明らかな発熱を呈している者
重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制をきたす治療を受けている者[10.1参照]
妊娠していることが明らかな者[9.5参照]
上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
おたふくかぜの予防
本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)0.7mLで溶解し、通常、その0.5mLを1回皮下に注射する。
本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。
9.1 接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
[9.2、9.3参照]
9.2 腎機能障害を有する者
接種要注意者である。[9.1.1参照]
9.3 肝機能障害を有する者
接種要注意者である。[9.1.1参照]
9.5 妊婦
妊娠していることが明らかな者には接種しないこと。[2.5参照]
9.8 高齢者
接種に当たっては、予診等を十分に行い、被接種者の健康状態を観察すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤接種時の注意
14.1.1 接種時
(1)接種用器具は、ガンマ線等により滅菌されたディスポーザブル品を用い、被接種者ごとに取り換えること。
(2)本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。[7.4参照]
(3)本剤の溶解に当たっては、容器の栓及びその周囲をアルコールで消毒した後、添付の溶剤で均一に溶解して、所要量を注射器内に吸引すること。この操作に当たっては、雑菌が迷入しないよう注意すること。また、栓を取り外し、あるいは他の容器に移し使用しないこと。
(4)注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。
14.1.2 接種部位
接種部位は、通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒すること。
15.1 臨床使用に基づく情報
海外において、本剤とは異なるムンプスウイルス株を含む生ワクチン(注射剤)接種後に、ワクチン被接種者から非接種者へのムンプスワクチンウイルスの水平伝播が報告されている。
本剤のウイルスは日光に弱く、速やかに不活化されるので、溶解の前後にかかわらず光が当たらないよう注意すること。
本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
副腎皮質ステロイド剤プレドニゾロン等免疫抑制剤シクロスポリンサンディミュンネオーラルタクロリムスプログラフアザチオプリンイムラン等[2.4参照] | おたふくかぜ様症状があらわれるおそれがある。 | 特に長期あるいは大量投与を受けている者、又は投与中止後6か月以内の者は、免疫機能抑制下にあるため、ワクチンウイルスの感染を増強あるいは持続させる可能性がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
輸血ガンマグロブリン製剤[7.2参照] | 接種前3か月以内に輸血又はガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、3か月以上過ぎるまで接種を延期すること。また、ガンマグロブリン製剤の大量療法において200mg/kg以上投与を受けた者は、6か月以上過ぎるまで接種を延期すること。本剤接種後14日以内にガンマグロブリン製剤を投与した場合は、投与後3か月以上経過した後に本剤を再接種することが望ましい。 | 輸血及びガンマグロブリン製剤中にムンプス抗体が含まれると、ワクチンウイルスが中和されて増殖の抑制が起こり、本剤の効果が得られないおそれがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
他の生ワクチン(注射剤)麻しんワクチン風しんワクチン水痘ワクチンBCGワクチン黄熱ワクチン等[7.3参照] | 通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること。 | 他の生ワクチン(注射剤)の干渉作用により本剤のウイルスが増殖せず免疫が獲得できないおそれがある。 |
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等があらわれることがある。
11.1.2 無菌性髄膜炎(0.1%未満)
接種後、ワクチンに由来すると疑われる無菌性髄膜炎が発生することがある。おたふくかぜワクチン(星野株)に由来すると疑われる無菌性髄膜炎が、2,300人接種あたり1人程度発生するとの報告がある。
11.1.3 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)(頻度不明)
通常、2週間程度で発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害等があらわれる。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
11.1.4 脳炎・脳症(頻度不明)
異常が認められた場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
11.1.5 血小板減少性紫斑病(頻度不明)
通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれる。本症が疑われる場合には、血液検査等の観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。
11.1.6 難聴(頻度不明)
通常、一側性のため、出現時期等の確認が難しく、特に幼児の場合注意深く観察すること。本症が疑われる場合には、聴力検査等を行い、適切な処置を行うこと。
11.1.7 精巣炎(頻度不明)
通常、接種後3週間前後に精巣腫脹等が、特に思春期以降の男性にあらわれる。
11.1.8 急性膵炎(頻度不明)
腹痛、発熱、嘔気、嘔吐、血清アミラーゼ上昇等の異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
頻度不明 | |
過敏症注1) | 発疹、蕁麻疹、紅斑、そう痒、発熱 |
全身症状注2) | 発熱、耳下腺腫脹、嘔吐、咳、鼻汁 |
局所症状注3) | 発赤、腫脹 |
注1)接種直後から翌日にあらわれることがある。
注2)おたふくかぜに対して免疫のない健康児に本剤を接種した場合、接種後2〜3週間ごろにあらわれることがある。これらの症状は自然感染に比べ軽度であり、かつ一過性で、通常、数日中に消失する。
注3)通常、一過性で2〜3日中に消失する。
おたふくかぜ生ワクチン「第一三共」
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