2.1 明らかな発熱を呈している者
2.2 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
2.3 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
2.4 明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制をきたす治療を受けている者[10.1参照]
2.5 妊娠していることが明らかな者[9.5参照]
2.6 まん延性の皮膚病にかかっている者で、種痘により障害をきたすおそれのある者
2.7 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
痘そう及び
本剤を添付の溶剤(20vol%グリセリン加注射用水)0.5mLで溶解し、通常、二叉針を用いた多刺法により皮膚に接種する。
8.1 本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
8.2 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
8.3 本剤は原液に由来するゼラチンを含有している(0.15w/v%以下)。ゼラチン含有製剤の接種により、ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、喉頭浮腫等)があらわれたとの報告があるので、問診を十分に行い、接種後は観察を十分に行うこと。[9.1.1、11.1.1参照]
8.4 本剤は添加剤としてストレプトマイシンを含有しているため、同成分に感受性を有する者においては、過敏症を引き起こす可能性がある。接種後は観察を十分に行い、症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
8.5 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、けいれん、重篤な皮膚症状等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。
9.1 接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
9.1.1 ゼラチン含有製剤又はゼラチン含有の食品に対して、ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、喉頭浮腫等)等の過敏症の既往歴のある者[8.3参照]
9.1.2 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者[9.2、9.3参照]
9.1.3 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
9.1.4 過去にけいれんの既往のある者
9.1.5 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
9.1.6 本剤の成分に対して、アレルギーを呈するおそれのある者
9.2 腎機能障害を有する者
接種要注意者である。[9.1.2参照]
9.3 肝機能障害を有する者
接種要注意者である。[9.1.2参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性においては、あらかじめ約1か月間避妊した後接種すること、及びワクチン接種後約2か月間は妊娠しないように注意させること。
9.5 妊婦
妊娠していることが明らかな者には接種しないこと。[2.5参照]
9.6 授乳婦
予防接種上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
14.3 薬剤接種時の注意
14.3.1 接種時
(1)接種針(二叉針)は、滅菌されたものを用い、被接種者ごとに取り換えること。
(2)本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。[7.2参照]
(3)
(4)
14.3.2 接種部位
接種部位は、原則として上腕外側で上腕三頭筋起始部に直径約5mmの範囲とし、堅く絞ったアルコール綿で消毒し、よく乾燥させる。また、接種1〜3分後に乾いていないワクチンを堅く絞ったアルコール綿で吸いとる(ふきとる)こと。
14.3.3 接種方法
多刺法
二叉針を用いる方法で、針を皮膚に直角に保ち、針を持った手首を皮膚の上において、手首の動きで皮膚を圧刺する。圧刺回数は、通常、専用の二叉針を用いて15回を目安とし、血がにじむ程度に圧刺すること
14.3.4 接種後
接種後10〜14日の間に検診をおこない、善感を確認すること。
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 本剤接種後に被接種者が接種部位を手などで触り、自身の他の部位を触ることで、ワクチンウイルスが他の部位へ広がる自家接種(異所性接種)が報告されている
また、海外において、本剤とは異なるワクチニアウイルス株を用いた生ワクチン(注射剤)接種後に、ワクチン被接種者から非接種者へのワクチンウイルスの水平伝播が報告されている。
接種部位の直接の接触を避け、また触れた場合はよく手指を水洗いすること。
15.1.2 WHOより発出されたサル痘
20.1 ゴム栓の劣化、破損等の可能性があるので、−35℃以下には保存しないこと。
20.2 本剤のウイルスは日光に弱く、速やかに不活化されるので、溶解の前後にかかわらず光が当たらないよう注意すること。
本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 副腎皮質ステロイド剤プレドニゾロン等免疫抑制剤シクロスポリン(サンディミュン)タクロリムス(プログラフ)アザチオプリン(イムラン)等[2.4参照] | 痘そう様症状があらわれるおそれがある。 | 免疫抑制的な作用をもつ薬剤の投与を受けている者、特に長期又は大量投与を受けている者、又は投与中止後6か月以内の者は、免疫機能が低下していることがあるため、ワクチンウイルスの感染を増強あるいは持続させる可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 他の生ワクチン(注射剤)麻しんワクチン風しんワクチンおたふくかぜワクチン水痘ワクチンBCGワクチン黄熱ワクチン等[7.1参照] | 通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること。 | 他の生ワクチン(注射剤)の干渉作用により本剤のウイルスが増殖せず、免疫が獲得できないおそれがある。 |
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、喉頭浮腫等があらわれることがある。[8.3参照]
11.1.2 けいれん(0.1%未満)
熱性けいれんを起こすことがある。
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
| 頻度不明 | |
| 過敏症 | 発疹注)、アレルギー性皮膚炎、多形紅斑 |
| 局所症状 | 接種部位反応 |
| その他 | 発熱注)、腋下リンパ節の腫脹注) |
注)接種10日前後にあらわれることがある。
乾燥細胞培養痘そうワクチンLC16「KMB」
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