本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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通常、成人にはエヌトレクチニブとして1日1回600mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
通常、小児にはエヌトレクチニブとして1日1回300mg/m2(体表面積)を経口投与する。ただし、600mgを超えないこと。なお、患者の状態により適宜減量する。
| 体表面積(m2) | 投与量(1日1回) |
| 0.43〜0.50 | 100mg |
| 0.51〜0.80 | 200mg |
| 0.81〜1.10 | 300mg |
| 1.11〜1.50 | 400mg |
| ≧1.51 | 600mg |
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通常、成人にはエヌトレクチニブとして1日1回600mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
8.1 心臓障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は適宜心機能(心電図、心エコー等)、CK等の検査を行うなど、患者の状態を十分に確認すること。[11.1.1参照]
9.3 肝機能障害患者
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。エヌトレクチニブの血漿中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。[16.6.2参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後5週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5、15.2.2参照]
9.4.2 男性には、本剤投与中及び最終投与後90日間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[15.2.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットを用いた試験において、外表及び骨格異常等が報告されている。[9.4.1参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。乳汁移行に関するデータはないが、主活性代謝物であるM5はBCRPの基質であるため、乳汁移行の可能性がある。
9.7 小児等
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小児等に製造販売用製剤である本剤を投与した臨床試験は実施していない。また、4歳未満の患者に対する本剤の用法及び用量について、十分な検討は行われていない。
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小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 幼若ラットにおいて、臨床曝露量未満に相当する用量で中枢神経毒性及び成長発達遅延(体重増加量の減少、大腿骨長の減少、性成熟遅延及び神経行動学的検査における反応時間の延長等)が報告されている
15.2.2 ラットを用いた小核試験において臨床曝露量の約3.7倍に相当する用量で陰性であったが、
本剤は吸湿しやすいので、アルミピロー包装開封後は湿気を避けて保存すること。
エヌトレクチニブは、主にCYP3A4によって代謝される。また、エヌトレクチニブはCYP3Aの阻害作用を示す。[16.4参照]
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3A阻害剤イトラコナゾール、クラリスロマイシン、ジルチアゼム等グレープフルーツジュース[16.4、16.7.1参照] | 副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する際には、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 | CYP3A阻害剤との併用により、エヌトレクチニブの代謝が阻害され、血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3A誘導剤リファンピシン、フェニトイン、モダフィニル等[16.4、16.7.2参照] | 本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。 | CYP3A誘導剤との併用により、エヌトレクチニブの代謝が亢進し、血漿中濃度が低下する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3Aの基質となる薬剤ミダゾラム、シンバスタチン、リバーロキサバン等[16.7.3参照] | 副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがあるので、これらの薬剤と併用する際には、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 | CYP3Aの基質となる薬剤との併用により、併用薬の代謝が阻害され、併用薬の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 心臓障害(3.0%)
心不全、心室性期外収縮、心筋炎等の心臓障害があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.2 QT間隔延長(1.2%)
11.1.3 認知障害、運動失調(27.4%)
認知障害、錯乱状態、精神状態変化、記憶障害、幻覚、運動失調、構語障害等があらわれることがある。
11.1.4 間質性肺疾患(1.2%)
注)発現頻度は国際共同第II相試験(STARTRK-2試験)の
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 15%以上 | 5%以上〜15%未満 | 5%未満 | 頻度不明 | |
| 精神神経系 | 味覚異常(42.3%)、めまい(32.1%)、錯感覚 | 末梢性ニューロパチー、感覚鈍麻、知覚過敏 | 頭痛、不眠症、失神、傾眠 | |
| 消化器 | 便秘(33.3%)、下痢(27.4%) | 悪心、嘔吐、嚥下障害、口内乾燥 | 胃食道逆流性疾患、食欲減退、腹痛、放屁、口内炎、消化不良、食欲亢進、腹部膨満 | |
| 泌尿器 | 血中クレアチニン増加 | 尿失禁、尿路感染 | ||
| 肝臓 | AST増加、ALT増加 | Al-P増加、血中乳酸脱水素酵素増加 | ||
| 血液 | 貧血、好中球減少、白血球減少 | リンパ球減少、血小板減少 | ||
| 循環器 | 低血圧 | |||
| 皮膚 | 発疹、皮膚乾燥 | そう痒症、皮膚疼痛、光線過敏性反応 | ||
| 筋骨格系 | 関節痛、筋肉痛、筋力低下 | 筋痙縮、筋骨格痛 | 骨折 | |
| 呼吸器 | 呼吸困難、胸水、咳嗽 | 肺感染 | ||
| 眼 | 霧視 | 羞明 | ||
| 代謝 | 高尿酸血症 | 高ナトリウム血症 | ||
| 内分泌系 | 甲状腺機能低下症 | |||
| その他 | 疲労(27.4%)、浮腫(26.2%)、体重増加(25.0%) | 腫脹、発熱、倦怠感、脱水、体重減少、疼痛 |
注)発現頻度は国際共同第II相試験(STARTRK-2試験)の
ロズリートレクカプセル100mg 5310.8円/カプセル
ロズリートレクカプセル200mg 10073円/カプセル
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