本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
○慢性特発性血小板減少性紫斑病
○再生不良性貧血
<慢性特発性血小板減少性紫斑病>
通常、成人
<再生不良性貧血>
抗胸腺細胞免疫グロブリンで未治療の場合
抗胸腺細胞免疫グロブリンとの併用において、通常、成人及び12歳以上の小児には、エルトロンボパグとして75mgを1日1回、6歳以上12歳未満の小児には、エルトロンボパグとして37.5mgを1日1回、食事の前後2時間を避けて空腹時に経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。
既存治療で効果不十分な場合
通常、成人には、エルトロンボパグとして初回投与量25mgを1日1回、食事の前後2時間を避けて空腹時に経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。また、1日最大投与量は100mgとする。
<効能共通>
8.1 本剤は、血液疾患の治療に十分な経験を持つ医師のもとで使用すること。
8.2 本剤の投与により肝機能障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び用量調節時は2週間毎、用量の変更がなければ1ヵ月毎に肝機能検査(AST、ALT、ビリルビン等)を実施すること。[11.1.1参照]
8.3 血小板数が正常範囲以下であっても血栓塞栓症が認められているため、血小板数にかかわらず血栓塞栓症の発現に注意すること。また、血小板数が正常範囲を超えると、血栓塞栓症のリスクが増加する可能性があるので、観察を十分に行い、血小板数が治療の目標とするレベルを超えた場合には、本剤の減量又は休薬を考慮する等注意すること。[11.1.2参照]
8.4 本剤の投与中止後2週間以内に血小板数が投与開始前の値まで低下し、出血を生じることがあるので、本剤の投与中止後4週間程度は頻回に血小板数を測定すること。[11.1.3参照]
8.5 本剤を含むトロンボポエチン受容体作動薬には、骨髄のレチクリン線維の形成及び線維化を進行させる可能性があるので、本剤の投与開始前には末梢血塗抹標本検査を行い、細胞の形態学的異常を確認すること。また、本剤の投与中は、毎月白血球分画を含む全血球計算を検査し、未熟細胞又は異型細胞が観察された場合には、末梢血塗抹標本検査を行い、形態学的異常(涙滴赤血球、有核赤血球、未熟白血球等)の発現を確認し、血球減少の有無も確認すること。これらの異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、骨髄生検(染色による骨髄線維化の評価等)の実施を考慮すること。[11.1.4参照]
8.6 トロンボポエチン受容体作動薬には、既存の骨髄異形成症候群等の血液悪性腫瘍を進行させる可能性がある。
8.7 げっ歯類を用いた毒性試験において、白内障がみられた。また、臨床試験において白内障が報告されているので、白内障に対する眼科的な検査を定期的に行うことが望ましい。
<再生不良性貧血>
8.8 重症再生不良性貧血患者を対象とした海外臨床試験において、本剤投与後に染色体異常が認められた例や骨髄異形成症候群及び急性骨髄性白血病への移行例が報告されている。再生不良性貧血患者への本剤の投与中は、定期的に白血球分画を含む全血球計算及び末梢血塗抹標本検査を行い、幼若細胞や形態学的異常の発現を確認し、血球減少の有無も確認すること。これらの異常が認められた場合には、骨髄検査(染色体異常の評価を含む)の実施を考慮し、本剤の投与継続の可否を判断すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 アンチトロンビンIII欠損、抗リン脂質抗体症候群等の血栓塞栓症の素因のある患者
血栓塞栓症があらわれるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
血小板数の推移に加えて安全性についても慎重に観察すること。腎機能障害患者を対象に有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害が悪化するおそれがある。また、血中濃度−時間曲線下面積(AUC)が増加する可能性がある。[16.6.2参照]
9.4 生殖能を有する者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。胎児の血小板への影響は不明である。動物試験(ラット)において母体毒性用量で胚致死、胎児体重の低値及び低頻度の頸肋(変異)の増加が報告されている。[9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で乳汁中への移行が示唆されている。
9.7 小児等
<慢性特発性血小板減少性紫斑病>
9.7.1
<再生不良性貧血>
9.7.2 免疫抑制療法で未治療の低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。既存治療で効果不十分の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。[17.1.6参照]
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら注意して投与すること。一般に生理機能が低下している。
13.1 症状
本剤5,000mgを過量投与した症例では、軽度の発疹、一過性の徐脈、疲労、AST及びALT上昇が報告され、血小板数は929,000/μLまで増加した。
13.2 処置
吸収を抑えるために、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム等の多価陽イオンを含有する製剤の経口投与を考慮すること。また、血小板数の検査を頻回に行い、患者の状態を十分に観察すること。
14.2 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
本剤はヒト及びチンパンジー以外のトロンボポエチン受容体に対し親和性をもたず、ヒト及びチンパンジー以外の動物に対して薬理活性を示さない。このため毒性試験において、薬理活性に付随する影響は評価されていない。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ロスバスタチン[16.7.2参照] | ロスバスタチンの血中濃度が上昇したとの報告がある。ロスバスタチンの減量を考慮し、患者の状態を慎重に観察すること。 | 本剤がOATP1B1及びBCRPを阻害する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 制酸剤乳製品多価陽イオン(鉄、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、セレン、亜鉛等)含有製剤等[7.2、16.2.1、16.7.1参照] | 同時に服用すると本剤の吸収が著しく妨げられることがあるので、本剤投与の前4時間及び後2時間はこれらの摂取を避けること。 | 本剤はこれら多価陽イオンと錯体を形成する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ロピナビル・リトナビル配合剤[16.7.3参照] | 本剤のAUCが減少したとの報告があるので、ロピナビル・リトナビル配合剤と併用する場合には、注意すること。 | 機序は不明であるが、ロピナビル・リトナビル配合剤が本剤の代謝酵素を誘導する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シクロスポリン[16.7.4参照] | 本剤のAUC及びCmaxが減少したとの報告がある。また、本剤の血中濃度が高値を示したとの報告がある。シクロスポリンと併用する場合には、注意すること。 | 機序は不明である。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 肝機能障害
AST(3.3%)、ALT(16.7%)、ALP(5.6%)、ビリルビン(25.6%)の増加等があらわれることがある。[8.2参照]
11.1.2 血栓塞栓症
肺塞栓症(頻度不明)、深部静脈血栓症(頻度不明)、一過性脳虚血発作(1.1%)、心筋梗塞(頻度不明)、虚血性脳卒中(頻度不明)等があらわれることがある。[8.3参照]
11.1.3 出血(頻度不明)[8.4参照]
11.1.4 骨髄線維化(頻度不明)[8.5参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%未満 | 頻度不明 | |
| 消化器 | 悪心、腹痛、嘔吐 | 下痢、口内乾燥 |
| 皮膚 | 発疹、皮膚変色 | 脱毛症 |
| 筋骨格 | 筋肉痛、四肢痛 | 背部痛、筋骨格系胸痛、筋骨格痛 |
| 感染症 | − | 咽頭炎、尿路感染 |
| その他 | 頭痛、疲労、浮動性めまい、血小板数増加、低カリウム血症、白内障 | − |
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