本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
心原性ショックの患者[血圧低下により症状が悪化するおそれがある.]
イトラコナゾール,ミコナゾールを投与中の患者[「相互作用」(1)の項参照]
高血圧症,腎実質性高血圧症,腎血管性高血圧症
狭心症,異型狭心症
高血圧症,腎実質性高血圧症,腎血管性高血圧症
通常,成人にはニソルジピンとして5〜10mgを1日1回経口投与する.
狭心症,異型狭心症
通常,成人にはニソルジピンとして10mgを1日1回経口投与する.症状に応じ適宜増減する.
カルシウム拮抗剤の投与を急に中止したとき,症状が悪化した症例が報告されているので,本剤の休薬を要する場合は徐々に減量し,観察を十分に行うこと.また患者に医師の指示なしに服薬を中止しないように注意すること.
降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので,高所作業,自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること.
過度に血圧の低い患者[更に血圧が低下するおそれがある.]
重篤な肝機能障害のある患者[血中濃度が上昇することがある.また類薬(ニフェジピン)で,門脈圧が上昇するおそれのあることが報告されている.]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
徴候と症状
過量投与に関する情報は少ないが,主要な臨床症状として過度の血圧低下等が引き起こされる可能性がある.また肝機能障害があると症状が遷延することがある.
処置
本剤の急性中毒に対しては,通常,胃洗浄若しくは催吐,下剤及び活性炭の投与などの初期治療を行う.心電図や呼吸機能等のモニターを行いながら,下肢の挙上,また必要に応じて輸液,カルシウムの静注,昇圧剤の投与など積極的な支持・対症療法を行う.なお,蛋白結合率が高いので,強制利尿,血液透析等は本剤の除去にはそれほど有用ではないと考えられる.
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.[PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている.]
シサプリドとの併用により,類薬(ニフェジピン)の血中濃度が上昇したとの報告がある.
本剤は主にチトクロームP450 3A4(CYP3A4)により代謝される.
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
イトラコナゾールイトリゾール等ミコナゾールフロリード等 | これらの薬剤との併用により,本剤の血中濃度が上昇し,本剤の作用が増強されるおそれがある. | これらの薬剤が,CYP3A4を阻害し,本剤の初回通過効果及びクリアランスを低下させるためと考えられている. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
他の降圧剤レセルピン,メチルドパ水和物,プラゾシン塩酸塩等 | 相互に血圧低下作用を増強することがある.患者の状態を注意深く観察し,過度の血圧低下が認められた場合,本剤又は他の降圧剤を減量若しくは中止するなど適切な処置を行う. | 薬理学的な相加・相乗作用によるものと考えられている. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
β遮断剤アテノロール,アセブトロール塩酸塩,プロプラノロール塩酸塩等 | 相互に作用を増強することがある.患者の状態を注意深く観察し,過度の血圧低下や心不全等の症状が認められた場合,本剤又はβ遮断剤を減量若しくは中止するなど適切な処置を行う. | 薬理学的な相加・相乗作用によるものと考えられている. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ジゴキシン | ジゴキシンの血中濃度が上昇することがある.ジゴキシン中毒症状(悪心・嘔吐,頭痛,視覚異常,不整脈等)が認められた場合,症状に応じジゴキシンの用量を調節又は本剤の投与を中止するなど適切な処置を行う. | 機序は完全には解明されていないが,ジゴキシンの腎及び腎外クリアランスが減少するためと考えられている. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
シメチジン | 本剤の血中濃度が上昇し,作用が増強されることがある.患者の状態を注意深く観察し,過度の血圧低下や頻脈等の症状が認められた場合,本剤を減量又はシメチジンの投与を中止するなど適切な処置を行う. | シメチジンが肝血流量を低下させ,肝薬物代謝酵素を抑制する一方で,胃酸を低下させ,本剤の吸収を増加させるためと考えられている. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
リファンピシンフェニトインカルバマゼピン | 本剤の有効血中濃度が得られず,作用が減弱することがある.患者の状態を注意深く観察し,血圧上昇や狭心症発作の悪化等の症状が認められた場合,他剤への変更又はリファンピシン,フェニトイン,カルバマゼピンの投与を中止するなど適切な処置を行う. | リファンピシン,フェニトイン,カルバマゼピンにより誘導された肝薬物代謝酵素(チトクロームP450)が本剤の代謝を促進し,クリアランスを上昇させるためと考えられている. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ジルチアゼム | 類薬(ニフェジピン)の血中濃度が上昇することが報告されている.患者の状態を注意深く観察し,過度の血圧低下等の症状が認められた場合,本剤を減量又はジルチアゼムの投与を中止するなど適切な処置を行う. | 発現機序の詳細は不明であるが,ジルチアゼムがニフェジピンの肝薬物代謝酵素(チトクロームP450)を抑制し,クリアランスを低下させるためと考えられている. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
HIVプロテアーゼ阻害剤サキナビル,リトナビル等 | 本剤のAUCが上昇することが予想される.患者の状態を注意深く観察し,過度の血圧低下等の症状が認められた場合,本剤を減量するなど適切な処置を行う. | 発現機序の詳細は不明であるが,本剤とこれらの肝薬物代謝酵素(CYP3A4)が同じであるため,競合的に拮抗し,本剤の代謝が阻害される可能性があると考えられている. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
キヌプリスチン・ダルホプリスチン | 本剤の血中濃度が上昇し,作用が増強されるおそれがある.患者の状態を注意深く観察し,過度の血圧低下等の症状が認められた場合,本剤を減量するなど適切な処置を行う. | キヌプリスチン・ダルホプリスチンが,CYP3A4を阻害し,本剤のクリアランスを低下させるためと考えられている. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
フルコナゾールホスフルコナゾール | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがある. | これらの薬剤が,CYP3A4を阻害し,本剤の初回通過効果及びクリアランスを低下させるためと考えられている. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
グレープフルーツジュース | 本剤の血中濃度が上昇し,作用が増強されることがある.患者の状態を注意深く観察し,過度の血圧低下等の症状が認められた場合,本剤を減量するなど適切な処置を行う.なお,グレープフルーツジュースを常飲している場合,飲用中止4日目から投与することが望ましい. | グレープフルーツジュースに含まれる成分が本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害し,初回通過効果を減弱させるためと考えられる. |
承認時及び使用成績調査での調査症例10,508例中684例(6.51%)に副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が認められ,主な副作用は顔面潮紅139例(1.32%),頭痛101件(0.96%)であった.(再審査終了時)
(0.1%未満)
類薬(ニフェジピン)で,次のような副作用があらわれることがある.このような副作用があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
以下のような副作用があらわれた場合には,症状に応じ適切な処置を行うこと.太字の副作用については投与を中止すること.
0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | |
肝臓 | AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,Al-P上昇,LDH上昇,γ-GTP上昇等 | |
腎臓 | BUN上昇,クレアチニン上昇等 | |
血液 | ヘモグロビン減少等 | 赤血球減少,ヘマトクリット値減少等 |
循環器 | 顔面潮紅,のぼせ,熱感,動悸,浮腫,血圧低下,頻脈,潮紅等 | 胸部痛等 |
精神神経系 | 頭痛,めまい,倦怠感等 | しびれ感,肩こり,耳鳴,眠気,不眠,脱力感等 |
消化器 | 悪心・嘔吐等 | 腹痛,便秘等 |
過敏症 |
発疹, |
|
口腔 | 歯肉肥厚(類薬)等 | |
その他 | 尿酸上昇,CK(CPK)上昇 | 女性化乳房,頻尿,眼球充血 |
バイミカード錠5mg 25.4円/錠
バイミカード錠10mg 47.5円/錠
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