2.1 閉塞性肺疾患あるいは心疾患により、著しい心肺機能低下のみられる患者[本剤の筋弛緩作用により、症状が悪化するおそれがある。]
2.2 筋無力症状のある患者[本剤の筋弛緩作用により、症状が悪化するおそれがある。]
2.3 肝疾患のある患者[9.3.1参照]
2.4 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
○下記疾患に伴う痙性麻痺
脳血管障害後遺症、脳性麻痺、外傷後遺症(頭部外傷、脊髄損傷)、頸部脊椎症、後縦靭帯骨化症、脊髄小脳変性症、痙性脊髄麻痺、脊髄炎、脊髄症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、スモン(SMON)、潜水病
○全身こむら返り病
○悪性症候群
<痙性麻痺及び全身こむら返り病>
通常、成人にはダントロレンナトリウム水和物として1日1回25mgより投与を始め、1週毎に25mgずつ増量し(1日2〜3回に分割投与)維持量を決定する。ただし、1日最高投与量は150mgとし3回に分割投与する。
<悪性症候群>
ダントロレンナトリウム水和物注射剤の静脈内投与後、継続投与が必要で経口投与が可能な場合、通常、成人にはダントロレンナトリウム水和物として1回25mg又は50mgを1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
8.1 投与は少量より開始し、投与開始後は肝機能検査(AST、ALT、アルカリフォスファターゼ、総ビリルビン等)を定期的に行うこと。[11.1.1参照]
8.2 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.3 悪性症候群患者において呼吸不全があらわれたとの報告があるので、臨床症状及び血液ガス等のデータを参考に呼吸管理を実施しながら本剤を投与すること。[11.1.5参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 慢性下痢症状のみられる患者
症状が悪化するおそれがある。
9.1.2 イレウスのある患者
本剤の筋弛緩作用により、症状が悪化するおそれがある。[11.1.4参照]
9.2 腎機能障害患者
排泄が遅延するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝疾患のある患者
投与しないこと。本剤による肝障害が疑われる症例が報告されている。[2.3参照]
9.3.2 肝障害もしくは肝機能異常が以前にみられた患者
本剤による肝障害が疑われる症例が報告されている。[11.1.1参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後6カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5、15.2.2参照]
9.4.2 男性には、本剤投与中及び最終投与後3カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[15.2.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。また妊娠13日目及び19日目の雌ラットに14C-ダントロレンナトリウム水和物1mg/kgを経口投与した際、胎児へ移行することが報告されている
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。分娩後14日目の雌ラットに14C-ダントロレンナトリウム水和物1mg/kgを経口投与した際、乳汁中に移行することが報告されている
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
低用量(例えば1回25mg)から投与を開始し、増量にあたっては患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では、肝機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.1 臨床使用に基づく情報
1日用量200mgを超えて投与したとき、肝障害発生頻度が高くなるとの報告がある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 ラットを用いた30カ月間長期がん原性試験及び18カ月間慢性毒性試験において、本剤のがん原性を示唆する所見が認められたとの報告がある。
15.2.2 細菌を用いた復帰突然変異試験(Ames試験)において、変異原性が報告されている。また、ほ乳類培養細胞を用いた染色体異常試験において、染色体異常誘発性が報告されている。[9.4.1、9.4.2、9.5、9.6参照]
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| エストロジェン | 重篤な肝障害が多いとの報告がある。 | 機序不明 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 筋弛緩作用のある薬物ジアゼパム等のベンゾジアゼピン系化合物、トルペリゾン塩酸塩、クロルメザノン等 | 作用が増強されることがある。 | 薬理学的(筋弛緩作用)な相加作用による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| カルシウム拮抗剤ベラパミル等 | 高カリウム血症に伴う心室細動、循環虚脱等があらわれることがある。 | 高カリウム血症を来すと考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 向精神薬 | 呼吸中枢抑制作用を増強する可能性がある。 | 薬理学的(呼吸中枢抑制作用)な相加作用による。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 黄疸(0.1%未満)、肝障害(頻度不明)[8.1、9.3.2参照]
11.1.2 PIE症候群(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸痛、胸水貯留、好酸球増多等を伴う症状があらわれることがある。
11.1.3 胸膜炎(頻度不明)
胸痛、胸水貯留等があらわれることがある。
11.1.4 イレウス(0.1%未満)[9.1.2参照]
11.1.5 呼吸不全(0.1〜5%未満)[8.3参照]
11.1.6 ショック、アナフィラキシー(0.1%未満)
顔面蒼白、血圧低下、呼吸困難等があらわれることがある。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%以上 | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
| 精神神経系 | 眠気、めまい、頭痛、頭がボーッとする、言語障害、痙攣 | 疲労感、不眠、精神錯乱、酩酊感、多幸感 | 抑うつ、神経過敏、てんかん発作 | |
| 消化器 | 食欲不振、便秘、悪心・嘔吐、下痢、腹部膨満感、腹痛、胃痛、嚥下困難 | 流涎、消化管出血 | 腹部痙攣 | |
| 肝臓 | 肝機能異常(AST上昇、ALT上昇) | |||
| 泌尿器 | 頻尿、尿失禁 | 排尿困難 | 夜尿症、勃起困難、結晶尿 | |
| 循環器 | 静脈炎 | 心悸亢進 | 頻脈、血圧変動 | |
| 外皮系 | 発汗、毛髪異常成長 | |||
| 感覚器 | しびれ感、視力障害 | 複視、味覚異常 | 流涙 | |
| 呼吸器 | 咳嗽、呼吸困難、胸痛、胸水貯留 | |||
| 血液 | 血小板減少 | 赤血球減少 | 好酸球増多 | |
| 過敏症 | 発疹、そう痒感 | 光線過敏症 | ||
| その他 | 脱力感 | 倦怠感、ふらふら感、熱感 | 窒息感、浮腫、悪寒、発熱 | 背痛 |
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使いやすさ
投稿日: 2015/03/01 参考率: 100%(1人/1人)
麻酔科/60代/処方経験あり