ゼルボラフ錠240mg

抗悪性腫瘍剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 ベムラフェニブ
製造/販売 中外製薬
剤形/規格
  • ゼルボラフ錠240mg

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警告

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

禁忌

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫

用法・容量

  • 通常、成人にはベムラフェニブとして1回960mgを1日2回経口投与する。

注意事項

重要な基本的注意

  • 8.1 有棘細胞癌があらわれることがあるので、定期的に皮膚の状態を確認すること。また、皮膚の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。[7.1、11.1.1参照]

  • 8.2 皮膚以外の部位に扁平上皮癌があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。[11.1.2参照]

  • 8.3 QT間隔延長があらわれることがあるので、本剤の投与開始前には心電図検査及び電解質測定を行うこと。投与開始前にQTcのベースライン値が500msを超える場合又は補正できない電解質異常が認められる場合には投与を避けること。本剤投与期間中は定期的に心電図検査及び電解質測定を行うこと。[7.1、9.1.1、11.1.6参照]

  • 8.4 肝不全、肝機能障害、黄疸等の肝障害又はALT、AST、ビリルビンの上昇等があらわれることがあるので、患者の状態に応じて定期的に肝機能検査を行うこと。[11.1.7参照]

  • 8.5 急性腎障害があらわれることがあるので、投与開始前及び投与中に定期的に腎機能検査を行うこと。[11.1.8参照]

  • 8.6 光線過敏症があらわれることがあるので、外出時には帽子や衣類等による遮光や日焼け止め効果の高いサンスクリーンの使用により、日光やUV光線の照射を避けるよう患者を指導すること。

  • 8.7 ブドウ膜炎等の重篤な眼障害が報告されているので、定期的に眼の異常の有無を確認すること。また、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 9.1.1 QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者

      • QT間隔延長が起こるおそれがある。[7.1、8.3、11.1.6参照]

  • 9.3 肝機能障害患者

    • 9.3.1 重度の肝機能障害のある患者

      • 重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。

  • 9.4 生殖能を有する者

    • 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後2週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。経口避妊薬による避妊法の場合には、経口避妊薬以外の方法を併せて使用すること。[9.5、10.2参照]

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠ラット及びウサギを用いた胚・胎児発生に関する試験において、胚・胎児への影響は認められていないが、最大投与量におけるAUCは臨床曝露量の約1.2倍(ラット)及び約0.5倍(ウサギ)であった。[9.4参照]

  • 9.6 授乳婦

    • 授乳しないことが望ましい。乳汁移行に関するデータはないが、ベムラフェニブは乳癌耐性蛋白(BCRP)の基質であるため、乳汁移行の可能性がある。[16.7.6参照]

  • 9.7 小児等

    • 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

  • 9.8 高齢者

    • 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

適用上の注意

  • 14.1 薬剤交付時の注意

    • PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

  • 15.1 臨床使用に基づく情報

    • 15.1.1 海外市販後の自発報告において、RAS遺伝子変異を有する慢性骨髄単球性白血病の進行が報告されている

    • 15.1.2 本剤とイピリムマブを併用投与した海外第I相臨床試験において、重度の肝機能障害が高頻度に発現し、忍容性が認められなかった

  • 15.2 非臨床試験に基づく情報

    • イヌ39週間毒性試験において、忍容性低下のため早期(投与10日目)に終了した900mg/kg/日の1例に限局的な骨髄壊死が報告されており、この時のAUCは臨床曝露量の約0.5倍であった。

取扱上の注意

  • 湿気を避けて保存すること(PTP包装のまま保存すること)。

相互作用

相互作用序文

  • ベムラフェニブは主にCYP3A4で代謝され、CYP3A4を誘導し、CYP1A2、CYP2C9及びP-糖蛋白(P-gp)を阻害することが示されている。[16.4、16.7.6参照]

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

薬物代謝酵素用語

CYP1A2

薬物代謝酵素用語

CYP2C9

薬物代謝酵素用語

P-糖蛋白(P-gp)

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A4の基質となる薬剤経口避妊薬、ミダゾラム、アトルバスタチン、シンバスタチン 等[9.4、16.7.1参照] これらの薬剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。 併用薬剤の代謝が誘導され血漿中濃度が低下する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A4を誘導する薬剤リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン 等[16.7.2参照] ベムラフェニブの血漿中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱するおそれがあることから、誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。 ベムラフェニブの代謝が誘導され血漿中濃度が低下する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A4を阻害する薬剤イトラコナゾール、ポサコナゾール、クラリスロマイシン等[16.7.3参照] ベムラフェニブの血漿中濃度が上昇する可能性がある。CYP3A4阻害剤と併用する場合は、必要に応じ本剤の減量を考慮すること。 ベムラフェニブの代謝が阻害され血漿中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP1A2の基質となる薬剤カフェイン、テオフィリン、チザニジン 等[16.7.1、16.7.4参照] これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 併用薬剤の代謝が阻害され血漿中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP2C9の基質となる薬剤ワルファリン 等[16.7.1参照] これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 併用薬剤の代謝が阻害され血漿中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
P-gpの基質となる薬剤ジゴキシン 等[16.7.5参照] これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 本剤のP-gp阻害作用により併用薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
QT間隔延長を引き起こすことが知られている薬剤イミプラミン、ピモジド 等 QT間隔延長作用を増強する可能性がある。 本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
抗不整脈薬キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、ソタロール 等 QT間隔延長作用を増強する可能性がある。 本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
放射線照射 放射線照射の併用又は本剤投与前後の放射線照射により放射線皮膚障害、放射線性肺臓炎等の放射線照射リコール反応、放射線増感作用があらわれることがある。 放射線毒性を増強させる可能性がある。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 有棘細胞癌

    • 皮膚有棘細胞癌(18.7%)、ケラトアカントーマ(10.6%)、ボーエン病(0.6%)があらわれることがある。[7.1、8.1参照]

  • 11.1.2 悪性腫瘍(二次発癌)

    • 扁平上皮癌(皮膚以外)(頻度不明)、原発性悪性黒色腫(1.1%)等があらわれることがある。[7.1、8.2参照]

  • 11.1.3 アナフィラキシー(頻度不明)、過敏症(0.9%)

    • アナフィラキシーを含む重篤な過敏症があらわれることがある。

  • 11.1.4 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.3%)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis;TEN)(頻度不明)、多形紅斑(0.3%)、紅皮症(剥脱性皮膚炎等)(0.9%)

    • 皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症等の重篤な皮膚障害があらわれることがある。

  • 11.1.5 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)

    • 初期症状として発疹、発熱が認められ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。本剤の投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。

  • 11.1.6 QT間隔延長(2.0%)[7.1、8.3、9.1.1参照]

  • 11.1.7 肝不全(頻度不明)、肝機能障害(2.0%)、黄疸(頻度不明)

    • 肝不全、肝機能障害、黄疸等の肝障害があらわれることがある。[8.4参照]

  • 11.1.8 急性腎障害(頻度不明)[8.5参照]

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上 1〜5%未満 1%未満 頻度不明
皮膚 発疹(湿疹、丘疹等)(54.0%)、光線過敏症(46.0%)、脱毛症(46.0%)、過角化(25.9%)、そう痒症(21.8%)、皮膚乾燥、紅斑、日光性角化症、脂漏性角化症、手足症候群、毛孔性角化症、皮膚病変、毛包炎 ざ瘡様皮膚炎、皮膚剥脱、ざ瘡、メラノサイト性母斑、稗粒腫、皮膚嚢腫、全身性皮疹、結節性紅斑、掌蹠角皮症、色素沈着障害、皮膚炎、皮膚肥厚、毛質異常、蕁麻疹、日光皮膚炎、毛髪成長異常、アレルギー性皮膚炎、寝汗、多汗症、皮膚腫瘤、皮膚変色 せつ、顔面腫脹、休止期脱毛、苔癬様角化症、熱傷、皮膚刺激、皮膚毒性、皮膚疼痛、脂肪織炎
回転性めまい
ブドウ膜炎、眼充血、流涙増加、眼乾燥、結膜炎、羞明、眼刺激、霧視 眼痛 網膜静脈閉塞
筋・骨格 関節痛(49.4%)、筋骨格痛、四肢痛 筋骨格硬直、関節炎、関節腫脹、背部痛、筋力低下、筋痙縮 関節滲出液、頚部痛、変形性関節症、腱痛、デュプイトラン拘縮
血液・凝固 貧血、リンパ球減少、血小板減少、好中球減少 好酸球増加症、白血球減少
呼吸器 呼吸困難、咽頭喉頭痛、上気道感染(鼻咽頭炎、副鼻腔炎、上気道感染等)
消化器 悪心(26.1%)、下痢(21.3%)、嘔吐、腹痛 口内炎、逆流性食道炎、口唇炎、便秘、口内乾燥、消化不良、腹部膨満 鼓腸、口唇腫脹、腹部不快感、嚥下障害、膵炎
肝臓 血中ビリルビン増加、Al-P上昇、ALT上昇、AST上昇 γ-GTP増加
心・血管系 ほてり リンパ浮腫 血管炎、動悸
精神神経系 頭痛、味覚異常、末梢神経障害 不眠症、浮動性めまい、知覚過敏、嗜眠 傾眠、振戦 顔面神経麻痺
生殖器 乳頭痛
代謝 食欲減退 低カリウム血症、脱水 高コレステロール血症
その他 疲労(43.7%)、皮膚乳頭腫(21.6%)、浮腫(全身性浮腫、末梢性浮腫)、発熱、体重減少 疼痛、乾燥症、棘細胞腫、悪寒、乳頭腫、アクロコルドン、インフルエンザ様疾患、カンジダ症、胸痛、全身健康状態低下、眼瞼乳頭腫、小結節 ヘルペスウイルス感染、腫瘤、転倒、乳頭腫ウイルス感染、膿瘍

薬価

ゼルボラフ錠240mg 5026.9円/錠

評価サマリー

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