本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識と経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある女性(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫
通常、成人には、プララトレキサートとして、1日1回30mg/m2(体表面積)を3〜5分間かけて、週1回、静脈内投与する。これを6週連続で行い、7週目は休薬する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
血小板減少症、貧血(ヘモグロビン減少を含む)、好中球減少症、白血球減少症、発熱性好中球減少症、リンパ球減少症等の骨髄抑制があらわれることがあるため、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、日和見感染等の発現に注意すること。(「重大な副作用」の項参照)
重度の腎機能障害のある患者[血中濃度が上昇し、重篤な副作用が発現するおそれがある。海外製造販売後において、透析中の末期腎障害患者で、本剤初回投与後に中毒性表皮壊死融解症を発現し死亡に至った例が報告されている。(<用法・用量に関連する使用上の注意>及び【薬物動態】の項参照)]
骨髄機能低下のある患者[骨髄機能低下が悪化し、重篤化するおそれがある。(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)]
過量投与が認められた場合には、患者の状態を十分に観察し、必要な対症療法を行うこと。
本剤は黄色澄明の液である。開封前に容器内溶液の状態を観察し、色調の異常や粒子状物質が認められる場合は、使用しないこと。
本剤は投与速度を守り、静脈内投与によってのみ使用すること。皮下、筋肉内には投与しないこと。
体表面積に応じて算出された本剤投与量を無菌的に注射筒で吸引し、速やかに使用すること。
本剤は細胞障害性抗がん剤である。投与前の調製及び投与の際は手袋を使用する等、注意すること。本剤が皮膚に接触した場合は直ちに石鹸及び水で完全に洗い流すこと。また、本剤が粘膜に接触した場合、水でしっかりと洗い流すこと。
本剤の遺伝毒性試験のうち、ラット小核試験の用量設定試験で陽性を示唆する結果が報告されている。また、他の葉酸代謝拮抗剤を用いたマウス小核試験で陽性の結果が報告されている。
本剤の包装を開封した後も、バイアルを箱に入れて保管すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| プロベネシド | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、併用を避け、代替の治療薬への変更を考慮すること。併用が必要な場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 機序は不明である。(【薬物動態】の項参照) |
再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者を対象とした国内第I/II相臨床試験
再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者を対象とした海外第II相臨床試験
注2)
口内炎
口内炎(66.7%)があらわれることがあるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬、減量又は投与中止等、適切な処置を行うこと。
骨髄抑制
血小板減少症(39.6%)、貧血(ヘモグロビン減少を含む)(32.4%)、好中球減少症(24.3%)、白血球減少症(10.8%)、発熱性好中球減少症(3.6%)、リンパ球減少症(1.8%)等があらわれることがあるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬、減量又は投与中止等、適切な処置を行うこと。
感染症
細菌、真菌又はウイルスによる重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎(頻度不明)、敗血症(2.7%)、帯状疱疹(2.7%)、肺炎(2.7%)等)があらわれることがあるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬、減量又は投与中止等、適切な処置を行うこと。
重度の皮膚障害
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、多形紅斑(頻度不明)、皮膚潰瘍(5.4%)等の重度の皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止する等の適切な処置を行うこと。
腫瘍崩壊症候群
腫瘍崩壊症候群(0.9%)があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行う等、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
間質性肺疾患
間質性肺疾患(0.9%)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注2)「重大な副作用」及び「その他の副作用」の項について、副作用の発現率は海外第II相臨床試験(PDX-008試験)
注2)
以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
| 10%以上 | 5%〜10%未満 | 5%未満 | 頻度不明 | |
| 精神・神経系 | 頭痛 | 味覚異常、不眠症、錯感覚、浮動性めまい、うつ病、感覚鈍麻、末梢性ニューロパチー、蟻走感、記憶障害、神経痛、末梢性感覚ニューロパチー、感覚消失、失神、不安、激越、錯乱状態、妄想 | ||
| 血液・リンパ系 | リンパ節痛、脾腫 | 好酸球増加症、白血球数増加 | ||
| 循環器(心・血管系) | 頻脈、心肺停止、心拡大、駆出率減少、低血圧、頚静脈血栓症、鎖骨下静脈血栓症 | 血圧上昇 | ||
| 呼吸器 | 鼻出血 | 咽喉頭疼痛、咳嗽、呼吸困難 | 発声障害、咽頭の炎症、咽喉乾燥、胸水、湿性咳嗽、しゃっくり、低酸素症、肺硬化、鼻閉、胸膜痛、肺うっ血、肺塞栓症、逆流性喉頭炎、鼻漏、頻呼吸、咽喉絞扼感 | 鼻の炎症、上気道の炎症 |
| 消化器 | 悪心、嘔吐、下痢、便秘 | 上腹部痛 | 口腔内痛、胃食道逆流性疾患、腹部不快感、口唇炎、肛門の炎症、口の感覚鈍麻、腹痛、口渇、消化不良、痔核、鼓腸、胃炎、食道炎、口唇症、口唇乾燥、嚥下障害、歯肉浮腫、歯肉痛、痔出血、口唇障害、口唇痛、口唇潰瘍、嚥下痛、食道痛、口腔障害、口腔粘膜紅斑、膵炎、口の錯感覚、肛門周囲紅斑、直腸出血、舌変色、歯痛、早期満腹 | 腹部膨満、口角口唇炎、心窩部不快感、軟便、齲歯 |
| 眼 | 眼刺激 | 眼充血、流涙増加、結膜充血、霧視、結膜炎、眼乾燥、眼瞼紅斑、眼そう痒症、眼瞼浮腫、眼瞼下垂、眼瞼そう痒症、光視症、強膜充血、ぶどう膜炎、視力低下 | ||
| 耳 | 耳鳴、難聴、聴力低下、回転性めまい | |||
| 筋・骨格系 | 四肢痛、筋痙縮、筋肉痛 | 背部痛、関節痛、筋骨格痛、頚部痛、肋軟骨炎、関節硬直、関節腫脹、筋骨格系胸痛、筋骨格不快感、筋骨格硬直、肉離れ | ||
| 腎臓・泌尿器 | 腎不全、排尿躊躇、血中クレアチン増加 | 頻尿、腎機能障害、血中クレアチニン増加 | ||
| 乳房・生殖器 | 亀頭包皮炎、性器発疹、性器潰瘍形成、外陰腟そう痒症、包茎 | 精巣痛 | ||
| 代謝 | 食欲減退、低カリウム血症、体重減少 | 低マグネシウム血症、高カリウム血症、高尿酸血症、脱水、低リン酸血症、細胞死、高カルシウム血症、高血糖、低血糖、血中尿酸増加、血中カリウム減少、血中ブドウ糖増加、血中リン増加 | 体重増加、低アルブミン血症 | |
| 肝臓 | ALT増加 | AST増加、高ビリルビン血症、胆管炎、肝脾腫大、血中ビリルビン増加、肝機能検査異常、血中アルカリホスファターゼ増加、血中乳酸脱水素酵素増加 | ||
| 投与部位 | 注入に伴う反応 | 注射部位反応 | ||
| その他 | 末梢性浮腫、発熱、疲労 | 無力症、粘膜の炎症 | 顔面浮腫、寝汗、疼痛、腋窩痛、悪寒、インフルエンザ様疾患、限局性浮腫、局所腫脹、粘膜乾燥、挫傷、擦過傷、胸痛 | 肛門性器疣贅、倦怠感、浮腫 |
注2)「重大な副作用」及び「その他の副作用」の項について、副作用の発現率は海外第II相臨床試験(PDX-008試験)
ジフォルタ注射液20mg 91292円/瓶
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