抗悪性腫瘍剤/微小管阻害薬結合抗CD79bモノクローナル抗体
| 一般名 |
ポラツズマブベドチン(遺伝子組換え)
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|---|---|
| 製造/販売 | 中外製薬 |
| 剤形/規格 |
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本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分に対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して、十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
通常、成人には、ポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)として、以下の抗悪性腫瘍剤との併用で、1回1.8mg/kg(体重)を3週間間隔で6回点滴静注する。初回投与時は90分かけて投与し、忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。
○リツキシマブ(遺伝子組換え)、シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩及びプレドニゾロン又はメチルプレドニゾロンとの併用
○ベンダムスチン塩酸塩製剤及びリツキシマブ(遺伝子組換え)との併用
8.1 骨髄抑制があらわれることがあるので、治療開始前及び治療期間中は、定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、本剤の投与にあたっては、G-CSF製剤の適切な使用を考慮すること。[11.1.1参照]
8.2 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.5参照]
8.3 肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.7参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 感染症を合併している患者
骨髄抑制等により、感染症が増悪するおそれがある。[11.1.2参照]
9.1.2 末梢性ニューロパチーを合併している患者
症状を悪化させるおそれがある。[11.1.3参照]
9.3 肝機能障害患者
本剤を構成するモノメチルアウリスタチンE(MMAE)は主に肝代謝により消失することから、肝機能障害はMMAEの血中濃度を上昇させる可能性がある。なお、肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び
9.4.2
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(ラット)において、妊娠6日目及び13日目にMMAEを投与したところ、胚・胎児毒性及び催奇形性が報告されている。[9.4.1参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ヒトでの乳汁中移行に関するデータはないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 溶解
(1)日局注射用水(点滴静注用30mg:1.8mL、点滴静注用140mg:7.2mL)により溶解してポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)を20mg/mLの濃度にした後、静かにバイアルを回転させ、完全に溶解すること。変色、くもり又は粒子が溶解液に認められた場合は使用しないこと。
(2)溶解後速やかに希釈しない場合は、2〜8℃で保存し、24時間以内に投与すること。残液は廃棄すること。
14.1.2 希釈
(1)必要量をバイアルから抜き取り、ポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)の希釈後の濃度が0.72mg/mLから2.70mg/mLになるように、日局生理食塩液、5%ブドウ糖溶液のいずれかの輸液バッグを用いて希釈する。静かに輸液バッグを回転させて混和すること。他剤と混和しないこと。
(2)抗体タンパクが凝集するおそれがあるので、希釈後に決して激しい振動を加えないこと。
(3)調製後、希釈した液は速やかに使用すること。なお、やむを得ず希釈した液を保存する場合は、2〜8℃で保存し、24時間以内に使用すること。残液は廃棄すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 0.2又は0.22μmインラインフィルターを通して投与すること。
15.1 臨床使用に基づく情報
臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。
15.2 非臨床試験に基づく情報
本剤の構成成分であるMMAEは、ラットの骨髄小核試験で遺伝毒性(異数性誘発作用)を示した。[9.4.2参照]
外箱開封後は遮光して保存すること。
MMAEは主にCYP3Aによって代謝される。[16.4参照]
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 強いCYP3A阻害剤イトラコナゾール、リトナビル、クラリスロマイシン等[16.7.1参照] | 副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない薬剤又は中程度以下のCYP3A阻害剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する際には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 強いCYP3A阻害剤との併用により、MMAEの代謝が阻害され、MMAEの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 骨髄抑制(49.2%)
好中球減少(31.6%)、発熱性好中球減少症(10.2%)、貧血(21.7%)、血小板減少(14.7%)、白血球減少(11.3%)、リンパ球減少(6.8%)等があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.2 感染症(20.3%)
重篤な肺炎(3.6%)及び敗血症(1.8%)等、日和見感染を含む感染症があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。[9.1.1参照]
11.1.3 末梢性ニューロパチー(34.5%)
末梢性ニューロパチー(19.4%)、末梢性感覚ニューロパチー(15.3%)、多発ニューロパチー(0.9%)、末梢性運動ニューロパチー(0.5%)等があらわれることがあるので、感覚鈍麻、筋力低下、錯感覚、知覚過敏等の症状があらわれた場合には、本剤の休薬、減量又は中止等を考慮すること。[9.1.2参照]
11.1.4 Infusion reaction(6.5%)
嘔吐、発疹、発熱、悪寒、紅潮、呼吸困難、低血圧等を含むinfusion reactionがあらわれることがあり、多くの場合は、初回投与時に発現が認められたが、2回目以降の投与時にも認められている。異常が認められた場合には、本剤の投与を中断又は中止し適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[7.2参照]
11.1.5 腫瘍崩壊症候群(0.7%)
異常が認められた場合は本剤の投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[8.2参照]
11.1.6 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)
本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知機能障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、構音障害、失語等の症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.7 肝機能障害(6.8%)
トランスアミナーゼやビリルビン値の上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.3参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 10%以上 | 3%以上10%未満 | 3%未満 | |
| 皮膚 | 脱毛症、発疹 | 皮膚乾燥、爪の障害、そう痒症、蕁麻疹、全身性剥脱性皮膚炎 | |
| 肝臓 | LDH上昇 | ||
| 腎臓 | 血中クレアチニン増加、血尿 | ||
| 免疫系 | 低γグロブリン血症、免疫グロブリン減少 | ||
| 消化器 | 悪心(22.6%)、便秘(17.6%)、下痢(17.1%) | 嘔吐、口内炎、腹痛 | 消化不良、口内乾燥、リパーゼ増加、腹部膨満、アミラーゼ増加、胃酸逆流 |
| 心・血管系 | 高血圧、血管炎 | ||
| 筋骨格系 | 筋痙縮、筋骨格痛、四肢痛、関節痛 | ||
| 呼吸器 | 呼吸困難 | 咳嗽、口腔咽頭痛、肺臓炎、鼻出血、咽頭の炎症 | |
| 精神・神経系 | 味覚異常、錯感覚、頭痛 | 浮動性めまい | |
| 代謝 | 食欲減退 | 脱水、低カリウム血症、低マグネシウム血症、低リン酸血症、低アルブミン血症、低カルシウム血症 | |
| その他 | 疲労(19.9%) | 無力症、体重減少、発熱、倦怠感 | 粘膜の炎症、悪寒、浮腫、全身健康状態低下、歩行障害 |
ポライビー点滴静注用30mg 254001円/瓶
ポライビー点滴静注用140mg 1159681円/瓶
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