1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
1.2 毛細血管漏出症候群があらわれ、死亡に至った症例が報告されている。本剤投与の前後に生理食塩液等の輸液を行うことを考慮するとともに、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に血清アルブミン値、血圧、脈拍、体重の測定を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。低血圧、浮腫、低アルブミン血症、体重増加、肺水腫、胸水、腹水、血液濃縮等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、毛細血管漏出症候群の発現後に、横紋筋融解症を発現し死亡に至った症例も報告されている。[7.2、8.1、8.2、11.1.1、11.1.2参照]
1.3 失明を含む重篤な視力障害及び色覚異常があらわれ、回復しなかった症例も報告されている。眼科医との連携の下で使用し、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に眼科検査を実施し、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[8.3、11.1.3参照]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
○再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫
○再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫
通常、成人にはデニロイキン ジフチトクス(遺伝子組換え)として1日1回9μg/kgを1時間かけて5日間点滴静注した後、16日間休薬する。この21日間を1サイクルとして、最大8サイクル投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
8.1 毛細血管漏出症候群があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に血清アルブミン値、血圧、脈拍、体重の測定を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[1.2、7.2、11.1.1参照]
8.2 横紋筋融解症があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的にCK、クレアチニン等の検査を行い、筋力低下、筋肉痛、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等の観察を十分に行うこと。[1.2、11.1.2参照]
8.3 視力障害、色覚異常があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に眼科検査を実施し、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。[1.3、11.1.3参照]
8.4 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.4参照]
8.5 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に血液学的検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[9.1.1、11.1.5参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 重篤な骨髄機能低下のある患者
血球減少を増悪させ重篤化させるおそれがある。[8.5、11.1.5参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠可能な女性に対しては、本剤の投与期間中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.4.2 生殖可能な年齢の男性に投与する場合には、造精機能の低下があらわれる可能性があることを考慮すること。動物実験(ラット)において、雄性生殖器(精巣、精巣上体、前立腺、精嚢及び凝固腺)における広範なリンパ球の浸潤、萎縮性変化等が報告されている。また、本剤は制御性T細胞に対する抑制的作用があり、制御性T細胞の抑制と自己免疫性精巣炎や男性不妊との関連が報告されている。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていないが、本剤は制御性T細胞に対する抑制的作用があり、制御性T細胞の抑制と妊娠障害あるいは流産との関連が報告されている
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトでの乳汁中移行に関するデータはないが、本剤の構成成分であるインターロイキン(IL)-2は乳汁への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 日局注射用水2.1mLを本剤のバイアルの内壁に沿ってゆっくりと注入し、泡立てないように静かに回転させて混和すること。
14.1.2 溶解後は澄明な無色の液であることを目視で確認する。本剤の溶液に変色や濁りが認められた場合は使用しないこと。
14.1.3 溶解後は速やかに使用すること。
14.1.4 未使用の残液は適切に廃棄すること。
14.2 薬剤希釈時の注意
14.2.1 必要量をバイアルから抜き取り、3μg/mL以上(50倍希釈まで)の濃度となるように日局生理食塩液で希釈する。バッグは静かに回転させて混和すること。
14.2.2 希釈後は速やかに使用すること。
14.2.3 未使用の残液は適切に廃棄すること。
14.3 薬剤投与時の注意
本剤投与時にはインラインフィルターは使用しないこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
臨床試験において、本剤投与により本剤に対する抗体産生が認められた患者の割合は、80.6%(50/62例)であり、このうち43例においては、本剤に対する中和抗体を認めた。また、IL-2に対する抗体産生が認められた患者の割合は、67.7%(42例)であった。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 毛細血管漏出症候群(13.5%)
低血圧、浮腫、低アルブミン血症、体重増加、肺水腫、胸水、腹水、血液濃縮等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[1.2、7.2、8.1参照]
11.1.2 横紋筋融解症(5.4%)
毛細血管漏出症候群発現後に、横紋筋融解症を発現し死亡に至った症例が報告されている。[1.2、8.2参照]
11.1.3 視力障害(2.7%)、色覚異常(頻度不明)
失明(頻度不明)、霧視(2.7%)、視野欠損(頻度不明)等の視力障害、色覚異常があらわれることがある。[1.3、8.3参照]
11.1.4 肝機能障害
AST上昇(89.2%)、ALT上昇(86.5%)、γ-GTP上昇(45.9%)、Al-P上昇(16.2%)、肝機能異常(2.7%)等を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.4参照]
11.1.5 骨髄抑制
リンパ球減少(70.3%)、血小板減少(32.4%)、貧血(5.4%)、白血球減少(5.4%)、好中球減少(2.7%)等の骨髄抑制があらわれることがある。[8.5、9.1.1参照]
11.1.6 感染症(18.9%)
肺炎(2.7%)、サイトメガロウイルス性脈絡網膜炎(2.7%)等の重篤な感染症があらわれることがある。
11.1.7 Infusion reaction(51.4%)
発熱、悪寒、悪心、呼吸困難等のInfusion reactionがあらわれることがある。異常が認められた場合は、本剤の投与を中断又は中止し適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。重度のInfusion reactionがあらわれた場合には本剤の投与を直ちに中止すること。[7.3参照]
11.1.8 虚血性心疾患(頻度不明)、不整脈(5.4%)、心不全(頻度不明)
11.1.9 重度の皮膚障害
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚潰瘍(頻度不明)等の重度の皮膚障害があらわれることがある。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 30%以上 | 5〜30%未満 | 5%未満 | |
| 血液 | 白血球増加 | リンパ球増加 | |
| 消化器 | リパーゼ増加、便秘、悪心、嘔吐、アミラーゼ増加、口腔咽頭痛、下痢 | 口内炎、腹部不快感、腹水、大腸炎、消化不良 | |
| 全身症状 | 発熱、浮腫、疲労・倦怠感 | ||
| 精神神経系 | 味覚異常、不眠症 | 意識障害、末梢性ニューロパチー、頭痛 | |
| 眼 | アレルギー性結膜炎 | ||
| 代謝 | 低アルブミン血症 | 食欲減退、高トリグリセリド血症、高尿酸血症、血中コレステロール増加、脱水、低ナトリウム血症 | 血中尿素増加、低カルシウム血症、低カリウム血症、低リン酸血症、腫瘍崩壊症候群、BNP増加、脂質異常症 |
| 筋骨格系 | 筋肉痛 | ||
| 呼吸器 | 上気道の炎症 | ||
| 皮膚 | 発疹、剥脱性皮膚炎 | 皮膚びらん、皮膚亀裂 | |
| 泌尿器 | 蛋白尿 | 腎機能障害、血中クレアチニン増加 | |
| 循環器 | 徐脈、低血圧、心拡大、心電図QT延長 | ||
| その他 | 体重増加、疼痛、LDH増加、CRP増加 | CPK増加、体重減少、サイトメガロウイルス検査陽性 |
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