タルグレチンカプセル75mg

抗悪性腫瘍剤

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一般名 ベキサロテン
製造/販売 ミノファーゲン製薬
剤形/規格
  • タルグレチンカプセ...

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警告

  • 1.1 本剤には催奇形性があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。また、妊娠する可能性のある女性には投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には使用上の注意を厳守すること。[2.1、8.1、9.4.1、9.5参照]

  • 1.2 本剤の投与にあたっては、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

禁忌

  • 2.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[1.1、9.5参照]

  • 2.2 重度の肝障害のある患者[9.3.1参照]

  • 2.3 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 2.4 ビタミンA製剤を投与中の患者[10.1参照]

  • 2.5 ビタミンA過剰症の患者[ビタミンA過剰症が増悪するおそれがある。]

効能・効果

  • ○皮膚T細胞性リンパ腫

  • ○皮膚病変を有する成人T細胞白血病リンパ腫

用法・容量

  • 通常、成人にはベキサロテンとして1日1回300mg/m2(体表面積)を食後経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

注意事項

重要な基本的注意

  • 8.1 本剤には催奇形性があり、また副作用の発現頻度が高いので、使用上の注意を厳守し、患者又はそれに代わり得る適切な者に副作用についてよく説明した上で使用すること。[1.1、9.4.1参照]

  • 8.2 脂質異常症(高トリグリセリド血症、高コレステロール血症等)があらわれることがあるので、投与開始前及び投与期間中は定期的に血液検査を実施すること。[11.1.1参照]

  • 8.3 膵炎があらわれることがあるので、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の急性膵炎に関する初期症状があらわれた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。また、定期的に膵酵素を含む検査を実施すること。[9.1.1、11.1.2参照]

  • 8.4 下垂体性甲状腺機能低下症があらわれることがあるので、投与開始前及び投与期間中は定期的に甲状腺機能検査(甲状腺刺激ホルモン、遊離トリヨードサイロニン、遊離サイロキシン等の測定)を実施し、遊離サイロキシンが基準値から25%以上低下した場合には、レボチロキシンナトリウムの投与を行うこと。[11.1.3参照]

  • 8.5 低血糖があらわれることがあるので、投与開始前及び投与期間中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.3参照]

  • 8.6 白血球減少症、好中球減少症、貧血があらわれることがあるので、投与開始前及び投与期間中は定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.4参照]

  • 8.7 肝不全、肝機能障害があらわれることがあるので、投与開始前及び投与期間中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.5参照]

  • 8.8 光線過敏症があらわれることがあるので、外出時には帽子や衣類等による遮光や日焼け止め効果の高いサンスクリーンの使用により、日光やUV光線の照射を避けるよう患者を指導すること。[11.2、15.2.1参照]

  • 8.9 白内障があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には眼科を受診するよう患者に指導すること。[11.2、15.2.2参照]

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 9.1.1 膵炎の既往歴又は危険因子を有する患者

      • 膵炎が発現するおそれがある。また、本剤投与による高トリグリセリド血症とともに急性膵炎を発現した例が報告されている。[8.3、11.1.2参照]

  • 9.3 肝機能障害患者

    • 9.3.1 重度の肝障害のある患者

      • 投与しないこと。副作用が強くあらわれるおそれがある。[2.2参照]

    • 9.3.2 肝障害のある患者(重度の肝障害のある患者を除く)

      • 本剤は肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇するおそれがある。

  • 9.4 生殖能を有する者

    • 9.4.1妊娠する可能性がある女性には治療上やむを得ないと判断される場合を除き投与しない。妊娠する可能性のある女性への使用に際しては、疾患の重症度及び治療の緊急性を考慮した上で、患者に次の注意事項についてよく説明し理解させた後、使用すること。[1.1、8.1、9.5参照]

      • ・本剤には催奇形性があるので、妊娠する可能性のある女性で他に代わるべき治療法がない重症な患者にやむを得ず投与する場合には、投与開始前の少なくとも1カ月前から、投与中及び投与終了後少なくとも1カ月後までは必ず避妊させること。

      • ・本剤の投与は次の正常な生理周期の2日又は3日目まで開始しないこと。

      • ・本剤の投与開始前1週間以内の妊娠検査が陰性であるとの結果を確認すること。

      • ・本剤の投与期間中は定期的に妊娠検査を実施すること。

      • ・本剤が経口避妊薬の血漿中濃度を低下させる可能性があるため、経口避妊薬による避妊法の場合には、経口避妊薬以外の方法をあわせて使用すること。

    • 9.4.2男性には、本剤投与中及び最終投与後3カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。本剤はマウス及びイヌを用いた動物実験において、精子形成能に異常を起こすことが報告されている。

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラットの胚・胎児発生に関する試験で、外表異常(口蓋裂、眼球膨隆部の陥凹、小耳、耳介低位及び舌突出)、内臓異常(小眼球)、骨格異常・変異(頭蓋骨、椎骨及び胸骨)並びに骨化遅延が認められている。また、ベキサロテンは合成レチノイドであることから、ビタミンA過剰誘発催奇形性のおそれがある。[1.1、2.1、9.4.1参照]

  • 9.6 授乳婦

    • 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中に移行する可能性がある。

  • 9.7 小児等

    • 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

  • 9.8 高齢者

    • 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

過量投与

  • 海外臨床試験において、1日300mg/m2(体表面積)を超える用量を反復投与した際に、高コレステロール血症、白血球減少症、下痢等の発現率が高くなったとの報告がある。

適用上の注意

  • 14.1 薬剤交付時の注意

    • PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

  • 15.1 臨床使用に基づく情報

    • 海外において本剤投与後に有棘細胞癌及び基底細胞癌の発現が報告されている。

  • 15.2 非臨床試験に基づく情報

    • 15.2.1In vitro試験(光溶血性試験及びヒスチジン光酸化反応)において光毒性が認められている。[8.8参照]

    • 15.2.2 ラット26週間反復投与試験において3mg/kg以上、イヌ39週間反復投与試験において10mg/kg以上の用量で、不可逆性の白内障が認められている。[8.9参照]

相互作用

相互作用序文

  • 本剤はCYP3Aを誘導することが示されている。

薬物代謝酵素用語

CYP3A

併用禁忌

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ビタミンA製剤チョコラA等[2.4参照] ビタミンA過剰症と類似した副作用症状を発現するおそれがある。 本剤はビタミンAと同じレチノイドである。

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP2C8阻害剤ゲムフィブロジル(国内未承認)等 ゲムフィブロジルとの併用により本剤の血中トラフ濃度が約4倍上昇した。本剤の作用が増強するおそれがあるので、CYP2C8阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する際には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 CYP2C8の阻害により本剤の代謝が阻害されると考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3Aの基質アトルバスタチン、シンバスタチン、ミダゾラム等 本剤との併用によりアトルバスタチンのAUCが約50%低下した。 本剤のCYP3A誘導作用により、併用薬剤の代謝が促進されると考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
糖尿病用薬インスリン、スルホニルウレア系薬剤、チアゾリジン系薬剤等 糖尿病用薬との併用により、低血糖を発現した例が認められている。 本剤が血糖降下作用を増強する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
紫外線療法PUVA療法、UVB療法等 NB-UVB療法との併用により、光線過敏症を発現した例が認められている。 本剤はin vitro試験(光溶血性試験及びヒスチジン光酸化反応)において光毒性が認められている。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 脂質異常症

    • 高トリグリセリド血症(60.4%)、高コレステロール血症(47.9%)、脂質異常症(12.5%)があらわれることがある。[8.2参照]

  • 11.1.2 膵炎(頻度不明)

    • 膵炎があらわれることがあり、高トリグリセリド血症とともに急性膵炎を発現した例が報告されている。腹痛等の膵炎を示唆する症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.3、9.1.1参照]

  • 11.1.3 下垂体性甲状腺機能低下症、低血糖

    • 下垂体性甲状腺機能低下症(83.3%)、低血糖(頻度不明)等の内分泌障害があらわれることがある。内分泌障害により異常が認められた場合には、必要に応じて、内分泌障害の治療に十分な知識と経験を有する医師との連携のもとで適切な処置を行うこと。[8.4、8.5参照]

  • 11.1.4 白血球減少症(16.7%)、好中球減少症(22.9%)、貧血(10.4%)[8.6参照]

  • 11.1.5 肝不全、肝機能障害

    • 肝不全(頻度不明)、AST、ALT、総ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害(20.8%)があらわれることがある。[8.7参照]

  • 11.1.6 感染症

    • 肺炎(頻度不明)、敗血症(頻度不明)等の重篤な感染症があらわれることがある。

  • 11.1.7 間質性肺疾患(頻度不明)

  • 11.1.8 血栓塞栓症

    • 肺塞栓症(頻度不明)、心筋梗塞(頻度不明)、脳血管発作(頻度不明)等があらわれることがある。

  • 11.1.9 横紋筋融解症(頻度不明)

    • 筋力低下、筋肉痛、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。

  • 11.1.10 重度の皮膚障害

    • 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(2.1%)、薬疹(2.1%)等の重度の皮膚障害があらわれることがある。

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上 10%未満 頻度不明
代謝 低HDLコレステロール血症、高カリウム血症、食欲減退、血中コレステロール増加、高尿酸血症、低アルブミン血症、高脂血症、低比重リポ蛋白増加 食欲不振、低蛋白血症
血液 リンパ球数減少、血小板数増加、血小板増加症、活性化部分トロンボプラスチン時間延長 末梢性浮腫、骨髄機能不全、リンパ節症、白血球増加症、好酸球増加症
内分泌 血中甲状腺刺激ホルモン減少、サイロキシン減少、遊離サイロキシン減少 甲状腺機能低下症
循環器 洞性不整脈、深部静脈血栓症、心電図QT延長
胃腸障害 悪心、嘔吐、腹痛、便秘、上腹部痛、下痢、血便排泄、口内炎、口腔粘膜剥脱、歯の異常感覚
皮膚 そう痒症、ざ瘡、脱毛症、皮膚炎、皮膚乾燥、爪甲剥離症、光線過敏症注1)皮脂欠乏症 発疹、皮膚障害、剥脱性皮膚炎、皮膚剥脱
腎臓 腎機能障害、血中クレアチニン増加 血中尿素窒素増加
その他 倦怠感 頭痛、味覚障害、片耳難聴、咳嗽、筋痙縮、不安、無感情、不眠症、白内障注2)、緑内障、虹彩毛様体炎、耳管開放、発声障害、鼻漏、喀痰増加、脂肪肝、背部痛、胸部不快感、状態悪化、顔面浮腫、浮腫、発熱、非心臓性胸痛、疾患前駆期、凍瘡 無力症、ホルモン値変動/ホルモン値異常、疼痛、感染/細菌感染、悪寒
  • 注1)[8.8参照]

  • 注2)[8.9参照]

薬価

タルグレチンカプセル75mg 2846.7円/カプセル

評価サマリー

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