前兆のない突発的睡眠及び傾眠等がみられることがあり、また突発的睡眠により自動車事故を起こした例が報告されているので、患者に本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、本剤服用中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。(「重要な基本的注意」及び「副作用」の項参照)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
パーキンソン病
通常、成人にはロピニロールとして1日1回2mgから始め、2週目に4mg/日とする。以後経過観察しながら、必要に応じ、2mg/日ずつ1週間以上の間隔で増量する。いずれの投与量の場合も1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、ロピニロールとして1日量16mgを超えないこととする。
突発的睡眠により自動車事故を起こした例が報告されていることから、患者には突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。なお、海外において突発的睡眠を起こした症例の中には、傾眠や過度の眠気のような前兆を認めなかった例あるいは投与開始後1年以上経過した後に初めて発現した例も報告されている。(「副作用」の項参照)
起立性低血圧がみられることがあるので、本剤の投与は少量から始め、めまい、立ちくらみ、ふらつき等の起立性低血圧の徴候や症状が認められた場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
本剤を他の抗パーキンソン剤と併用した場合、ジスキネジー、幻覚、錯乱等の副作用が発現しやすくなる可能性があるため、これらの副作用があらわれた場合には減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。(「副作用」の項参照)
本剤の減量、中止が必要な場合は、漸減すること。[急激な減量又は中止により、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック症状等の悪性症候群があらわれることがある。(「副作用」の項参照)]
レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること。
本剤は24時間かけて有効成分を放出し、溶解するよう設計されているので、腸切除の既往、人工肛門造設術、下痢等の影響で、本剤の消化管内滞留時間が短くなったと考えられる場合、又は糞便中に本剤の残留物が確認された場合には、本剤の効果が十分に得られないおそれがある。
本剤の有効成分は速放錠である「レキップ錠0.25mg、同1mg、同2mg」と同一であるが、用法・用量が異なることに注意すること。また、レキップ錠(速放錠)から本剤へ切り替える場合には、翌日から切り替え可能であるが、十分に患者の状態を観察すること。切り替えに際しては、「臨床成績」の項を参考に用量を選択すること。
幻覚、妄想等の精神症状又はそれらの既往のある患者[症状が増悪又は発現しやすくなることがある。]
重篤な心疾患又はその既往歴のある患者[本剤は薬理作用から心拍数低下を起こす可能性がある。]
低血圧症の患者[症状が悪化することがある。]
重度の腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/分未満)のある患者[本剤は主として腎臓で排泄される。また、これらの患者での使用経験はなく安全性は確立されていない。なお、血液透析を受けている患者に対して、透析による用量調節の必要性はない。]
肝障害のある患者[本剤は主として肝臓で代謝される。また、これらの患者での使用経験はなく安全性は確立されていない。重度の肝障害のある患者では、維持用量が決定するまではより低用量の用量調節が可能な速放錠である「レキップ錠0.25mg、同1mg、同2mg」を用いることも考慮すること。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
徴候・症状
本剤の過量投与によりドパミン作用に関連する症状の発現が予想される。
処置
適宜、胃洗浄等行い、必要に応じて、適切な対症療法を行うこと。ドパミン拮抗薬(抗精神病薬、メトクロプラミド等)投与により症状が軽減することがある。
なお、血液透析による除去の効果については不明である。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
服用時
本剤は徐放性製剤であるため、噛んだり、割ったり、砕いたりせずにそのまま服用するよう指導すること。
動物実験(ラット)で1.5〜50mg/kg/日の2年間投与により、精巣Leydig細胞の過形成、腺腫の発生頻度が用量依存的に増加したとの報告がある。なお、マウスではがん原性は認められていない。
本剤は主にCYP1A2により代謝される。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ドパミン拮抗剤 抗精神病薬メトクロプラミドスルピリド等 | 本剤の作用が減弱することがある。 | 本剤はドパミン作動薬であり、併用により両薬剤の作用が拮抗するおそれがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP1A2阻害作用を有する薬剤 シプロフロキサシンエノキサシンフルボキサミン等 | ロピニロール速放錠とシプロフロキサシンとの併用によりロピニロールのCmax及びAUCがそれぞれ約60%及び84%増加したことが報告されている。本剤投与中にこれらの薬剤を投与開始又は中止する場合は、必要に応じて本剤の用量を調整すること。 | これらの薬剤のCYP1A2阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
エストロゲン含有製剤 | 高用量のエストロゲンを投与した患者でロピニロールの血中濃度上昇がみられたとの報告があるので、本剤投与中に高用量のエストロゲンを投与開始又は中止する場合は、必要に応じて本剤の用量を調整すること。 | 機序不明 |
国内臨床試験において、本剤が投与された336例中194例(57.7%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、傾眠51例(15.2%)、幻覚46例(13.7%)、悪心40例(11.9%)であった(承認時)。
突発的睡眠、極度の傾眠
前兆のない突発的睡眠(1.8%)、極度の傾眠(頻度不明注))があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
幻覚、妄想、興奮、錯乱、譫妄
幻覚(13.7%)、妄想、興奮、錯乱(頻度不明注))、譫妄(0.6%)等の精神症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
悪性症候群(0.3%)
本剤の投与後、減量後又は中止後に、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック症状等があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には、投与開始初期の場合は中止し、また、継続投与中の用量変更・中止時の場合は一旦もとの投与量に戻した後慎重に漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。なお、投与継続中にも同様の症状があらわれることがある。
注)自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。
次のような症状があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5%以上 | 5%未満 | 頻度不明 注) | |
過敏症 | 発疹、 |
蕁麻疹、血管浮腫等 | |
精神系 | リビドー亢進 | 病的賭博、強迫性購買、暴食、攻撃性 | |
神経系 | 傾眠、ジスキネジー | めまい | 失神 |
血管障害 | 起立性低血圧 | 低血圧 | |
胃腸障害 | 悪心、便秘 | 腹痛、嘔吐、消化不良 | |
その他 | 末梢性浮腫 |
注)自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。
レキップCR錠2mg 93.8円/錠
レキップCR錠8mg 301.4円/錠
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副作用の重篤度
投稿日: 2014/12/26 参考率: 100%(2人/2人)
内科/50代/処方経験あり