ジャカビ錠5mg

抗悪性腫瘍剤

3.5(2件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 ルキソリチニブリン酸塩
製造/販売 ノバルティスファーマ
剤形/規格
  • ジャカビ錠5mg

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警告

  • 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

  • 本剤の投与により、結核、敗血症等の重篤な感染症が発現し、死亡に至った症例が報告されていることから、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意すること。

禁忌

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

効能・効果

  • 骨髄線維症

  • 真性多血症(既存治療が効果不十分又は不適当な場合に限る)

用法・容量

  • 骨髄線維症の場合

    • 通常、成人には本剤を1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。用量は、ルキソリチニブとして1回5mg〜25mgの範囲とし、患者の状態により適宜増減する。

  • 真性多血症の場合

    • 通常、成人にはルキソリチニブとして1回10mgを開始用量とし、1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。患者の状態により適宜増減するが、1回25mg1日2回を超えないこと。

注意事項

重要な基本的注意

  • 本剤投与により、血小板減少症、貧血、好中球減少症があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は、定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行い、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。(「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)

  • 本剤の免疫抑制作用により、細菌、真菌、ウイルス又は原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがあり、B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性かつHBc抗体若しくはHBs抗体陽性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれるおそれがある。本剤投与により、肝炎ウイルス、結核等が再活性化するおそれがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス、結核等の感染の有無を確認し、本剤の投与開始前に適切な処置の実施を考慮すること。また、本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。(「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)

  • 本剤投与により、帯状疱疹があらわれることがあるので、本剤の投与開始前に、患者に対して帯状疱疹の初期症状について説明し、異常が認められた場合には速やかに連絡し、適切な処置を受けるよう指導すること。(「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)

慎重投与

  • 重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者及び透析中の末期腎障害患者〔血中濃度が上昇するおそれがある。〕(【薬物動態】の項参照)

  • 肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある。〕(【薬物動態】の項参照)

  • 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)〔結核を活動化させるおそれがある。〕(「2.重要な基本的注意」の項参照)

  • 感染症(敗血症、肺炎、ウイルス感染等)を合併している患者〔免疫抑制作用により病態を悪化させるおそれがある。〕(「2.重要な基本的注意」の項参照)

  • 高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)

過量投与

  • 徴候、症状

    過量投与により、白血球減少症、貧血、血小板減少症等の骨髄抑制の発現が増加するおそれがある。

  • 処置

    特異的な解毒剤はない。症状に応じた適切な処置を行うこと。なお、血液透析による本剤の除去は有用ではないと考えられる。

適用上の注意

  • 薬剤交付時

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

その他の注意

  • イヌを用いた心血管系への影響に関する試験では、心拍数増加を伴う血圧低下が認められ、ラットを用いた呼吸機能検査では、分時換気量減少が認められた。

  • イヌを用いた26及び52週間反復投与毒性試験において、皮膚乳頭腫の発現が認められた。また、本剤との因果関係は明らかでないものの、本剤投与後に非黒色腫皮膚癌(基底細胞癌、扁平上皮癌、メルケル細胞癌を含む)等の悪性腫瘍(二次発がん)の発現が報告されている。

相互作用

相互作用序文

  • 本剤は主として代謝酵素CYP3A4で代謝され、CYP3A4に比べて寄与率は小さいがCYP2C9によっても代謝される。また、in vitroの検討から、本剤はP-糖蛋白(P-gp)及び乳癌耐性蛋白(BCRP)を阻害する可能性が示唆されている。

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

薬物代謝酵素用語

CYP2C9

薬物代謝酵素用語

P-糖蛋白(P-gp)

薬物代謝酵素用語

乳癌耐性蛋白(BCRP)

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
強力なCYP3A4阻害剤イトラコナゾールリトナビルクラリスロマイシン等 本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、CYP3A4阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず強力なCYP3A4阻害剤と本剤を併用投与する場合には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。(【薬物動態】の項参照) これらの薬剤の強力なCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A4及びCYP2C9を阻害する薬剤フルコナゾール等 本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 これらの薬剤の2つの代謝酵素(CYP3A4及びCYP2C9)の阻害作用により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A4阻害剤エリスロマイシンシプロフロキサシンアタザナビルジルチアゼムシメチジン等 本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、CYP3A4阻害剤と本剤を併用投与する場合には、患者の状態を慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。(【薬物動態】の項参照) これらの薬剤のCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A4誘導剤リファンピシンフェニトインセイヨウオトギリソウ〔St.John's Wort(セント・ジョーンズ・ワート)〕含有食品等 本剤の血中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱する可能性があるので、CYP3A4誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。(【薬物動態】の項参照) これらの薬剤のCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が促進されると考えられる。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 骨髄線維症患者

    • 骨髄線維症患者を対象とした海外第III相試験において、本剤投与301例中、副作用は239例(79.4%)にみられた。主な副作用は、血小板減少症(血小板数減少を含む)136例(45.2%)、貧血103例(34.2%)、下痢30例(10.0%)、疲労26例(8.6%)、体重増加24例(8.0%)等であった。(承認時までの集計)

    • 骨髄線維症患者を対象とした国際共同第II相試験において、本剤投与120例中(日本人30例を含む)、副作用は111例(92.5%)にみられた。主な副作用は、貧血72例(60.0%)、血小板減少症(血小板数減少を含む)66例(55.0%)、ALT(GPT)増加15例(12.5%)、下痢13例(10.8%)、AST(GOT)増加13例(10.8%)、好中球減少症13例(10.8%)等であった。(承認時までの集計)

  • 真性多血症患者

    • 真性多血症患者を対象とした国際共同第III相試験の48週までの期間において、本剤投与110例中(日本人6例を含む)、副作用は78例(70.9%)にみられた。主な副作用は、貧血24例(21.8%)、血小板減少症(血小板数減少を含む)15例(13.6%)、体重増加9例(8.2%)、浮動性めまい8例(7.3%)、頭痛8例(7.3%)等であった。(効能又は効果の一変承認時までの集計)

  • 重大な副作用及びその他の副作用の頻度については、骨髄線維症患者及び真性多血症患者を対象とした臨床試験を併合した集計結果に基づき記載した。また、これらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 骨髄抑制

    血小板減少症(40.9%)、貧血(37.5%)、好中球減少症(4.3%)があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を実施するなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には休薬、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。

  • 感染症10.4%)

    細菌、真菌、ウイルス又は原虫による重篤な感染症(帯状疱疹(2.6%)、尿路感染(1.9%)、結核(0.2%)等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり、死亡に至った症例が報告されている。本剤投与中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には休薬、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。

  • 進行性多巣性白質脳症(頻度不明)

    進行性多巣性白質脳症があらわれることがあるので、本剤投与中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を実施するとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 出血

    脳出血等の頭蓋内出血(0.2%)(初期症状:頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、片麻痺等)、胃腸出血(0.8%)、処置後出血(0.2%)、鼻出血(1.7%)、血尿(0.6%)等があらわれることがあり、死亡に至った症例が報告されている。本剤投与中は定期的に血液検査を実施するなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 間質性肺疾患(頻度不明)

    間質性肺疾患があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 肝機能障害

    AST(GOT)(3.2%)、ALT(GPT)(4.1%)の上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあり、死亡に至った症例が報告されている。本剤投与中は定期的に肝機能検査を実施するなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。

  • 心不全0.6%)

    心不全があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

5%以上 1%〜5%未満 1%未満 頻度不明
血液及びリンパ系障害 - 白血球数減少 - -
代謝及び栄養障害 体重増加 食欲減退 高トリグリセリド血症、体液貯留、低カルシウム血症 高コレステロール血症
精神障害 - 不眠症 - -
神経系障害 - 頭痛、浮動性めまい、末梢性ニューロパチー、錯感覚 - -
心臓障害 - - 動悸 -
血管障害 - 高血圧 - -
呼吸器系障害 - 鼻咽頭炎、ラ音、呼吸困難、咳嗽 肺炎 -
胃腸障害 下痢 悪心、腹痛、嘔吐、便秘、腹部膨満、口内炎、鼓腸、消化不良、上腹部痛 口内乾燥、口腔内潰瘍形成 -
肝胆道系障害 - γ-GTP増加、ALP増加、血中ビリルビン増加 - -
皮膚及び皮下組織障害 - 寝汗、挫傷 発疹 -
筋骨格系障害 - 筋痙縮、四肢痛、筋肉痛、関節痛 骨痛、背部痛 -
腎及び尿路障害 - 血中尿素増加 - -
全身障害 疲労 末梢性浮腫、無力症、発熱 - -
臨床検査 - - APTT延長 -

薬価

ジャカビ錠5mg 3706.8円/錠

評価サマリー

もっとも参考になった評価コメント

エビデンスの確かさ・信頼性

投稿日: 2020/05/02 参考率: 100%(2人/2人)

内科/40代/処方経験あり

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