2.1 消化管又は尿路の器質的閉塞のある患者[蠕動運動を亢進させ、また排尿筋を収縮させる作用を有する。]
2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.3 迷走神経緊張症の患者[迷走神経興奮作用を有する。]
2.4 脱分極性筋弛緩剤(スキサメトニウム)を投与中の患者[10.1参照]
○重症筋無力症
○消化管機能低下のみられる下記疾患
慢性胃炎
手術後及び分娩後の腸管麻痺
弛緩性便秘症
○手術後及び分娩後における排尿困難
<重症筋無力症>
通常、成人にはネオスチグミン臭化物として1回15〜30mgを1日1〜3回経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。
<消化管機能低下のみられる3疾患並びに手術後及び分娩後における排尿困難>
通常、成人にはネオスチグミン臭化物として1回5〜15mgを1日1〜3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
8.1 ときに筋無力症状の重篤な悪化、呼吸困難、嚥下障害(クリーゼ)をみることがあるので、このような場合には、臨床症状でクリーゼを鑑別し、困難な場合には、エドロホニウム塩化物2mgを静脈内注射し、クリーゼを鑑別し、次の処置を行うこと。
8.1.1 コリン作動性クリーゼ
腹痛、下痢、発汗、唾液分泌過多、縮瞳、線維束攣縮等の症状が認められた場合又はエドロホニウム塩化物を投与したとき症状が増悪ないし不変の場合は、直ちに投与を中止し、アトロピン硫酸塩水和物0.5〜1mgを静脈内注射する。更に、必要に応じて人工呼吸又は気管切開等を行い気道を確保する。[11.1.1、13.1参照]
8.1.2 筋無力性クリーゼ
呼吸困難、唾液排出困難、チアノーゼ、全身の脱力等の症状が認められた場合又はエドロホニウム塩化物を投与したとき症状の改善が認められた場合は、本剤の投与量を増加する。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 気管支喘息の患者
気管支平滑筋を収縮させることがある。
9.1.2 甲状腺機能亢進症の患者
甲状腺機能亢進症を悪化させるおそれがある。
9.1.3 冠動脈閉塞のある患者
冠動脈を収縮させることがある。
9.1.4 徐脈のある患者
徐脈を更に増強させるおそれがある。
9.1.5 消化性潰瘍の患者
胃酸分泌を促進させることがある。
9.1.6 てんかんの患者
骨格筋の緊張が高まり、痙攣症状を増強させるおそれがある。
9.1.7 パーキンソン症候群の患者
不随意運動を増強させるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に高齢者では、生理機能が低下している。
13.1 症状
コリン作動性クリーゼ(腹痛、下痢、発汗、唾液分泌過多、縮瞳、線維束攣縮等)があらわれることがある。[8.1.1、11.1.1参照]
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 脱分極性筋弛緩剤スキサメトニウム塩化物水和物スキサメトニウム、レラキシン[2.4参照] | 脱分極性筋弛緩剤の作用を増強する。 | 本剤はコリンエステラーゼを阻害し、脱分極性筋弛緩剤の分解を抑制する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| コリン作動薬アセチルコリン、アクラトニウムナパジシル酸塩等 | 相互に作用が増強される。 | 本剤はコリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリン、アクラトニウムナパジシル酸塩の分解を抑制する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 副交感神経抑制剤アトロピン硫酸塩水和物、スコポラミン臭化水素酸塩水和物、ブトロピウム臭化物等 | 副交感神経抑制剤はコリン作動性クリーゼの初期症状を不顕性化し、本剤の過剰投与を招くおそれがあるので、副交感神経抑制剤の常用は避けること。 | 副交感神経抑制剤は本剤の作用に拮抗する。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 コリン作動性クリーゼ(頻度不明)[8.1.1、13.1参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 0.1〜5%未満 | 頻度不明 | |
| 過敏症 | 過敏症状 | |
| 循環器 | 血圧降下、徐脈、頻脈 | |
| 呼吸器 | 気管支痙攣、気道分泌の亢進 | |
| 消化器 | 唾液の分泌過多、悪心・嘔吐、下痢 | 腹痛 |
| 精神神経系 | 発汗、めまい、大量投与による不安・興奮・虚脱・脱力・筋攣縮・骨格筋の線維束攣縮等 | |
| その他 | 縮瞳 |
ワゴスチグミン散(0.5%) 14.1円/g
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