ドパミン作動性パーキンソン病治療剤
一般名 |
ロチゴチン
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製造/販売 | 大塚製薬 |
剤形/規格 |
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前兆のない突発的睡眠及び傾眠等がみられることがあり、また突発的睡眠等により自動車事故を起こした例が報告されているので、患者に本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、本剤貼付中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。(「2.重要な基本的注意(1)」の項及び「4.副作用(1)重大な副作用 1)突発的睡眠」の項参照)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
ニュープロパッチ2.25mg
パーキンソン病
中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)
ニュープロパッチ2.25mg
パーキンソン病
通常、成人にはロチゴチンとして1日1回4.5mg/日からはじめ、以後経過を観察しながら1週間毎に1日量として4.5mgずつ増量し維持量(標準1日量9mg〜36mg)を定める。なお、年齢、症状により適宜増減できるが、1日量は36mgを超えないこと。
本剤は肩、上腕部、腹部、側腹部、臀部、大腿部のいずれかの正常な皮膚に貼付し、24時間毎に貼り替える。
中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)
通常、成人にはロチゴチンとして1日1回2.25mg/日からはじめ、以後経過を観察しながら1週間以上の間隔をあけて1日量として2.25mgずつ増量し維持量(標準1日量4.5mg〜6.75mg)を定める。なお、年齢、症状により適宜増減できるが、1日量は6.75mgを超えないこと。
本剤は肩、上腕部、腹部、側腹部、臀部、大腿部のいずれかの正常な皮膚に貼付し、24時間毎に貼り替える。
本剤を含めたドパミン受容体作動薬の投与により突発的睡眠等により自動車事故を起こした例が報告されている。突発的睡眠を起こした症例の中には、傾眠や過度の眠気のような前兆を認めなかった例あるいは投与開始後1年以上経過した後に初めて発現した例も報告されている。患者には本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。(〔警告〕の項及び「4.副作用(1)重大な副作用 1)突発的睡眠」の項参照)
本剤を含めたドパミン受容体作動薬の投与により起立性低血圧がみられることがある。本剤の投与は少量から開始し、めまい、立ちくらみ、ふらつき等の起立性低血圧の兆候や症状が認められた場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
本剤を他の抗パーキンソン剤と併用した場合、ジスキネジア、幻覚、妄想、錯乱等の副作用が発現しやすくなる可能性があるため、これらの副作用があらわれた場合には減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。(「4.副作用(1)重大な副作用 2)幻覚、妄想、せん妄、錯乱」の項参照)
本剤の急激な減量又は中止により、悪性症候群を誘発することがあるため、減量・中止が必要な場合は漸減すること。(「4.副作用(1)重大な副作用 3)悪性症候群」の項参照)
本剤を含めたドパミン受容体作動薬の投与により病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されている。このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び介護者等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること。
レストレスレッグス症候群患者において、本剤を含めたドパミン受容体作動薬の投与によりAugmentation(症状発現が2時間以上早まる、症状の増悪、他の部位への症状拡大)が認められることがある。このような症状が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
本剤の貼付により皮膚症状が発現した場合には、必要に応じてステロイド外用剤又は抗ヒスタミン外用剤等を使用するか、あるいは本剤の使用を中止するなど、症状に応じて適切な処置を行うこと。また、小水疱を含む適用部位反応が発現した場合、あるいは適用部位以外に及ぶ広範な皮膚炎が認められた場合には本剤の使用を速やかに中止すること。なお、適用部位に発疹や刺激反応等が認められた場合には、日光により発現部位の皮膚が変色するおそれがあるので、回復するまで発現部位への直射日光は避けること。
本剤の貼り替えの際、貼付している製剤を除去せずに新たな製剤を貼付した場合、本剤の血中濃度が上昇するため、貼り替えの際は先に貼付した製剤を除去したことを十分に確認するよう患者及び介護者等に指導すること。
幻覚、妄想等の精神症状又はそれらの既往歴のある患者[症状が増悪又は発現しやすくなることがある。](「2.重要な基本的注意(3)」の項及び「4.副作用(1)重大な副作用 2)幻覚、妄想、せん妄、錯乱」の項参照)
重篤な心疾患又はそれらの既往歴のある患者[心疾患が増悪又は再発することがある。]
低血圧症の患者[症状が悪化することがある。](「2.重要な基本的注意(2)」の項参照)
重度の肝障害のある患者[本剤は主として肝臓で代謝される。また、これらの患者での使用経験はなく安全性は確立されていない。]
高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
徴候、症状
本剤の過量投与により、悪心、嘔吐、不随意運動、錯乱、痙攣等のドパミン受容体刺激作用に関連する症状の発現が予想される。
処置
過量投与が疑われる場合には、速やかに本剤をすべて除去すること。
精神症状が見られた場合には、抗精神病薬の投与を考慮する。また、輸液の点滴静注、心電図モニター、血圧測定等の適切な処置とともに、一般的な支持療法も考慮すること。なお、血液透析は有用でないと考えられる。
使用時
貼付部位の皮膚を拭い、清潔にしてから本剤を貼付すること。なお、貼付する部位にクリーム、ローション又はパウダーを塗布しないこと。
皮膚刺激を避けるため、毎回貼付部位を変えること。
創傷面に使用しないこと。
適用部位を外部熱(過度の直射日光、あんか、サウナなどのその他の熱源)に曝露させないこと。[貼付部位の温度が上昇すると本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。]
本剤をハサミ等で切って使用しないこと。[ハサミ等で裁断すると本剤の有効成分が析出し、血中濃度が低下するおそれがある。]
本剤を扱った後は、手に付着した薬剤を除去するため、手を洗うこと。手洗い前に目に触れないこと。
貼付24時間後も本剤の成分が残っているので、使用済みの製剤は接着面を内側にして折りたたみ、小児の手及び目の届かないところに安全に廃棄すること。
以下の療法を行うときには、前もって本剤を除去すること。
電気的除細動(DC細動除去等)[自動体外式除細動器(AED)等と接触した場合、本剤の支持体にアルミニウムが含まれるため、本剤の貼付部位に火傷を引き起こすおそれがある。]
MRI(核磁気共鳴画像法)[本剤の支持体にアルミニウムが含まれるため、本剤の貼付部位に火傷を引き起こすおそれがある。]
ジアテルミー(高周波療法)[本剤の温度が上昇するおそれがある。]
麦角系ドパミン受容体作動薬の投与中に、後腹膜線維症、肺浸潤、胸水、胸膜肥厚、心膜炎、心弁膜症等の線維性合併症が報告されている。
アルビノラットに13週間反復皮下投与した試験において、網膜変性が報告されている。
安全性薬理試験において、イヌプルキンエ線維の活動電位持続時間に対して弱い延長作用を示し、また急速活性化遅延整流カリウム電流(hERGによりエンコードされる)を濃度依存的に阻害した
。なお、外国人パーキンソン病患者に本剤54mgを経皮投与したQT/QTc評価試験では、QT間隔の延長はみられなかった
。
使用するまでは小袋内で保管すること。
小児の手及び目の届かない、高温にならないところに保管する
こと。
本剤は主に抱合酵素(硫酸抱合酵素及びグルクロン酸抱合酵素)とCYP(CYP2C19、CYP1A2等)で代謝される。(〔薬物動態〕の項参照)
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ドパミン拮抗剤フェノチアジン系薬剤、ブチロフェノン系薬剤、メトクロプラミド等 | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | 本剤はドパミン作動薬であり、併用により両薬剤の作用が拮抗するおそれがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
抗パーキンソン剤レボドパ、抗コリン剤、アマンタジン塩酸塩、ドロキシドパ、エンタカポン、セレギリン塩酸塩、ゾニサミド等 | ジスキネジア、幻覚、錯乱等の副作用が増強することがある。 | 相互に作用が増強することがある。 |
パーキンソン病
パーキンソン病患者を対象とした国内第II相、第III相及び長期投与試験において、739例に本剤が投与された。うち264例は第II相及び第III相試験の本剤投与群から長期投与試験に移行した継続投与例であり、評価例数はのべ1,003例であった。のべ1,003例中838例(83.5%)に臨床検査値の異常を含む副作用が報告されている。主な副作用は、適用部位反応572例(57.0%)、悪心160例(16.0%)、幻覚117例(11.7%)、ジスキネジア116例(11.6%)、傾眠90例(9.0%)、嘔吐76例(7.6%)等であった。
中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)
中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群患者を対象とした国内第II相、第III相及び長期投与試験において、411例に本剤が投与された。うち135例は第II相試験の本剤投与群から長期投与試験に移行した継続投与例であり、評価例数はのべ546例であった。のべ546例中399例(73.1%)に臨床検査値の異常を含む副作用が報告されている。主な副作用は、適用部位反応193例(35.3%)、悪心189例(34.6%)、傾眠78例(14.3%)、適用部位
痒41例(7.5%)、頭痛40例(7.3%)、嘔吐40例(7.3%)等であった。
突発的睡眠(1%未満)
前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので、このような場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。(〔警告〕の項及び「2.重要な基本的注意(1)」の項参照)
幻覚(7.6%)、妄想(1%未満)、せん妄(1%未満)、錯乱(頻度不明*)
幻覚(主に幻視)、妄想、せん妄、錯乱があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は投与を中止するとともに、必要に応じて抗精神病薬を使用するなどの適切な処置を行うこと。(「2.重要な基本的注意(3)」の項参照)
悪性症候群(1%未満)
本剤の急激な減量又は中止、あるいは非定型抗精神病薬の併用により、悪性症候群があらわれることがある。観察を十分に行い、発熱、意識障害、無動無言、高度の筋硬直、不随意運動、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗、血清CK(CPK)の上昇等があらわれた場合には悪性症候群の症状である可能性があるため、再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。(「2.重要な基本的注意(4)」の項参照)
肝機能障害(頻度不明*)
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTP上昇等の肝機能障害があらわれることがあるので、このような場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
*:自発報告又は海外で認められた副作用のため頻度不明。
5%以上 | 1〜5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 * | |
精神神経系 | 傾眠(10.8%)、ジスキネジア(7.5%) | 頭痛、浮動性めまい、体位性めまい、不眠 | 浮遊感、ジストニア、回転性めまい、幻聴、パーキンソン症状(すくみ足、パーキンソン歩行等)、振戦、意識障害(意識消失、意識レベルの低下等)、悪夢、うつ病、睡眠障害、失神、焦燥、レストレスレッグス症候群、不安、衝動制御障害(病的賭博、強迫性購買、暴食等)、多汗、味覚異常、感覚鈍麻、錯覚、病的性欲亢進、精神症状、強迫性障害 |
嗜眠、異常な夢、痙攣、失見当識、激越 |
消化器 | 悪心(22.5%)、嘔吐(7.5%) | 便秘、食欲不振、腹部不快感、口渇 | 腹痛、下痢、消化不良、胃潰瘍、胃炎、胃腸炎、口内炎、口腔内不快感、口内乾燥、逆流性食道炎 | |
循環器 | 起立性低血圧 | 動悸、心房細動、上室性頻脈、高血圧、低血圧 | ||
呼吸器 | 呼吸困難、咽喉頭障害(疼痛、不快感等)、咳、しゃっくり | |||
血液 | 貧血、白血球数減少、白血球数増多、赤血球数減少 | |||
泌尿器 | 尿潜血、排尿困難 | |||
過敏症 | 発疹 |
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血管浮腫(顔面浮腫、眼瞼浮腫等) | |
眼 | 視覚異常、眼のチカチカ | 霧視 | ||
腎臓 | BUN上昇、尿糖 | |||
代謝 | 血糖上昇、低カリウム血症、低ナトリウム血症 | |||
筋・骨格系 | CK(CPK)上昇 | 姿勢異常、斜頚、筋骨格硬直、筋骨格痛、背部痛、四肢痛、頚部痛、筋痙縮、関節痛 | ||
適用部位 注) | 適用部位反応(49.4%) | 適用部位 |
適用部位変色、適用部位水疱、適用部位刺激感、適用部位びらん、適用部位発疹、適用部位浮腫 | |
その他 | 倦怠感、末梢性浮腫、体重減少 | 疲労、無力症、発熱、熱感、ほてり、冷汗、転倒、耳鳴、耳痛、不正出血、不規則月経、勃起障害、鼻炎、皮膚色素脱失 | 体重増加 |
注)このような場合には貼付部位を変えるなど適切な処置を行うこと。
*:自発報告又は海外で認められた副作用のため頻度不明。
ニュープロパッチ2.25mg 278円/枚
ニュープロパッチ4.5mg 428.4円/枚
ニュープロパッチ9mg 660.1円/枚
ニュープロパッチ13.5mg 850.1円/枚
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使いやすさ
投稿日: 2016/07/21 参考率: 98%(47人/48人)
内科/40代/処方経験あり