血液保存及び赤血球成分の保存
生物由来原料基準 第2血液製剤総則 1輸血用血液製剤総則(2)ア全血採血により採血バッグ(C液)に採血し,遠心分離後,赤血球成分と本品の子バッグ内の液(MAP液)を混和する.
なお,採血量は200mL及び400mLとする.
白血球除去フィルターを使用して血液製剤(血小板製剤,濃厚赤血球製剤)の輸血を行った際に,血圧低下,ショック等の重篤な症例が報告されている.
使用に際しては,急激な血圧低下,ショック等重篤な症状の発生時に備え,あらかじめ救急処置のとれるよう準備しておくこと.
また,輸血中は,患者の状態をよく観察し,発熱,悪寒,頭痛,関節痛,蕁麻疹,呼吸困難,血圧低下,ショック等の異常が認められた場合には,直ちに輸血を中止し適切な処置を行うこと.
適用
MAP液は,遠心分離により製した濃厚赤血球にのみ,入れること.
本品はポリ塩化ビニル(可塑剤:DEHP[di-(2-ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)])を使用しているので,保存血液中に可塑剤が溶出するおそれがある.
<使用前の注意>
保存液漏れ,その他の異常が認められた場合は使用しないこと.
高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)工程の水蒸気のため,バッグが不透明になったり,空袋やチューブ内に微量の水分が残留することがあるが品質・使用上問題はない.ただし,著しい水ぬれや内容液の液漏れが疑われる場合は使用しないこと.
室温の清潔な場所で保管すること.水ぬれに注意し,直射日光及び高温多湿を避けて保管すること.
本品は高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)済であり,再使用・再滅菌はしないこと.
採血,製剤調製に採血装置,遠心分離機等を使用する場合は,それらの機器の取扱説明書に従うこと.
カルシウム含有の製剤と混和すると凝血を起こすおそれがあるので混合輸注しないこと.
あらかじめ接合部に緩みがないことを確認してから使用すること.また,使用中は定期的に緩み,外れがないことを確認すること.
バッグを滅菌した後包装を行っているため,本品の外表面及び包装袋内は無菌ではないので操作には注意すること.
<包装開封後の注意>
採血針のプロテクターは回して外し,採血針には直接手を触れないように注意すること.
包装を開封したものは速やかに使うこと.
使用後は感染防止に留意し,安全な方法で処分すること.
すべての操作は無菌的に行うこと.
同一血液バッグでの再穿刺は行わないこと.
<採血後の注意>
採血後,本剤を用いて調製した製剤は,2〜6℃の冷蔵庫内に保存すること.なお,MAP液を用いて調製した製剤は42日間保存できるが,細菌混入のおそれがある場合はこの限りではない.
バッグの素材は低温下では軽い衝撃によっても破損しやすくなるので,赤血球成分,血漿成分保存等のためにバッグを低温または凍結保存する際には,取扱いに十分注意すること.
<操作時の注意>
チューブシーラーを用いてチューブを溶着・切断する場合,人体に針を刺し,チューブが接続されたままで使用しないこと.[感電の可能性がある.]
接液部を汚染させないこと.
クレンメ及びシャッタークレンメを閉じる際は,チューブが確実に閉塞されたことを確認すること.[クレンメ及びシャッタークレンメ内でチューブがずれ,閉塞されない可能性がある.]
サンプリングポートは使用前に緩みがないことを確認すること.[採血ホルダー内の針により針刺しの可能性がある.]
初流血採取前にシャッタークレンメを閉じないこと.[初流血を採取できなくなる.]
所定量以上の初流血を採取しすぎないこと.
初流血を採取した後は,シャッタークレンメを確実に閉じること.[血液成分に初流血が混入する可能性がある.]
また,本採血を開始する際は,初流血除去バッグの分岐部のクリックチップを完全に折ること.[採血中に溶血をおこす可能性がある.]
サンプリングポート及びサンプリングポートのゴムチップを外さないこと.[ゴムチップを外すと初流血が漏れる可能性がある.]
ニードルプロテクターを使用する前に変形させないこと.また,採血針をニードルプロテクター内にかぶせた後は,指を入れないこと.[針刺しの可能性がある.]
遠心操作を行う時は以下のことに注意すること.
遠心用インナーカップを使用すること.
バッグ本体をカップの底に密着させるなどしてバッグ本体とカップの間に隙間ができないようにすること.
チューブならびに硬質素材等はバッグ本体と直接触れないようにチューブと共にバッグ上部の輸血口に巻きつける等して,カップからはみ出さないようにすること.
巻きつけたチューブ等はバッグ本体とカップの間に挟まないこと.[遠心中にバッグを破損させる可能性がある.]
低温下でろ過を行うとろ過時間の延長,ろ過器の目詰まりをおこす可能性がある.
ろ過を行うときは,指定の落差で行うこと.[ろ過時間の延長,ろ過器の目詰まり,白血球の漏れをおこす可能性がある.]
チューブを鉗子等でつまんで傷をつけないように,また,はさみや刃物等で傷をつけないように注意すること.[チューブに液漏れ,空気の混入,破断が生じる可能性がある.]
チューブ及びチューブと接合している箇所は,過度に引っ張るような負荷やチューブを押し込むような負荷,チューブを折り曲げるような負荷を加えないこと.[チューブが破損する,又は接合部が外れる可能性がある.]
油性ペン等でバッグ本体に書き込まないこと.[インク成分がバッグ内の血液に移行する可能性がある.]
リキャップする必要がある場合は,針刺しを防止するため,保護具等を使用するか,プロテクターを手で持たずに台等に置いて,プロテクターをまっすぐに被せること.[傾けると,針がプロテクターを突き抜ける可能性がある.]
採血開始時には,採血状態(血液の増え具合)や穿刺部位を必ず確認すること.
チューブが折り曲げられたり,引っ張られた状態で使用しないこと.
採血針部に直接手を触れないこと.[針刺し,感染の可能性がある.]
チューブを高周波誘電加熱方式のシーラーでシールする際には,高周波が発振して溶融状態になっている状態でチューブに引っ張りを加えないこと.また,発振が停止して電極が元の位置に戻り一連のシール動作が完了してからチューブを取り出すこと.複数回シールする場合は,針側からバッグ側の順にシールすること.なお,シール不良に備えてあらかじめバッグ側を鉗子等で閉じておくことが望ましい.
<安定性試験>
加速試験(40℃,相対湿度75%,6カ月)の結果,通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された
<操作方法>
C液の入った採血バッグに規定量を採血する.
バッグハンガーからテーブルまで落差140cmとなるようなテーブル等を用意し,採血バッグの懸垂口をバッグハンガーに掛け,子バッグ[1]をテーブル上に置く.
採血バッグを4〜5回転倒混和後,採血バッグのクリックチップを完全に折り,ろ過器に血液を導入してろ過を行う.
ろ過器下部のチューブをシールしてろ過器と採血バッグを切り離し,残った子バッグ[1](血液入り),子バッグ[2](空),子バッグ[3](MAP液入り)を遠心分離する.
子バッグ[1]のクリックチップを完全に折り,血漿を子バッグ[2]へ移す.
子バッグ[3](MAP液入り)のクリックチップを完全に折り,子バッグ[1]の残った赤血球成分へMAP液を添加して混和後,保存する.
<その他の操作>
チューブ内に残った血液の凝固を避けるためには,ローラペンチでチューブをしっかり挟み,針側からバッグに向けてチューブをしごき,チューブ内の血液を採血バッグに移し,内容液と丁寧に混ぜる.
パイロットチューブは,チューブに付けられている番号と番号の間をチューブシーラーで溶着して作る.
採血には重力による落差式採血法のほか,採血装置を利用した方法がある.
分離スタンドの代わりに,血液自動分離装置を使用することができる.
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