末梢血管障害、閉塞性血管障害のある患者[エルゴタミンの血管収縮作用により症状を悪化させるおそれがある。]
狭心症の患者[心電図の変化や、狭心症の発作を引き起こすおそれがある。]
冠動脈硬化症の患者[血管痙攣により狭心症や心筋梗塞を起こすおそれがある。]
コントロール不十分な高血圧症、ショック、側頭動脈炎のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
肝又は腎機能障害のある患者[9.2、9.3参照]
敗血症患者[血管に対する作用への感受性が増大し、感染を伴う壊疽が発症するおそれがある。]
妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5.1、9.5.2参照]
授乳婦[9.6参照]
本剤、麦角アルカロイド(エルゴタミン等)又はピラゾロン系薬剤(スルピリン、アミノピリン等)に対し過敏症の既往歴のある患者
心エコー検査により、心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が確認された患者及びその既往のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル含有製剤、ホスアンプレナビル、アタザナビル、ダルナビル)、エファビレンツ、コビシスタット
、マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン、ジョサマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン)、アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール、ミコナゾール、フルコナゾール、ホスフルコナゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール)、レテルモビル、エンシトレルビル
、5-HT
1B/1D受容体作動薬(スマトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、リザトリプタン、ナラトリプタン)、麦角アルカロイド(エルゴメトリン、メチルエルゴメトリン)を投与中の患者[10.1参照]
血管性頭痛、片頭痛、緊張性頭痛
<クリアミン配合錠A1.0>
通常成人、1回1錠を1日2〜3回経口投与する。頭痛発作の前兆がある場合は1〜2錠を頓用する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。ただし、1週間に最高10錠までとする。
過敏症状等を予測するため十分な問診を行うこと。
原則として、長期投与を避けること。
めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の作業に注意させること。
エルゴタミンの血管収縮作用を増強するおそれがあるので過度の喫煙を避けさせること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心臓障害のある患者
血管痙攣により狭心症様の胸内痛及び窮迫、一過性洞頻脈が起こるおそれがある。
9.1.2 血液障害(貧血、白血球減少等)のある患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.3 緑内障の患者
カフェインの眼圧上昇作用により、症状を悪化させるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
代謝障害により麦角中毒を起こすおそれがある。[2.5参照]
9.3 肝機能障害患者
代謝障害により麦角中毒を起こすおそれがある。[2.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。エルゴタミン酒石酸塩には子宮収縮作用及び胎盤、臍帯における血管収縮作用がある。[2.7参照]
イソプロピルアンチピリンを妊娠末期のラットに投与した実験で、弱い胎仔の動脈管収縮が報告されている。[2.7参照]
9.6 授乳婦
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。ヒト母乳中へ移行することがある。[2.8参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
本剤は血管収縮作用を有しており、過度の血管収縮は好ましくないと考えられる。
13.1 症状
悪心、嘔吐、傾眠、昏迷、錯乱、頻脈、めまい、呼吸抑制、高血圧又は低血圧、痙攣、ショック、昏睡、麦角中毒症状(四肢のしびれ感、ピリピリ感及び痛み、チアノーゼ、脈の消失等。処置がなされず進行すると壊疽を起こすおそれがある。また、腎血流障害による腎機能障害、脳血流障害による意識障害、麻痺等を伴うこともある。)。
13.2 処置
末梢血管の攣縮には加温し、虚血状態の四肢を保護する。血管拡張剤投与は有効であるが、すでに低血圧のある患者には悪化しないよう慎重に投与すること。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.1 臨床使用に基づく情報
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある。
本剤に含まれるエルゴタミンは主に代謝酵素CYP3A4で代謝されるので、本酵素の阻害作用を有する薬剤との併用に注意すること。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
HIVプロテアーゼ阻害剤リトナビル含有製剤(ノービア、カレトラ、パキロビッド)、ホスアンプレナビル(レクシヴァ)、アタザナビル(レイアタッツ)、ダルナビル(プリジスタ)エファビレンツ(ストックリン)コビシスタット含有製剤(ゲンボイヤ等)マクロライド系抗生物質エリスロマイシン(エリスロシン)、ジョサマイシン(ジョサマイシン)、クラリスロマイシン(クラリシッド等)、ロキシスロマイシン(ルリッド)アゾール系抗真菌薬イトラコナゾール(イトリゾール)、ミコナゾール(フロリード等)、フルコナゾール(ジフルカン)、ホスフルコナゾール(プロジフ)、ボリコナゾール(ブイフェンド)、ポサコナゾール(ノクサフィル)レテルモビル(プレバイミス)エンシトレルビル(ゾコーバ)レナカパビル(シュンレンカ)ロナファルニブ(ゾキンヴィ)[2.11参照] | エルゴタミンの血中濃度が上昇し、血管攣縮等の重篤な副作用を起こすおそれがある。 | これらの薬剤がCYP3A4を阻害することにより、エルゴタミンの代謝が阻害される。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
5-HT1B/1D受容体作動薬スマトリプタン(イミグラン)、ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)、エレトリプタン(レルパックス)、リザトリプタン(マクサルト)、ナラトリプタン(アマージ)麦角アルカロイドエルゴメトリン、メチルエルゴメトリン(パルタンM)[2.11参照] | 血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。なお、5-HT1B/1D受容体作動薬と本剤を前後して投与する場合は24時間以上の間隔をあけて投与すること。 | これらの薬剤との薬理的な相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アデノシン(アデノスキャン)[2.12参照] | 本剤によりアデノシンによる冠血流速度の増加及び冠血管抵抗の減少を抑制し、虚血診断に影響を及ぼすことがある。アデノシン(アデノスキャン)を投与する場合は12時間以上の間隔をあけること。 | 本剤はアデノシン受容体に拮抗するため、アデノシンの作用を減弱させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ダサチニブアミオダロン | 本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 | これら薬剤のCYP3A4阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
スチリペントール | 本剤の血中濃度が上昇し、麦角中毒を引き起こすおそれがある。 | スチリペントールはCYP3A4を阻害する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
β-遮断剤プロプラノロール等 | エルゴタミンの末梢血管収縮作用が強くあらわれることがある。 | β-遮断剤との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)が増強される。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アドレナリンノルアドレナリンフェニレフリン | これら薬剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 | 本剤の血管平滑筋収縮作用により、血圧上昇作用を増強すると考えられている。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
エチレフリン | 血圧の異常上昇をきたすことがあるので、そのような場合はクロルプロマジンの静注を行う。 | エチレフリンの昇圧作用と本剤の末梢血管収縮作用により血圧が上昇する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ドロキシドパ | ドロキシドパの作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 | 相加的に作用(末梢血管収縮作用)を増強させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ブロモクリプチン | 血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれるおそれがある。 | 機序は明確ではないが、ブロモクリプチンはエルゴタミンの血管収縮作用、血圧上昇作用等に影響を及ぼすと考えられる。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)
脈拍の異常、呼吸困難、顔面蒼白、血圧低下等のショック症状があらわれることがある。
(頻度不明)
、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
11.1.3 麦角中毒(頻度不明)
血管攣縮、動脈内膜炎、チアノーゼ、壊疽等の麦角中毒症状を起こすことがあるので、四肢のしびれ感、ピリピリ感及び痛み、脈の消失等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、腎血流障害による腎機能障害、脳血流障害による意識障害、麻痺等を伴うこともある。(特に長期又は大量投与によりあらわれることがある。)
11.1.4 エルゴタミン誘発性の頭痛(頻度不明)、頭痛を主訴とする禁断症状(頻度不明)
長期連用によりエルゴタミン誘発性の頭痛があらわれることがあり、また、投与を急に中止すると、頭痛を主訴とする禁断症状があらわれることがある。
11.1.5 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)
AST、ALT等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.6 心筋虚血(頻度不明)、心筋梗塞(頻度不明)
心筋虚血、心筋梗塞を起こすことがあるので、前胸痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.7 線維症(頻度不明)
長期連用により、胸膜、後腹膜又は心臓弁の線維症があらわれたとの報告がある。
注)発現頻度は使用成績調査を含む。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5%以上 | 0.1〜5%未満 | 頻度不明 | |
過敏症 | 発疹 | 局所性浮腫、そう痒感、蕁麻疹、呼吸困難 | |
血液 | 顆粒球減少、血小板減少、貧血 | ||
腎臓 | 腎障害 | ||
消化器 | 食欲不振 | 悪心、嘔吐、下痢、腹痛 | |
循環器 | 心悸亢進、徐脈、頻脈、胸部不快感、血圧上昇 | ||
精神神経系 | 不眠、めまい、眠気 | 不安、振戦、頭痛、眩暈 | |
運動器 | 知覚異常(四肢のしびれ感、ピリピリ感) | 四肢筋痛、四肢脱力感 | |
その他 | 倦怠感 | 瞳孔縮小又は拡大 |
注)発現頻度は使用成績調査を含む。
クリアミン配合錠A1.0 12.9円/錠
クリアミン配合錠S0.5 9.5円/錠
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副作用の重篤度
投稿日: 2015/02/22 参考率: 100%(1人/1人)
外科/60代/処方経験あり