出血している患者(血友病、頭蓋内出血、消化管出血、尿路出血、喀血、硝子体出血等)[出血を助長するおそれがある。]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される下記の虚血性心疾患
急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)
安定狭心症、陳旧性心筋梗塞
通常、成人には、投与開始日にプラスグレルとして20mgを1日1回経口投与し、その後、維持用量として1日1回3.75mgを経口投与する。
初回負荷投与及びアスピリンとの併用によって出血のリスクが高まる可能性があることを十分考慮すること。
冠動脈造影前に初回負荷投与を行う場合は、本剤の血小板凝集抑制作用による出血のリスクが高まるので、穿刺部位等からの出血に十分注意すること。[非ST上昇心筋梗塞患者を対象とした海外臨床試験(ACCOAST試験
)において、初回負荷用量60mgをPCI施行時に単回投与した場合に比較し、冠動脈造影前(平均約4時間前)に30mg及びPCI施行時に30mgと分割投与した場合に、さらなる有効性は認められずPCI施行に関連した重大な出血リスクが増大したとの報告がある。]
注)本剤の承認用量は初回負荷用量20mg、維持用量3.75mg/日である。
本剤による血小板凝集抑制が問題となるような手術の場合には、14日以上前に投与を中止することが望ましい(「臨床成績」の項参照)。なお、十分な休薬期間を設けることができない場合は重大な出血のリスクが高まることが報告されているので十分に観察すること。また、投与中止期間中の血栓症や塞栓症のリスクの高い症例では、適切な発症抑制策を講じること。手術後に本剤の再投与が必要な場合には、手術部位の止血を確認してから再開すること。
高血圧が持続する患者への投与は慎重に行い、本剤投与中は十分な血圧コントロールを行うこと。
経口抗凝固剤、アスピリン及び本剤を併用する場合には、出血のリスクが高まる可能性があるので十分注意すること。
出血を起こす危険性が高いと考えられる場合には、中止等を考慮すること。また、出血を示唆する臨床症状が疑われた場合には、直ちに血球算定等の適切な検査を実施すること(「副作用」の項参照)。
患者には通常よりも出血しやすくなることを説明し、異常な出血が認められた場合には医師に連絡するよう指導すること。また、他院(他科)を受診する際には、本剤を服用している旨を医師に必ず伝えるよう患者に指導すること。
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)等の重大な副作用が発現することがあるので、投与開始後2ヵ月間は、2週間に1回程度の血液検査等の実施を考慮すること(「副作用」の項参照)。
出血傾向及びその素因のある患者(頭蓋内出血の既往のある患者)[出血を生じるおそれがある。]
高度の肝機能障害のある患者[凝固因子の産生が低下していることがあるので、出血の危険性が増大するおそれがある。]
高度の腎機能障害のある患者[出血の危険性が増大するおそれがある。]
高血圧が持続している患者(「重要な基本的注意」の項参照)
高齢者[出血の危険性が増大するおそれがある(「高齢者への投与」の項参照)。]
低体重の患者[出血の危険性が増大するおそれがある。なお、体重50kg以下の患者では、年齢、腎機能等の他の出血リスク因子及び血栓性イベントの発現リスクを評価した上で、必要に応じて維持用量1日1回2.5mgへの減量も考慮すること(「臨床成績」の項参照)。]
脳梗塞又は一過性脳虚血発作(TIA)の既往歴のある患者[海外臨床試験で、初回負荷用量60mg、維持用量10mg/日投与でアスピリンと併用した場合に、出血の危険性が増大したとの報告がある。]
注)本剤の承認用量は初回負荷用量20mg、維持用量3.75mg/日である。
他のチエノピリジン系薬剤(クロピドグレル等)に対し過敏症の既往歴のある患者[本剤投与後に血管浮腫を含む過敏症の発現が報告されている。]
本剤の過量投与により出血が生じるおそれがある。出血が認められた場合、適切な処置を行うこと。なお、特異的な解毒剤は知られていないので、緊急措置が必要な場合は血小板輸血を考慮すること。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
マウスに2年間経口投与した試験で、雄マウスの300mg/kg/日以上、雌マウスの100mg/kg/日以上の投与群で、肝腫瘍の発現増加が認められている。一方、ラットに2年間経口投与した試験では腫瘍の発生は認められていない。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
抗凝固剤 ワルファリン、ヘパリン、エドキサバン等 血小板凝集抑制作用を有する薬剤 アスピリン等 血栓溶解剤 ウロキナーゼ、アルテプラーゼ等 | これらの薬剤との併用により、出血の危険性を増大させるおそれがある。併用する場合には、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。 | 相互に抗血栓作用を増強することが考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
非ステロイド性消炎鎮痛剤 ロキソプロフェン、ナプロキセン等 | これらの薬剤との併用により、出血の危険性を増大させるおそれがある。併用する場合には、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。 | 相互に抗血栓作用を増強することが考えられる。 |
国内第III相臨床試験において、総症例1,055例中487例(46.2%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、皮下出血109例(10.3%)、鼻出血72例(6.8%)、血尿58例(5.5%)、血管穿刺部位血腫44例(4.2%)及び皮下血腫41例(3.9%)等であった。〔承認時〕
出血
頭蓋内出血(初期症状:頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、片麻痺等)、消化管出血、心嚢内出血等の出血(1.2%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)(頻度不明注))
TTP(初期症状:倦怠感、食欲不振、紫斑等の出血症状、意識障害等の精神・神経症状、血小板減少、破砕赤血球の出現を認める溶血性貧血、発熱、腎機能障害等)が認められた場合には、直ちに投与を中止し、血液検査(網赤血球、破砕赤血球の同定を含む)を実施し、必要に応じ血漿交換等の適切な処置を行うこと。
過敏症(頻度不明注))
血管浮腫を含む過敏症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注)海外において認められている副作用のため頻度不明。
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)(頻度不明注))
TTP(初期症状:倦怠感、食欲不振、紫斑等の出血症状、意識障害等の精神・神経症状、血小板減少、破砕赤血球の出現を認める溶血性貧血、発熱、腎機能障害等)が認められた場合には、直ちに投与を中止し、血液検査(網赤血球、破砕赤血球の同定を含む)を実施し、必要に応じ血漿交換等の適切な処置を行うこと。
過敏症(頻度不明注))
血管浮腫を含む過敏症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注)海外において認められている副作用のため頻度不明。
他の抗血小板剤で以下の重大な副作用が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
下記の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には必要に応じ適切な処置を行うこと。
1%以上 | 0.1〜1%未満 | |
血液 | 貧血 | 血小板数減少、好酸球数増加、白血球数減少 |
出血傾向 | 皮下出血(10.3%)、鼻出血、血尿、血管穿刺部位血腫、皮下血腫、穿刺部位出血、血腫、処置による出血、歯肉出血、便潜血、結膜出血、痔出血、創傷出血 | 喀血、胃腸出血、網膜出血、出血、上部消化管出血、口腔内出血、カテーテル留置部位出血、紫斑、硝子体出血、出血性腸憩室、下部消化管出血、点状出血、血管偽動脈瘤 |
肝臓 | 肝機能障害 | γ-GTP上昇、ALP上昇、ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇 |
腎臓 | 腎機能障害 | |
精神神経系 | 浮動性めまい | |
消化器 | 下痢、便秘、悪心・嘔吐、胃食道逆流性疾患、腹痛、腹部不快感、胃炎 | |
過敏症 | 発疹 | 紅斑 |
その他 | 尿酸上昇、末梢性浮腫、背部痛、血管穿刺部位腫脹、血中甲状腺刺激ホルモン増加、狭心症 |
エフィエント錠2.5mg 201.2円/錠
エフィエント錠3.75mg 282.7円/錠
エフィエント錠5mg 359.8円/錠
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