本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
睫毛貧毛症
片眼ごとに、1滴を本剤専用のアプリケータに滴下し、1日1回就寝前に上眼瞼辺縁部の睫毛基部に塗布する。
本剤の投与により、虹彩や眼瞼への色素過剰(メラニンの増加)があらわれることがある。これらは投与の継続により徐々に進行し、投与中止により停止する。眼瞼色素過剰については、投与中止後徐々に消失、あるいは軽減する可能性があるが、虹彩色素過剰については投与中止後も消失しないことが報告されている。混合色虹彩の患者では虹彩の色素過剰は明確に認められるが、暗褐色の単色虹彩の患者(日本人に多い)においても変化が認められている。これらの症状について患者に十分説明するとともに、患者を定期的に診察し、症状に応じて投与継続の可否を検討すること。
本剤投与中に角膜上皮障害(点状表層角膜炎、糸状角膜炎、角膜びらん)があらわれることがあるので、しみる、そう痒感、眼痛等の自覚症状が持続する場合には、直ちに眼科医を受診するように患者に十分に指導すること。
本剤投与により、内眼部及び外眼部の炎症や角膜上皮障害が悪化する可能性、及び眼圧が影響を受ける可能性があるため、眼疾患又は眼手術後で治療中の患者に本剤を投与する際は、眼科医に相談することが望ましい。
眼瞼色素過剰、接触皮膚炎、眼周囲の多毛化等の予防あるいは軽減のため、投与の際に液が上眼瞼辺縁部以外に付着した場合には、よくふき取るか洗い流すよう患者を指導すること(「適用上の注意」の項参照)。
無水晶体眼あるいは眼内レンズ挿入眼の患者又は硝子体手術等の内眼手術の既往のある患者[嚢胞様黄斑浮腫を含む黄斑浮腫、及びそれに伴う視力低下を起こすおそれがある。]
投与経路、使用部位
本剤は点眼剤として使用しないこと。本剤は上眼瞼辺縁部の睫毛基部にのみ塗布し、下眼瞼には使用しないこと。
投与時
患者に対し次の点に注意するよう指導すること。
塗布する前に洗顔して上眼瞼辺縁部を清潔にしてから使用すること。
塗布時に、容器やアプリケータの先端が周囲の物や指などの表面に触れないよう注意すること。
アプリケータを水平に持ち、アプリケータの先端に最も近い部分に1滴滴下すること。
滴下後すぐに、アプリケータを片方の目の上眼瞼辺縁部に内側から外側に向けて慎重に沿わせること。
塗布したときに液が上眼瞼辺縁部以外についた場合は、ティッシュ等吸収性の素材ですぐにふき取るか、洗い流すこと。
一度使用したアプリケータは廃棄すること。
新しいアプリケータを使い、もう片方の目の上眼瞼辺縁部に同様に繰り返すこと。
ベンザルコニウム塩化物によりコンタクトレンズを変色させることがあるので、コンタクトレンズを装着している場合は、塗布する前に一旦レンズを外し、塗布15分以上経過後に再装用すること。
特発性及びがん化学療法による睫毛貧毛症以外の睫毛貧毛症患者に対する有効性は確立されていない(【臨床成績】の項参照)。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| プロスタグランジン系点眼剤ラタノプロスト含有点眼剤 | 眼圧低下作用が減弱する可能性がある。 | 機序不明 |
特発性睫毛貧毛症を対象とした国内臨床試験において、安全性評価対象87例中、14例(16.1%)に副作用が認められた。その主な副作用は、結膜充血3例(3.4%)、眼脂3例(3.4%)、皮膚色素過剰3例(3.4%)であった(申請時)。
また、がん化学療法による睫毛貧毛症を対象とした国内臨床試験において、安全性評価対象18例中、3例(16.7%)に副作用が認められた。その主な副作用は、皮膚色素過剰2例(11.1%)、眼瞼紅斑1例(5.6%)であった(申請時)。
虹彩色素過剰
海外臨床試験において、安全性評価対象541例中、1例(0.2%)に虹彩色素過剰が認められた。虹彩色素過剰があらわれた場合には症状に応じて投与継続の可否を検討すること。
眼瞼溝深化
海外臨床試験において、安全性評価対象541例中、1例(0.2%)に眼瞼溝深化が認められた。眼瞼溝深化があらわれた場合には症状に応じて投与継続の可否を検討すること。
副作用が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 2%以上 | 2%未満 | 頻度不明 注 | |
| 眼 | 結膜充血、眼脂、眼乾燥、点状角膜炎、眼瞼紅斑、眼瞼そう痒症、眼そう痒症、眼瞼刺激、眼刺激 | 結膜濾胞、眼瞼障害、睫毛乱生、眼瞼炎、麦粒腫 | 眼痛、眼瞼痛、眼部腫脹、眼瞼浮腫、流涙増加、霧視、灼熱感(眼瞼)、眼窩周囲紅斑 |
| 皮膚 | 皮膚色素過剰 | 毛質異常、睫毛眉毛脱落症(部分的な一時的睫毛眉毛の脱落も含む) | 毛髪成長異常、裂毛(一時的な睫毛の裂毛)、発疹(眼瞼及び眼窩周囲に限定された斑状発疹、紅斑性発疹、そう痒性発疹を含む)、皮膚変色(眼窩周囲) |
| その他 | 顔面痛 | 頭痛、過敏症(局所的アレルギー反応) |
注:自発報告または海外でのみ認められた副作用は頻度不明
グラッシュビスタ外用液剤0.03%5mL
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