本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
○他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫
通常、成人にはピルトブルチニブとして200mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
8.1 出血があらわれることがあり、外科的処置に伴って大量出血が生じる可能性があることから、本剤投与中に手術や侵襲的手技を実施する患者に対しては、術前術後の3〜5日程度は本剤の投与中断を考慮すること。[11.1.2参照]
8.2 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与に際しては定期的に血液検査を行うこと。[11.1.3参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。生殖発生毒性試験(ラット)において、器官形成期の妊娠ラットに本剤を投与したところ臨床曝露量注)に相当する用量で胎児体重の減少、胚胎児の死亡及び催奇形性(腎臓欠損・形態異常・位置異常・小型化、尿管欠損、卵巣位置異常、子宮形態異常、胸骨分節形態異常)が認められている
注)臨床推奨用量を投与時の定常状態のAUC
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。[9.5参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.1 臨床使用に基づく情報
臨床試験において、皮膚癌等の二次性悪性腫瘍が認められたとの報告がある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
反復投与毒性試験(イヌ)において、臨床曝露量未満に相当する用量で角膜への影響(角膜混濁、上皮単細胞壊死、びらん、潰瘍等)が認められている
本剤は、主にCYP3A4によって代謝され、CYP2C8、CYP2C19、CYP3A、P-gp及びBCRPの阻害作用を示す。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 強い又は中程度のCYP3A誘導剤リファンピシンカルバマゼピンエファビレンツ等[16.7.1、16.7.2参照] | 本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。 | これらの薬剤がCYP3Aの代謝酵素を誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP2C8の基質となる薬剤レパグリニドピオグリタゾンモンテルカスト等[16.7.3参照] | これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本剤がCYP2C8を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| P-gpの基質となる薬剤ジゴキシンダビガトランエテキシラートエベロリムス等[16.7.4参照] | これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| BCRPの基質となる薬剤ロスバスタチンイマチニブサラゾスルファピリジン等[16.7.5参照] | これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本剤がBCRPを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP2C19の基質となる薬剤オメプラゾールジアゼパムランソプラゾール等[16.7.6参照] | これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本剤がCYP2C19を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3Aの基質となる薬剤(経口剤)ミダゾラムトリアゾラムロミタピド等[16.7.7参照] | これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本剤が主に消化管におけるCYP3Aを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 感染症
肺炎(
11.1.2 出血
消化管出血(
11.1.3 骨髄抑制
好中球減少症(
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 10%以上 | 5〜10%未満 | 5%未満 | |
| 血液及びリンパ系障害 | |||
| 胃腸障害 | 下痢 | 悪心、腹痛 | |
| 一般・全身障害及び投与部位の状態 | 疲労 | 末梢性浮腫 | |
| 感染及び寄生虫症 | 上気道感染、尿路感染 | ||
| 傷害、中毒及び処置合併症 | 挫傷 | ||
| 筋骨格系及び結合組織障害 | 関節痛 | ||
| 神経系障害 | 頭痛 | ||
| 腎及び尿路障害 | 血尿 | ||
| 呼吸器、胸郭及び縦隔障害 | 鼻出血 | ||
| 皮膚及び皮下組織障害 | 点状出血 | ||
| 心臓障害 | 心房細動、心房粗動 | ||
| 血管障害 | 血腫 |
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