血漿分画製剤
| 一般名 |
乾燥ペプシン処理人免疫グロブリン
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| 製造/販売 | KMバイオロジクス / 日本血液製剤機構 |
| 剤形/規格 |
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本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者
無又は低ガンマグロブリン血症
重症感染症における抗生物質との併用
本剤は、添付の日局注射用水で溶解して点滴静注するか、又は、徐々に直接静注する。
成人に対しては通常1回2,500mg(50mL)を、小児に対しては通常1回体重1kgあたり50〜150mg(1〜3mL)を使用する。
本剤は、また胸腔内・髄腔内・脳室内に投与することができるが、この場合通常150mg(3mL)を用いる。
[患者への説明]
本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際しては感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているものの、ヒトの血液を原材料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを患者に対して説明し、その理解を得るよう努めること。
本剤の原材料となる献血者の血液については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体、抗HIV-2抗体及び抗HTLV-1抗体陰性で、かつALT(GPT)値でスクリーニングを実施している。さらに、HBV、HCV及びHIVについては個別の試験血漿で、HAV及びヒトパルボウイルスB19についてはプールした試験血漿で核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。その後の製造工程であるCohnの低温エタノール分画法により分離精製し、さらに、ウイルス排除を目的としてウイルス除去膜処理を行っているが、投与に際しては、次の点に十分注意すること。
血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。
現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。
ショック等重篤な副作用を起こすことがあるので注意して使用し、経過を十分観察すること。
IgA欠損症の患者[抗IgA抗体を保有する患者では過敏反応を起こすおそれがある。]
腎障害のある患者[腎機能を悪化させるおそれがある。]
溶血性・失血性貧血の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。]
免疫不全患者・免疫抑制状態の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。]
投与時
溶解時に不溶物の認められるものは使用しないこと。また、一度溶解したものは1時間以内に使用を開始すること。なお、使用後の残液は、細菌汚染のおそれがあるので再使用しないこと(本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤を含有していないため)。
他の製剤との混注は避けること。
投与速度
点滴静注によりゆっくり(約2〜3mL/分)投与することが望ましい。直接静注する場合は、きわめて徐々に行うこと。急速に注射すると血圧降下を起こす可能性がある(特に無又は低ガンマグロブリン血症の患者には注意すること)。
[記録の保存]
本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を使用した場合は、医薬品名(販売名)、その製造番号又は製造記号(ロット番号)、使用年月日、使用した患者の氏名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 非経口用生ワクチン麻疹ワクチンおたふくかぜワクチン風疹ワクチンこれら混合ワクチン水痘ワクチン等 | 本剤の投与を受けた者は、生ワクチンの効果が得られないおそれがあるので、生ワクチンの接種は本剤投与後3カ月以上延期すること。また、生ワクチン接種後14日以内に本剤を投与した場合は、投与後3カ月以上経過した後に生ワクチンを再接種することが望ましい。 | 本剤の主成分は免疫抗体であるため、中和反応により生ワクチンの効果が減弱されるおそれがある。 |
昭和56年5月から昭和57年3月までに弊社で収集した700例のうち7例(1.0%)に副作用が認められた。内容としては、発疹、発熱、悪寒などであり、いずれも自然に消失するか、ステロイド剤の投与などにより治癒している。
ショック、アナフィラキシー(0.1%未満)
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、悪寒、戦慄、呼吸困難、血圧低下、頻脈等が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
無菌性髄膜炎(頻度不明)
大量投与により、無菌性髄膜炎(項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎障害(頻度不明)
静注用人免疫グロブリンの投与により、急性腎障害があらわれることが報告されているので、投与に先立って患者が脱水状態にないことを確認するとともに、観察を十分に行い、腎機能検査値(BUN、血清クレアチニン等)の悪化、尿量減少が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、急性腎障害の危険性の高い患者においては、適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。
| 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | |
| 過敏症注) | 蕁麻疹 | 発熱、局所性浮腫 |
| 消化器 | 嘔吐 |
注)このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
献血グロブリン注射用2500mg「KMB」 14250円/瓶
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