抗悪性腫瘍剤
| 一般名 |
エロツズマブ(遺伝子組換え)
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|---|---|
| 製造/販売 | ブリストル・マイヤーズスクイブ |
| 剤形/規格 |
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本剤は,緊急時に十分対応できる医療施設において,造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで,本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また,治療開始に先立ち,患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し,同意を得てから投与を開始すること。
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
再発又は難治性の多発性骨髄腫
<レナリドミド及びデキサメタゾン併用>
通常,成人にはエロツズマブ(遺伝子組換え)として1回10mg/kgを点滴静注する。28日間を1サイクルとし,最初の2サイクルは1週間間隔で4回(1,8,15,22日目),3サイクル以降は2週間間隔で2回(1,15日目)点滴静注する。
<ポマリドミド及びデキサメタゾン併用>
通常,成人にはエロツズマブ(遺伝子組換え)として,28日間を1サイクルとし,最初の2サイクルは1回10mg/kgを1週間間隔で4回(1,8,15,22日目),3サイクル以降は1回20mg/kgを4週間間隔(1日目)で点滴静注する。
8.1 Infusion reactionがあらわれることがあるので,本剤の投与は,重度のinfusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始すること。Infusion reactionは,本剤の初回投与時に多く報告されているが,2回目以降の本剤投与時にもあらわれることがあるので,本剤投与中は患者の状態を十分に観察すること。[7.3,7.5,11.1.1参照]
8.2 リンパ球減少等があらわれることがあるので,本剤の投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い,患者の状態を十分に観察すること。[11.1.3参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性及びパートナーが妊娠する可能性のある男性には,本剤投与中及び本剤投与後一定期間,適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。生殖発生毒性試験は実施されていない(本剤がヒトSLAMF7特異的で動物実験が実施できないため)。[2.2,9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが,ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 18G以下の注射針を装着した注射筒を用いて,300mg製剤の場合は13mL,400mg製剤の場合は17mLの注射用水で溶解し,25mg/mLの濃度とすること。
14.1.2 バイアルを立てた状態でゆっくりと溶液を回転させて溶解し,穏やかに数回反転させる。バイアルは振とうせず,激しく撹拌しないこと。
14.1.3 完全に溶解した後,5〜10分間静置する。溶解液は無色〜微黄色の澄明〜乳白光を呈する液である。溶解液に微粒子や変色がないか目視で確認すること。微粒子又は変色が認められた場合には使用しないこと。
14.1.4 患者の体重から計算した必要量をバイアルから抜き取り,通常,生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で以下のように希釈すること。
| 体重 | 希釈液量 |
| 50kg未満 | 150mL |
| 50kg〜90kg | 250mL |
| 90kg超 | 350mL |
14.1.5 用時調製し,調製後は速やかに使用すること。また,残液は廃棄すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 希釈液の全量を,輸液ポンプを用いて,0.22ミクロン以下のメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。
14.2.2 他の薬剤等との配合又は混注はしないこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象とした国際共同第3相試験(CA204004試験)及び国際共同第2相試験(CA204125試験)において,本剤に対する結合抗体がそれぞれ299例中45例(15.1%),53例中19例(35.8%)で検出され,そのうち中和抗体の発現がそれぞれ19例,2例で認められた。
外箱開封後は遮光して保存すること。
次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 Infusion reaction(42.9%)
発熱,悪寒,高血圧等のinfusion reactionがあらわれることがある。異常が認められた場合には投与中止等の適切な処置を行うとともに,症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[7.3,7.5,7.6,8.1参照]
11.1.2 感染症
肺炎(7.9%)等の重篤な感染症があらわれることがある。
11.1.3 リンパ球減少(9.8%)[8.2参照]
11.1.4 間質性肺疾患(0.8%)
次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 10%以上 | 10%未満 | |
| 全身 | 疲労(25.9%),末梢性浮腫,発熱,無力症 | 胸痛 |
| 消化器 | 下痢,便秘,悪心 | |
| 免疫系 | 過敏症 | |
| 血液 | 好中球減少(27.2%),血小板減少,貧血 | |
| 眼 | 白内障 | |
| 精神・神経系 | 不眠症 | 気分変化,感覚鈍麻 |
| 感染症 | 帯状疱疹,鼻咽頭炎,上気道感染 | |
| 代謝 | 高血糖 | |
| 皮膚 | 寝汗 | |
| 筋骨格 | 筋痙縮 | |
| 呼吸器 | 咳嗽,湿性咳嗽 | |
| その他 | 体重減少,皮膚有棘細胞癌,基底細胞癌 |
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