被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。
明らかな発熱を呈している者
重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制をきたす治療を受けている者(「相互作用」の項参照)
妊娠していることが明らかな者
まん延性の皮膚病にかかっている者で、種痘により障害をきたすおそれのある者
上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
痘そうの予防
本剤を添付の溶剤(20vol%グリセリン加注射用水)0.5mLで溶解し0.01mLを多刺法により皮膚に接種する。なお、接種時の圧迫回数は、初種痘で5回、その他の種痘で10回とする。
本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
本剤は原液に由来するゼラチンを含有している(0.15w/v%以下)。ゼラチン含有製剤の接種により、ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、喉頭浮腫等)があらわれたとの報告があるので、問診を十分に行い、接種後は観察を十分に行うこと。
本剤は添加物としてストレプトマイシンを含有しているため、同成分に感受性を有する者においては、過敏症を引き起こす可能性がある。接種後は観察を十分に行い、症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
ゼラチン含有製剤又はゼラチン含有の食品に対して、ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、喉頭浮腫等)等の過敏症の既往歴のある者
心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
過去にけいれんの既往のある者
過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
本剤の成分に対して、アレルギーを呈するおそれのある者
接種用器具
接種針は、滅菌されたものを用いる。
接種針は、被接種者ごとに取り換えなければならない。
接種時
本剤の溶解に当たっては、容器の栓及びその周囲をアルコールで消毒した後、添付の溶剤0.5mLで均一に溶解する。溶解後に金属の口金を切断してゴム栓を取り外す。二叉針の先端部を液につけワクチン1人分を吸い取る。
接種部位
接種部位は、原則として上腕外側で上腕三頭筋起始部とし、堅く絞ったアルコール綿で消毒し、よく乾燥させる。また、接種1〜3分後乾いていないワクチンを堅く絞ったアルコール綿で吸いとる(ふきとる)。
接種方法
多刺法
二叉針を用いる方法で、針を皮膚に直角に保ち、針を持った手首を皮膚の上において、手首の動きで皮膚を圧迫する。圧迫回数は、初種痘で5回、その他の種痘で10回とする。接種箇所は、上腕外側で上腕三頭筋起始部に直径約5mmの範囲とする。
保存時
−35℃以上−20℃以下に保存すること。ゴム栓の劣化、破損等の可能性があるので、−35℃以下には保存しないこと。
本剤のウイルスは日光に弱く、速やかに不活化されるので、溶解の前後にかかわらず光が当たらないよう注意すること。
溶剤が凍結すると容器が破損することがある。
接種前
溶解時に内容をよく調べ、沈殿及び異物の混入、その他異常を認めたものは使用しないこと。
接種時
本剤の溶解は接種直前に行い、一度溶解したものは直ちに使用する。
本剤は添加物としてチメロサール(保存剤)を含有してないので、いったん栓を取り外した瓶の残液を再び貯蔵して次回の接種に用いることなく、必ず廃棄すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 副腎皮質ステロイド剤プレドニゾロン等免疫抑制剤シクロスポリン(サンディミュン)タクロリムス(プログラフ)アザチオプリン(イムラン)等 | 本ワクチンの接種により右記機序で痘そう様症状があらわれるおそれがあるので接種しないこと。 | 免疫機能抑制下で本剤を接種すると、ワクチンウイルスの感染を増強あるいは持続させる可能性がある。免疫抑制的な作用をもつ薬剤の投与を受けている者、特に長期又は大量投与を受けている者、又は投与中止後6ヵ月以内の者は、免疫機能が低下していることがある。 |
他のワクチン製剤との関係
他の生ワクチン(経口生ポリオワクチン、麻しんワクチン、風しんワクチン、おたふくかぜワクチン、水痘ワクチン、BCGワクチン、黄熱ワクチン等)の干渉作用により本剤のウイルスが増殖せず免疫が獲得できないおそれがあるので、他の生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること。
けいれん(0.1%未満)
熱性けいれんを起こすことがある。異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
(頻度不明)
接種局所のほか、接種10日前後に全身反応として発熱、発疹、腋下リンパ節の腫脹をきたすことがある。
乾燥細胞培養痘そうワクチン「LC16“化血研”」
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