本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の投与により間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部CT検査等の実施など、観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、治療初期は入院又はそれに準ずる管理の下で、間質性肺疾患等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うこと。(<用法及び用量に関連する使用上の注意>、「1.慎重投与」、「2.重要な基本的注意」、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
通常、成人にはセリチニブとして450mgを1日1回、食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
間質性肺疾患があらわれることがあるので、息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。また、胸部CT検査等の実施など、患者の状態を十分観察すること。必要に応じて動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血酸素飽和度(SpO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLco)等の検査を行うこと。(<用法及び用量に関連する使用上の注意>、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
ALT(GPT)、AST(GOT)、総ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。(<用法及び用量に関連する使用上の注意>、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
QT間隔延長、徐脈があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は定期的に心電図及び電解質検査(カリウム、マグネシウム、カルシウム等)を行い、また、脈拍、血圧測定を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、必要に応じて電解質を補正するとともに、QT間隔延長、徐脈があらわれた場合には、本剤を休薬、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。(<用法及び用量に関連する使用上の注意>、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
高血糖があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は定期的に血糖値を測定するなど、患者の状態を十分に観察すること。(<用法及び用量に関連する使用上の注意>、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
リパーゼ、アミラーゼが増加することがあるので、本剤開始前及び本剤投与中は定期的に検査を行い、腹痛等の膵炎を示唆する症状が認められた場合や膵酵素上昇が持続する場合には画像診断等を行うこと。(<用法及び用量に関連する使用上の注意>、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者〔間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。〕(「2.重要な基本的注意」、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
重度の肝機能障害のある患者〔安全性は確立していない。〕(<用法及び用量に関連する使用上の注意>の項参照)
QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者〔QT間隔延長が発現するおそれがある。〕(「2.重要な基本的注意」、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
過量投与の報告は認められていない。過量投与が発生した場合は、一般的な支持療法を行うこと。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
本剤はCYP3Aの基質となる。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤アミオダロンクラリスロマイシンドロペリドール等 | QT間隔延長を起こすおそれがあるので、患者の状態を十分に観察すること。 | いずれもQT間隔を延長させるおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 徐脈を起こすことが知られている薬剤β遮断剤非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤クロニジン等 | 徐脈を起こすおそれがあるので、可能な限り併用しないこと。 | いずれも徐脈を起こすおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3A阻害剤ケトコナゾール注2) イトラコナゾールリトナビルサキナビル等 | 本剤の血中濃度が増加し、副作用が増加するおそれがあるので、併用は避け、代替の治療薬への変更を考慮すること。併用が避けられない場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | これらの薬剤のCYP3A阻害により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3A誘導剤リファンピシンカルバマゼピンセイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等 | 本剤の血中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、併用を避けることが望ましい。 | これらの薬剤のCYP3A誘導により、本剤の代謝が促進されると考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 胃内pHを上昇させる薬剤プロトンポンプ阻害剤等 | エソメプラゾールと併用した場合、本剤の血中濃度が低下したとの報告がある。 | pHの上昇により、本剤の溶解性が低下すると考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3Aの基質となる薬剤 ミダゾラム注2) フェンタニル タクロリムス等 | 副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがあるので、これらの薬剤と併用する際には、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 | 本剤の強いCYP3A阻害により、これらの薬剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP2C9の基質となる薬剤 ワルファリン フェニトイン ジクロフェナク等 | 副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがあるので、これらの薬剤と併用する際には、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 ワルファリンと併用する場合にはプロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)のモニタリングの頻度を増やすこと。 | 本剤のCYP2C9阻害により、これらの薬剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇するおそれがある。 ワルファリンの抗凝固作用が促進される可能性がある。 |
注2)経口剤は国内未
クリゾチニブに抵抗性又は不耐容の
国際共同第II相試験(A2201)において、本剤750mgが空腹時に投与された140例中(日本人患者24例を含む)136例(97.1%)に副作用が認められた。主な副作用は、悪心111例(79.3%)、下痢110例(78.6%)、嘔吐85例(60.7%)、ALT(GPT)増加61例(43.6%)、AST(GOT)増加52例(37.1%)、食欲減退50例(35.7%)等であった。(試験終了時までの集計)
国際共同第III相試験(A2303)において、本剤750mgが空腹時に投与された115例中(日本人患者11例を含む)110例(95.7%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢73例(63.5%)、悪心70例(60.9%)、嘔吐55例(47.8%)、ALT(GPT)増加48例(41.7%)、AST(GOT)増加41例(35.7%)、食欲減退38例(33.0%)等であった。(2016年1月までの集計)
化学療法歴のない
国際共同第III相試験(A2301)において、本剤750mgが空腹時に投与された189例中(日本人患者4例を含む)184例(97.4%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢152例(80.4%)、悪心122例(64.6%)、ALT(GPT)増加112例(59.3%)、嘔吐110例(58.2%)、AST(GOT)増加96例(50.8%)、γ-GTP増加66例(34.9%)等であった。(効能又は効果の一変承認時までの集計)
海外第I相試験(A2112)において、本剤450mgが食後に投与された89例中74例(83.1%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢45例(50.6%)、悪心31例(34.8%)、ALT(GPT)増加29例(32.6%)、AST(GOT)増加、γ-GTP増加 各23例(25.8%)、嘔吐22例(24.7%)等であった。本剤750mgが空腹時に投与された90例中82例(91.1%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢63例(70.0%)、嘔吐42例(46.7%)、悪心41例(45.6%)、ALT(GPT)増加27例(30.0%)、AST(GOT)増加25例(27.8%)、腹痛20例(22.2%)、疲労18例(20.0%)等であった。(用法及び用量の一変承認時までの集計)
悪心、嘔吐、下痢以外の副作用発現頻度はA2201、A2303、A2301及びA2112試験の750mg空腹時投与群並びにA2112試験の450mg食後投与群の併合解析に基づいて記載し、悪心、嘔吐、下痢の副作用発現頻度はA2112試験の450mg食後投与群の集計に基づいて記載した。
(本剤の承認された用法及び用量は【用法及び用量】の項参照)
間質性肺疾患(0.6%)
間質性肺疾患があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(<用法及び用量に関連する使用上の注意>の項参照)
肝機能障害(4.2%)
ALT(GPT)、AST(GOT)、総ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(<用法及び用量に関連する使用上の注意>の項参照)
QT間隔延長(7.5%)、徐脈(1.8%)
QT間隔延長、徐脈があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(<用法及び用量に関連する使用上の注意>の項参照)
重度の下痢(1.1%)
重度の下痢があらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱水、電解質異常等の異常が認められた場合には、本剤を休薬、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。(<用法及び用量に関連する使用上の注意>の項参照)
高血糖(2.9%)・糖尿病(0.2%)
高血糖及び糖尿病があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤を休薬、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。(<用法及び用量に関連する使用上の注意>の項参照)
膵炎(0.2%)
膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。(<用法及び用量に関連する使用上の注意>の項参照)
| 20%以上 | 10%〜20%未満 | 10%未満 | |
| 感染症及び寄生虫症 | − | − | 感染症(肺炎、口腔カンジダ症、胃腸炎、肺感染、鼻咽頭炎等) |
| 血液及びリンパ系障害 | − | − | 貧血 |
| 代謝及び栄養障害 | 食欲減退 | − | 低リン酸血症 |
| 眼障害 | − | − | 視覚障害(霧視、光視症、視力障害、硝子体浮遊物、調節障害、老視等) |
| 心臓障害 | − | − | 心膜炎 |
| 胃腸障害 | 悪心 |
− | 食道障害(胃食道逆流性疾患、嚥下障害)、消化不良、便秘 |
| 肝胆道系障害 | 肝機能検査値異常 |
− | − |
| 皮膚及び皮下組織障害 | − | 発疹 | − |
| 腎及び尿路障害 | − | 血中クレアチニン増加 | 腎機能障害、腎不全 |
| 全身障害 | 疲労 | − | − |
| 臨床検査 | − | 体重減少 | アミラーゼ増加、リパーゼ増加 |
ジカディアカプセル150mg 6413.6円/カプセル
m3.comにご登録済の方
薬剤名検索
薬剤情報提供:一般財団法人日本医薬情報センター 剤形写真提供:株式会社薬事日報社
・薬剤情報・剤形写真は月一回更新しておりますが、ご覧いただいた時点で最新情報ではない可能性がございます。 最新情報は、各製薬会社のWebサイトなどでご確認ください。
・投稿内容の中に適応外、承認用法・用量外の記載等が含まれる場合がありますが、エムスリー、製薬会社が推奨するものではありません。