であった。[9.4.2参照]

    • 15.2.2 動物試験(成長板が閉鎖していない幼若ラット、若齢ラット及び若齢ミニブタ)において、本剤の反復投与により骨端成長板の異常(骨端軟骨の肥大、過形成及び異形成)が、ヒトに160mg1日2回の用量で投与したときの臨床曝露量よりも低い曝露量で認められている。また、幼若ラットにおいて、骨端成長板の変化に関連して、骨密度及び大腿骨長の低値が、ヒトに160mg1日2回の用量で投与したときの臨床曝露量のそれぞれ0.8倍及び1.9倍で認められている。[9.7.1参照]

    • 15.2.3 ラットを用いた2年間がん原性試験において、ヒトに160mg1日2回の用量で投与したときの臨床曝露量に相当する用量で雌に腟腫瘍が認められている

相互作用

相互作用序文

  • 本剤は、主にCYP3A4によって代謝され、CYP2C8及び3Aの阻害作用を示す。また、本剤の溶解度はpHの上昇により低下する。

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

薬物代謝酵素用語

CYP2C8

薬物代謝酵素用語

CYP3A

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP2C8の基質となる薬剤レパグリニドピオグリタゾンモンテルカスト等[16.7.6参照] これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 本剤がCYP2C8を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3Aの基質となる薬剤ミダゾラムトリアゾラムロミタピド等[16.7.5参照] これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 本剤がCYP3Aを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A阻害剤イトラコナゾールクラリスロマイシンエリスロマイシン等[16.7.1、16.7.2参照] 本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A誘導剤リファンピシンフェニトインボセンタン等[16.7.3、16.7.4参照] 本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。 これらの薬剤等がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有製品 本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、摂取しないよう注意すること。 これらの薬剤等がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
プロトンポンプ阻害剤オメプラゾールランソプラゾールエソメプラゾール等[16.7.7参照] 本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、本剤とともに食後に投与すること。 これらの薬剤による胃内pHの上昇により、本剤の吸収が低下し、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
H2受容体拮抗剤ラニチジンファモチジンシメチジン等[16.7.8参照] 本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、本剤と服用時間をずらすこと(ラニチジンを本剤投与10時間前及び2時間後に投与したときの本剤の血中濃度への影響は限定的であった)。 これらの薬剤による胃内pHの上昇により、本剤の吸収が低下し、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
制酸剤炭酸カルシウム水酸化マグネシウム水酸化アルミニウム等 本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、本剤と服用時間をずらすこと(制酸剤を本剤投与2時間前又は2時間後に投与したときの本剤の血中濃度への影響は限定的であった)。 これらの薬剤による胃内pHの上昇により、本剤の吸収が低下し、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 肝機能障害(36.4%)[8.1参照]

  • 11.1.2 QT間隔延長(13.9%)[8.2、9.1.1、17.3.1参照]

  • 11.1.3 過敏症(5.1%)

    • 発疹、発熱等の症状を伴う遅発性の過敏症があらわれることがある。[7.2参照]

  • 11.1.4 高血圧(30.0%)[9.1.2参照]

  • 11.1.5 間質性肺疾患(0.7%)[8.4、9.1.3参照]

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

20%以上 5〜20%未満 5%未満 頻度不明
消化器 口内乾燥(34.2%)、下痢 便秘、悪心、口内炎、腹痛 嘔吐
一般・全身及び投与部位反応 疲労 浮腫、発熱
呼吸器 鼻出血、肺炎
感染症 尿路感染
内分泌 甲状腺機能低下症
代謝・栄養障害 食欲減退
精神神経系 頭痛 浮動性めまい
皮膚 発疹
生殖器 勃起不全
血液 血小板減少、白血球減少、好中球減少 リンパ球減少、貧血
臨床検査値異常 血中クレアチニン増加 低マグネシウム血症、低カリウム血症、低カルシウム血症、低アルブミン血症
その他 乳び胸、乳び腹水

薬価

レットヴィモ錠40mg
レットヴィモ錠80mg

評価サマリー

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