医療器具の化学的殺菌・消毒
調製法
本剤は原液のまま使用すること。
使用方法
(1)医療器具等は本剤に浸漬させる前に水又は酵素洗浄剤を用いて十分に洗浄する。
(2)通常、器具等の消毒には、本剤に5分以上浸漬させる。
(3)浸漬後、取り出した器具等は、水又は滅菌水で十分にすすぎ、本剤を除去する。
(4)細孔を有する等構造の複雑な器具類は、内孔部への注入等の操作により、本剤と十分に接触させること。またすすぎの際、内孔部への水の注入等の操作により、本剤を十分に除去すること。
人体には使用しないこと。
本剤にて消毒を行った術中経食道心エコー(TEE)プローブ等の医療器具を使用した患者に、口唇・口腔・食道・胃等に着色、粘膜損傷、化学熱傷等の症状があらわれたとの報告があるので、下記の点に注意すること。[14.1.10参照]
・消毒を行う前に、医療器具等に推奨されている方法により、水又は酵素洗浄剤を用いて十分に洗浄し洗い流すこと。
・消毒終了後は多量の水で本剤を十分にすすぐこと。
・細孔を有する等構造の複雑な器具類では、特に注意して十分にすすぐこと。
・本剤又はフタラールに対し過敏症の既往歴のある者には、本剤にて消毒を行った医療器具等を使用しないこと。
14.1 薬剤使用時の注意
人工透析用ダイアライザー等、再使用が推奨されていない医療器具には使用しないこと。
ニッケルでメッキされた金属やステンレス鋼では、1ヶ月にわたる長期の浸漬でわずかに変色が観察されたことがあるので、材質適合性に注意すること
。
本剤又はフタラール又は他の化学物質に対し過敏症の既往歴のある者は、本剤を取り扱わないこと。
換気の良い場所で取り扱うこと。
タンパク結合性があるので、本剤を素手で取り扱わないこと。また、人体に直接接触しないよう注意すること。本剤を取り扱う場合には、手袋、ゴーグル、マスク、ガウン等の保護具を装着すること。
洗浄せずに直接本剤に医療器具等を浸漬すると、生体組織や分泌物の付着が取れにくくなることがあるので、医療器具等は使用後、速やかに十分洗浄し水切りをしたのち、本剤で消毒すること。
洗浄水混入による濃度低下に注意すること。インジケーターによりフタラール濃度が0.3%以上であることを確認し、使用すること。
5分の浸漬では、十分な殺芽胞効果は期待できないので、注意すること。
異物の混入を避けるため浸漬にはふた付き容器を用い、使用中はふたをすること。
本剤で消毒した後の医療器具のすすぎについては、十分に行い、水切りすること。[8.2参照]
皮膚に付着したときは直ちに水洗いすること。衣服に付着したときには直ちに汚染した衣服を脱ぐこと。皮膚や衣服が黒色に変色し、洗っても取れないことがある。また、眼に入った場合には、直ちに流水で15分以上洗った後、専門医の処置を受けること。コンタクトレンズ装用の場合はコンタクトレンズをはずした後、十分な洗眼を行い、専門医の処置を受けること。また、取り外したレンズは再使用しないこと。
誤って飲み込んだ場合には、無理に吐かず、多量の水や牛乳を飲んだ後、専門医の処置を受けること。
誤飲を避けるため、保管及び取扱いに十分注意すること。
氷結した場合には、常温で放置して自然に溶かし、異常のないことを確かめたのち、使用すること。加熱・加温しないこと。
開栓後は密栓して保管すること。
本剤を廃棄する場合は、水で十分に希釈するか、グリシンで不活化したのち、排水規制に従って廃棄すること。
本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。
フタラール消毒液0.55%「ケンエー」
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