タフィンラーカプセル50mg 他

抗悪性腫瘍剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 ダブラフェニブメシル酸塩
製造/販売 ノバルティスファーマ
剤形/規格
  • タフィンラーカプセ...
  • タフィンラーカプセ...
  • タフィンラー小児用...

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警告

  • 1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

禁忌

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

効能・効果

  • タフィンラーカプセル50mg

    • <カプセル>

      • BRAF遺伝子変異を有する悪性黒色腫

      • BRAF遺伝子変異を有する切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

      • ○標準的な治療が困難なBRAF遺伝子変異を有する進行・再発の固形腫瘍(結腸・直腸癌を除く)

      • BRAF遺伝子変異を有する再発又は難治性の有毛細胞白血病

      • BRAF遺伝子変異を有する低悪性度神経膠腫

用法・容量

  • タフィンラーカプセル50mg

    • カプセル

      • <悪性黒色腫>

        • 通常、成人にはダブラフェニブとして1回150mgを1日2回、空腹時に経口投与する。ただし、術後補助療法の場合には、トラメチニブと併用し、投与期間は12ヵ月間までとする。なお、患者の状態により適宜減量する。

      • <非小細胞肺癌、有毛細胞白血病>

        • トラメチニブとの併用において、通常、成人にはダブラフェニブとして1回150mgを1日2回、空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

      • <固形腫瘍、低悪性度神経膠腫>

        • トラメチニブとの併用において、通常、ダブラフェニブとして以下の用量を1日2回、空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

          • ・成人には、1回150mg

          • ・小児には、体重に合わせて次の用量

            • 体重 26kg以上38kg未満 38kg以上43kg未満 43kg以上51kg未満 51kg以上
              1回投与量 75mg 100mg 125mg 150mg

注意事項

重要な基本的注意

  • 8.1 発熱が高頻度に認められ、重度の脱水、低血圧を伴う例も報告されているので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬や解熱剤の投与など適切な処置を行い、感染症等の有無を評価すること。解熱剤で効果が不十分な場合には、経口ステロイド剤の投与を検討すること。[7.4参照]

  • 8.2 有棘細胞癌(皮膚の扁平上皮癌)、新たな原発性悪性黒色腫があらわれることがあるので、定期的に皮膚の状態を確認すること。また、皮膚の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。[11.1.1参照]

  • 8.3 皮膚以外の部位に悪性腫瘍があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。[11.1.2参照]

  • 8.4 心障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前には、患者の心機能を確認すること。本剤投与中は適宜心機能検査(心エコー等)を行い、患者の状態(左室駆出率(LVEF)の変動を含む)を十分に観察すること。[9.1.1、11.1.3参照]

  • 8.5 ぶどう膜炎(虹彩炎を含む)等の重篤な眼障害が報告されているので、定期的に眼の異常の有無を確認すること。また、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。

  • 8.6 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に肝機能検査を行うこと。[9.3.1、11.1.4参照]

  • 8.7 好中球減少症、白血球減少症があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行うこと。[11.1.7参照]

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 9.1.1 心疾患又はその既往歴のある患者

      • 症状が悪化するおそれがある。[8.4、11.1.3参照]

  • 9.3 肝機能障害患者

    • 9.3.1 中等度以上の肝機能障害患者

      • 本剤の曝露量が増加する可能性がある。[8.6、11.1.4参照]

  • 9.4 生殖能を有する者

    • 9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後2週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。経口避妊薬による避妊法の場合には、経口避妊薬以外の方法をあわせて使用すること。[9.5、10.2参照]

    • 9.4.2 男性には、本剤投与中及び最終投与後2週間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[9.5参照]

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験では、ラットにおいて母動物の体重増加量・胎児体重の低値、骨化遅延が20mg/kg/日(臨床曝露量(AUC)の約0.3倍)以上の群でみられ、黄体数・着床数の低値、着床前・後死亡率の高値、生存胎児数の低値、心室中隔欠損及び胸腺分離が300mg/kg/日(臨床曝露量(AUC)の約1.9倍)群で認められている。[2.2、9.4.1、9.4.2参照]

  • 9.6 授乳婦

    • 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトの乳汁中への移行は不明である。

  • 9.7 小児等

    • <悪性黒色腫、非小細胞肺癌、有毛細胞白血病>

      • 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

    • <固形腫瘍、低悪性度神経膠腫>

      • 低出生体重児、新生児、乳児を対象とした臨床試験は実施していない。[5.7、5.11参照]

  • 9.8 高齢者

    • 患者の状態を観察しながら注意して投与すること。一般に生理機能が低下している。

適用上の注意

  • <小児用分散錠>

    • 14.1 薬剤交付時の注意

      • 14.1.1 乾燥剤の入った元の容器の状態で患者に交付すること。

      • 14.1.2 患者又は保護者等に対して以下の注意点を指導すること。

        • (1)保存時

          • ・使用直前まで乾燥剤の入った元の容器で保管し、使用の都度密栓すること。

        • (2)服用時

          • ・本剤を噛み砕いたり、丸ごと飲み込んだりせず、水に分散させて服用すること。

          • ・専用の計量カップに水を入れ、これに本剤を加えて分散すること。水の量は本剤の投与量が10〜40mgの場合は5mL、50〜150mgの場合は10mLとすること。

          • ・分散後は30分以内に服用すること。30分以上経過した場合は服用せずに廃棄すること。

          • ・計量カップの底に本剤が残った場合は、5mLの水を追加し、分散して服用すること。

その他の注意

  • 15.1 臨床使用に基づく情報

    • 15.1.1 臨床試験において、RAS遺伝子変異を有する腫瘍の発現が報告されている。

  • 15.2 非臨床試験に基づく情報

    • 15.2.1 変異型RASを伴う野生型BRAF細胞をBRAF阻害剤で処理することにより、MAPKシグナル伝達の活性化が示されている

    • 15.2.2 マウス、ラット及びイヌにおいて精巣/精巣上体に悪影響(精上皮の変性、精細管萎縮、精子数減少等)が5mg/kg/日(臨床曝露量(AUC)の約0.2倍)以上の群でみられ、ラット及びイヌでは休薬後においても回復性は認められなかった。

    • 15.2.3 マウス、ラット及びイヌにおいて心臓又は血管への悪影響(冠動脈の変性/壊死、出血、房室弁の肥大/出血、心房の線維血管性増殖、肝動脈の変性、血管/血管周囲炎等)が15mg/kg/日(臨床曝露量(AUC)の約0.5倍)以上の群でみられた。

    • 15.2.4 イヌにおいて気管支肺胞の炎症が20mg/kg/日(臨床曝露量(AUC)の約8.4倍)以上の群でみられた。

    • 15.2.5In vitro3T3光毒性試験で陽性を示し、また、ヘアレスマウスを用いたin vivo試験で100mg/kg(臨床曝露量(Cmax)の約31倍)以上の群で光毒性反応がみられた。

    • 15.2.6 幼若ラットにおいて、成長・発達への影響(骨長の短縮、膣開口の早期化)が1mg/kg/日/3mg/kg/日(生後7〜21日の投与量/生後22〜35日の投与量)(成人の臨床曝露量(AUC)の約0.2倍)以上の群でみられた。また、同用量群で成熟動物では認められなかった腎臓への影響(尿細管変性等)等がみられた。

相互作用

相互作用序文

  • 本剤はCYP2C8及び3A4の基質となる。また、本剤はCYP2C9及び3A4を誘導することが示されている。[16.7.1参照]

薬物代謝酵素用語

CYP2C8

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

薬物代謝酵素用語

CYP2C9

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A阻害剤ケトコナゾール(経口剤は国内未承認)クラリスロマイシンリトナビル等[16.7.2参照] 本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。やむを得ずCYP3A阻害剤と本剤を併用投与する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現・増強に注意すること。 これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇するおそれがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP2C8阻害剤ゲムフィブロジル(国内未承認)等[16.7.2参照] 本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、CYP2C8阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。やむを得ずCYP2C8阻害剤と本剤を併用投与する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現・増強に注意すること。 これらの薬剤がCYP2C8を阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇するおそれがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A及びCYP2C8誘導剤リファンピシン等[16.7.2参照] 本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、CYP3A及びCYP2C8誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。 これらの薬剤がCYP3A及びCYP2C8を誘導することにより、本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A基質ミダゾラム経口避妊薬(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール等)デキサメタゾン等[9.4.1、16.7.2参照] CYP3Aにより代謝される薬剤と併用する場合は、これらの薬剤の血中濃度が低下し、有効性が減弱する可能性がある。 本剤がCYP3Aを誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP2C9基質ワルファリン等[16.7.2参照] CYP2C9により代謝される薬剤と併用する場合は、これらの薬剤の血中濃度が低下し、有効性が減弱する可能性がある。 本剤がCYP2C9を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
OATP1B1及びOATP1B3基質HMG-CoA還元酵素阻害剤(ロスバスタチン)等[16.7.2参照] OATP1B1及びOATP1B3の基質となる薬剤と併用する場合は、これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 本剤がOATP1B1及びOATP1B3を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 注1)、注2)、注3)

  • 11.1.1 有棘細胞癌

    • 皮膚有棘細胞癌(0.4%、1.6%)、ケラトアカントーマ(0.2%、3.7%)、ボーエン病(0.4%、頻度不明)があらわれることがある。臨床試験において、有毛細胞白血病患者では他がん種の患者よりも有棘細胞癌の発現頻度に高い傾向が認められた(皮膚有棘細胞癌(5.5%、頻度不明)、扁平上皮癌(5.5%、頻度不明))注4)。[8.2参照]

  • 11.1.2 悪性腫瘍(二次発癌)

    • 原発性悪性黒色腫(0.1%、1.1%)等の悪性腫瘍(二次発癌)があらわれることがある。臨床試験において、有毛細胞白血病患者では他がん種の患者よりも悪性腫瘍(二次発癌)の発現頻度に高い傾向が認められた(基底細胞癌(12.7%、頻度不明))注4)。[8.3参照]

  • 11.1.3 心障害

    • 心不全(0.1%、0.5%)、左室機能不全(0.1%、1.4%)、駆出率減少(5.8%、4.7%)等の重篤な心障害があらわれることがある。[8.4、9.1.1参照]

  • 11.1.4 肝機能障害

    • ALT(11.2%、1.6%)、AST(11.2%、0.5%)等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.6、9.3.1参照]

  • 11.1.5 静脈血栓塞栓症(0.3%、頻度不明)

  • 11.1.6 脳血管障害

    • 脳出血(0.1%、頻度不明)、脳卒中(いずれも頻度不明)等の脳血管障害があらわれることがある。

  • 11.1.7 好中球減少症(8.0%、1.1%)、白血球減少症(3.3%、0.5%)[8.7参照]

  • 注1)重大な副作用の発現頻度は、トラメチニブとの併用時、本剤単独投与時の順に記載した。

  • 注2)トラメチニブとの併用時の副作用頻度は臨床試験(MEK115306試験、MEK116513試験、F2301試験、E2201試験、X2201試験及びG2201試験)に基づき記載した。

  • 注3)本剤単独投与時の副作用頻度は海外臨床試験(BRF113683試験)に基づき記載した。

  • 注4)X2201試験の有毛細胞白血病患者(55例)で発現した副作用頻度に基づき記載した。

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • トラメチニブとの併用時注2)

10%以上 1%〜10%未満 1%未満 頻度不明
感染症 毛包炎、膿疱性皮疹、爪囲炎 蜂巣炎、尿路感染、上咽頭炎
血液 貧血、血小板減少症
代謝 食欲減退、脱水、低ナトリウム血症、低リン血症、高血糖
神経系 頭痛 浮動性めまい、末梢性ニューロパチー
霧視、ぶどう膜炎、視力障害 網膜色素上皮剥離、網脈絡膜症、網膜剥離、眼窩周囲浮腫
心・血管 高血圧、低血圧、出血(鼻出血、歯肉出血等) リンパ浮腫、徐脈、QT/QTc間隔延長、房室ブロック 心拍数減少
呼吸器 咳嗽、呼吸困難 肺臓炎、間質性肺炎
消化器 悪心、下痢、嘔吐 便秘、腹痛、口内乾燥、口内炎 膵炎
肝胆道系 ALP増加、γ-GTP増加
皮膚 発疹、皮膚乾燥 そう痒症、ざ瘡様皮膚炎、紅斑、日光角化症、寝汗、過角化、脱毛症、手掌・足底発赤知覚不全症候群、皮膚病変、多汗症、脂肪織炎、皮膚亀裂、光線過敏症 急性熱性好中球性皮膚症(Sweet症候群)
筋骨格系 関節痛、筋肉痛 四肢痛、筋痙縮、血中CK増加 横紋筋融解症
腎炎、腎不全、尿細管間質性腎炎、急性腎障害
全身 発熱(49.6%)、疲労、悪寒 無力症、末梢性浮腫、インフルエンザ様疾患、粘膜の炎症、体重増加 顔面浮腫
その他 脂漏性角化症 乳頭腫、アクロコルドン、過敏症
  • 注2)トラメチニブとの併用時の副作用頻度は臨床試験(MEK115306試験、MEK116513試験、F2301試験、E2201試験、X2201試験及びG2201試験)に基づき記載した。

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 本剤単独投与時注3)

10%以上 1%〜10%未満 1%未満 頻度不明
感染症 鼻咽頭炎
代謝 高血糖、食欲減退、低リン酸血症
神経系 頭痛 末梢性ニューロパチー
心・血管 QT/QTc間隔延長
ぶどう膜炎
呼吸器 咳嗽
消化器 悪心、嘔吐、下痢、便秘 膵炎
皮膚 発疹、過角化(34%)、脱毛症、手掌・足底発赤知覚不全症候群 そう痒症、皮膚乾燥、日光角化症、皮膚病変、紅斑、光線過敏症 脂肪織炎
筋骨格系 関節痛 筋肉痛、四肢痛
腎不全、急性腎障害、尿細管間質性腎炎
全身 疲労、発熱、無力症 悪寒、インフルエンザ様疾患
その他 乳頭腫、アクロコルドン、脂漏性角化症 過敏症
  • 注3)本剤単独投与時の副作用頻度は海外臨床試験(BRF113683試験)に基づき記載した。

薬価

タフィンラーカプセル50mg 5367.7円/カプセル
タフィンラーカプセル75mg 7903.2円/カプセル
タフィンラー小児用分散錠10mg 1225.9円/錠

評価サマリー

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