1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
1.2 間質性肺疾患(放射線肺臓炎を含む)があらわれ、死亡に至った症例も報告されているので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.2、9.1.2、11.1.1参照]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
○切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法
○切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
○進展型小細胞肺癌
○限局型小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法
○切除不能な肝細胞癌
○治癒切除不能な胆道癌
○進行・再発の子宮体癌
<切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法>
通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。投与期間は12カ月間までとする。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。
<切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>
トレメリムマブ(遺伝子組換え)及び白金系抗悪性腫瘍剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを3週間間隔で4回、60分間以上かけて点滴静注する。その後、デュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。
<進展型小細胞肺癌>
白金系抗悪性腫瘍剤及びエトポシドとの併用において、通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを3週間間隔で4回、60分間以上かけて点滴静注する。その後、デュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。
<限局型小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法>
通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。投与期間は24カ月間までとする。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。
<切除不能な肝細胞癌>
通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。
<治癒切除不能な胆道癌>
ゲムシタビン塩酸塩及びシスプラチンとの併用において、通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、3週間間隔で、1回1500mgを60分間以上かけて点滴静注する。3週間間隔での繰り返し投与後、デュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。
<進行・再発の子宮体癌>
カルボプラチン及びタキサン系抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1120mgを3週間間隔で、60分間以上かけて点滴静注する。その後の維持療法において、デュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。ただし、体重30kg以下の場合、維持療法における1回投与量は、20mg/kg(体重)とする。
8.1 本剤のT細胞活性化作用により、過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態があらわれることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、過度の免疫反応による副作用の発現を考慮し、適切な鑑別診断を行うこと。過度の免疫反応による副作用が疑われる場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮すること。また、本剤投与終了後に重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤投与終了後も観察を十分に行うこと。
8.2 間質性肺疾患(放射線肺臓炎を含む)があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、必要に応じて胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。[1.2、9.1.2、11.1.1参照]
8.3 甲状腺機能障害、副腎機能障害及び下垂体機能障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に内分泌機能検査(TSH、遊離T3、遊離T4、ACTH、血中コルチゾール等の測定)を行い、患者の状態を十分に観察すること。また、必要に応じて画像検査等の実施も考慮すること。[11.1.3-11.1.5参照]
8.4 1型糖尿病があらわれることがあるので、口渇、悪心、嘔吐等の発現や血糖値の上昇に十分注意すること。[11.1.6参照]
8.5 肝機能障害、肝炎、硬化性胆管炎があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.7参照]
8.6 腎障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.8参照]
8.7 筋炎、横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋力低下、筋肉痛、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等の観察を十分に行うこと。[11.1.9参照]
8.8 心筋炎があらわれることがあるので、胸痛、CK上昇、心電図異常等の観察を十分に行うこと。[11.1.10参照]
8.9 重症筋無力症があらわれることがあるので、筋力低下、眼瞼下垂、呼吸困難、嚥下障害等の観察を十分に行うこと。[11.1.11参照]
8.10 Infusion reactionがあらわれることがあり、2回目以降の本剤投与時にもInfusion reactionがあらわれることがあるので、本剤投与時には毎回患者の状態を十分に観察すること。[11.1.14参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者
自己免疫疾患が増悪するおそれがある。
9.1.2 間質性肺疾患(放射線肺臓炎を含む)のある患者又はその既往歴のある患者
間質性肺疾患(放射線肺臓炎を含む)が発現又は増悪するおそれがある。[1.2、8.2、11.1.1参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後3カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の生殖発生毒性試験において、妊娠カニクイザルに妊娠成立時から分娩まで本剤を投与したときに、AUC比較で臨床用量(1,500mgを3週間間隔又は4週間間隔で投与)における曝露量の約3.4倍に相当する曝露量で、対照群と比較して妊娠後期における胎児の死亡及び新生児の死亡の増加が認められた。ヒトIgG1は胎盤を通過することが知られている。また、PD-1/PD-L1経路は母体胎児間免疫寛容による妊娠維持に重要であり、同種異系妊娠マウスにおいてPD-L1経路の阻害により流産率が増加することが報告されている。[9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている。また、妊娠カニクイザルを用いた実験において用量依存的な本剤の乳汁への移行が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤のバイアルは1回使い切りであり、保存剤を含まない。本剤は、無菌的に希釈調製を行うこと。
14.1.2 調製前に不溶性異物や変色がないことを目視により確認すること。本剤は、無色〜微黄色の澄明〜乳白光を呈する液である。濁り、変色又は不溶性異物が認められる場合は使用しないこと。
14.1.3 バイアルは振盪せず、激しく攪拌しないこと。
14.1.4 必要量をバイアルから抜き取り、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液の点滴バッグに注入し、最終濃度を1〜15mg/mLとする。点滴バッグをゆっくり反転させて混和すること。希釈液を凍結又は振盪させないこと。
14.1.5 調製後は速やかに使用すること。希釈液をすぐに使用せず保存する場合、2〜8℃では30日以内、室温保存では12時間以内に投与を開始すること。
14.1.6 本剤は1回使用の製剤であり、再使用しないこと。
14.1.7 バイアル中の残液は廃棄すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 本剤は、無菌の蛋白結合性の低い0.2又は0.22μmインラインフィルター(ポリエーテルスルホン製等)を使用して点滴静注すること。
14.2.2 同一の点滴ラインを使用して他剤を併用同時投与しないこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
国内外の臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。
20.1 凍結を避けて保存すること。
20.2 外箱開封後は遮光して保存すること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 間質性肺疾患(放射線肺臓炎を含む)(
11.1.2 大腸炎(
持続する下痢、腹痛、血便等の症状が認められた場合には、本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うこと。
11.1.3 甲状腺機能障害
甲状腺機能低下症(
11.1.4 副腎機能障害
副腎機能不全(
11.1.5 下垂体機能障害
下垂体機能低下症(
11.1.6 1型糖尿病
1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む)(
11.1.7 肝機能障害、肝炎、硬化性胆管炎
AST、ALT、γ-GTP、Al-P、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害(
11.1.8 腎障害
尿細管間質性腎炎(
11.1.9 筋炎(0.4%)、横紋筋融解症(頻度不明)[8.7参照]
11.1.10 心筋炎(0.2%)[8.8参照]
11.1.11 重症筋無力症(0.2%)
重症筋無力症によるクリーゼのため急速に呼吸不全が進行することがあるので、呼吸状態の悪化に十分注意すること。[8.9参照]
11.1.12 免疫性血小板減少性紫斑病(0.1%未満)
11.1.13 脳炎(0.1%未満)
11.1.14 Infusion reaction(
Infusion reactionが認められた場合には、本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に確認すること。[8.10参照]
11.1.15 重度の皮膚障害
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)等があらわれることがある。また、類天疱瘡(0.1%)があらわれることがあるので、水疱、びらん等が認められた場合には皮膚科医と相談すること。
11.1.16 神経障害
末梢性ニューロパチー(
11.1.17 赤芽球癆(1.6%)注)
本剤とオラパリブとの併用において、赤芽球癆があらわれることがある。
11.1.18 溶血性貧血(1.6%)注)
本剤とオラパリブとの併用において、溶血性貧血があらわれることがある。
注)発現頻度は、国際共同第III相試験(DUO-E試験)における、本剤及びオラパリブ併用投与時から集計した。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 10%以上 | 1〜10%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
| 皮膚 | 発疹 | そう痒症 | 皮膚炎 | |
| 呼吸器 | 咳嗽・湿性咳嗽 | 発声障害、インフルエンザ、上気道感染 |
||
| 血液 | 発熱性好中球減少症 | |||
| 口腔内 | 口腔カンジダ、歯周病(歯肉炎、歯周炎、歯感染) | 口腔感染 | ||
| 内分泌 |
|
尿崩症 | ||
| 腎・泌尿器 | 排尿困難 | |||
| 消化器 | 下痢、腹痛 | 膵炎、消化管穿孔 | ||
| 筋骨格系 | 筋肉痛 | 関節炎 | ||
| その他 | 発熱、末梢性浮腫 | 寝汗 |
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