被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。
明らかな発熱を呈している者
重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制をきたす治療を受けている者(「相互作用」の項参照)
妊娠していることが明らかな者
上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
本剤は、おたふくかぜの予防に使用する。
本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)0.7mLで溶解し、通常、その0.5mLを1回皮下に注射する。
本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期の予防接種実施要領」に準拠して使用すること。
被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。
本剤は、培養工程で牛胎児血清を用いて製造されている。この牛胎児血清は、米国農務省により健康であると確認された母牛に由来する牛胎児から得られたものである。理論的なリスク評価では、一定の安全性を確保する目安に達していることを確認している。また、他の医薬品と同様に、本剤の接種によりTSEがヒトに伝播したとの報告はない。
以上のことから、本剤によるTSE伝播のリスクは極めて低いものと考えられるが、理論的リスクは完全には否定できないため、その旨を被接種者又はその保護者へ説明することを考慮すること。
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
過去にけいれんの既往のある者
過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者
接種用器具
接種用器具は、ガンマ線等により滅菌されたディスポーザブル品を用いる。
注射針及び注射筒は、被接種者ごとに取り換えなければならない。
接種時
本剤の溶解に当たっては、容器の栓及びその周囲をアルコールで消毒した後、添付の溶剤で均一に溶解して、所要量を注射器内に吸引する。この操作に当たっては雑菌が迷入しないよう注意する。また、栓を取り外し、あるいは他の容器に移し使用してはならない。
注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。
接種部位
接種部位は、通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒する。
本剤は、培養工程で米国産の牛胎児血清を用いて製造されたものである。ウシ成分を製造工程に使用しており、本剤による伝達性海綿状脳症(TSE)伝播の理論的リスクを完全には否定できないので、使用の必要性を十分に検討の上、本剤を接種すること。(「重要な基本的注意」の項参照)
保存時
本剤のウイルスは日光に弱く、速やかに不活化されるので、溶解の前後にかかわらず光が当たらないよう注意すること。
溶剤が凍結すると容器が破損することがある。
接種前
溶解時に内容をよく調べ、沈殿及び異物の混入、その他異常を認めたものは使用しないこと。
接種時
本剤の溶解は接種直前に行い、一度溶解したものは直ちに使用する。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 副腎皮質ステロイド剤プレドニゾロン等免疫抑制剤シクロスポリン(サンディミュン)タクロリムス(プログラフ)アザチオプリン(イムラン)等 | 本ワクチンの接種により右記機序でおたふくかぜ様症状があらわれるおそれがあるので接種しないこと。 | 免疫機能抑制下で本剤を接種すると、ワクチンウイルスの感染を増強あるいは持続させる可能性がある。免疫抑制的な作用をもつ薬剤の投与を受けている者、特に長期又は大量投与を受けている者、又は投与中止後6ヵ月以内の者は、免疫機能が低下していることがある。 |
輸血及びガンマグロブリン製剤投与との関係
輸血又はガンマグロブリン製剤中にムンプスウイルスに対する抗体が含まれると本剤接種後、ワクチンウイルスが中和され、増殖しないことがある。
接種前3カ月以内に輸血又はガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、本剤の効果が得られないおそれがあるので、3カ月以上すぎるまで接種を延期すること。また、ガンマグロブリン製剤の大量療法、すなわち川崎病、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の治療において200mg/kg以上投与を受けた者は、6カ月以上すぎるまで接種を延期することが望ましい。
本剤接種後14日以内にガンマグロブリン製剤を投与した場合は、本剤の効果が得られないことがあるので、投与後3カ月以上経過した後に本剤を再接種することが望ましい。
他の生ワクチン製剤との関係
他の生ワクチン(経口生ポリオワクチン、麻しんワクチン、風しんワクチン、水痘ワクチン、BCGワクチン、黄熱ワクチン等)の干渉作用により本剤のウイルスが増殖せず免疫が獲得できないおそれがあるので、他の生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること。
(まれに:0.1%未満、ときに:0.1〜5%未満、副詞なし:5%以上又は頻度不明)
ショック
まれにショックがあらわれることがあるので、接種後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
無菌性髄膜炎
接種後、ワクチンに由来すると疑われる無菌性髄膜炎が、まれに発生することがある。乾燥弱毒生麻しんおたふくかぜ風しん混合ワクチン(統一株MMRワクチン)では、接種後3週間前後に、おたふくかぜワクチンに由来すると疑われる無菌性髄膜炎が、1200人接種あたり1人程度発生するとの報告がある。本剤接種後、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
急性血小板減少性紫斑病
まれに(100万人接種あたり1人程度)急性血小板減少性紫斑病があらわれることがある。通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれる。本症が疑われる場合には、血液検査等の観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。
難聴
まれに、ワクチン接種との関連性が疑われる難聴があらわれたとの報告がある。通常一側性のため、出現時期等の確認が難しく、特に乳幼児の場合注意深い観察が必要である。本症が疑われる場合には、聴力検査等を行い、適切な処置を行うこと。
精巣炎
まれに、ワクチンに由来すると疑われる精巣炎があらわれたとの報告がある。通常、接種後3週間前後に精巣腫脹等が、特に思春期以降の男性にみられるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
全身症状
おたふくかぜに対して免疫のない健康児に本剤を接種した場合、接種後2〜3週間ごろ、発熱、耳下腺腫脹、嘔吐、咳、鼻汁等を認めることがある。しかし、これらの症状は自然感染に比べ軽度であり、かつ、一過性で、通常、数日中に消失する。
局所症状
接種局所に発赤、腫脹を認めることがあるが、通常、一過性で2〜3日中に消失する。
乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン「化血研」
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