サインバルタカプセル20mg 他

セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤

3.7(121件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 デュロキセチン塩酸塩
製造/販売 塩野義製薬
剤形/規格
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禁忌

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 2.2 モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者[10.1参照]

  • 2.3 高度の肝機能障害のある患者[9.3.1参照]

  • 2.4 高度の腎機能障害のある患者[9.2.1、16.6.1参照]

  • 2.5 コントロール不良の閉塞隅角緑内障の患者[症状が悪化することがある。]

効能・効果

  • ○うつ病・うつ状態

  • ○下記疾患に伴う疼痛

    • 糖尿病性神経障害

    • 線維筋痛症

    • 慢性腰痛症

    • 変形性関節症

用法・容量

  • <うつ病・うつ状態、糖尿病性神経障害に伴う疼痛>

    • 通常、成人には1日1回朝食後、デュロキセチンとして40mgを経口投与する。投与は1日20mgより開始し、1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。
      なお、効果不十分な場合には、1日60mgまで増量することができる。

  • <線維筋痛症に伴う疼痛、慢性腰痛症に伴う疼痛、変形性関節症に伴う疼痛>

    • 通常、成人には1日1回朝食後、デュロキセチンとして60mgを経口投与する。投与は1日20mgより開始し、1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。

注意事項

重要な基本的注意

  • <効能共通>

    • 8.1 うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期並びに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。なお、うつ病・うつ状態以外で本剤の適応となる疾患においても自殺企図のおそれがあり、さらにうつ病・うつ状態を伴う場合もあるので、このような患者にも注意深く観察しながら投与すること。[5.1、8.2、8.3、8.4、9.1.5、9.1.6、15.1.1参照]

    • 8.2 不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の精神症状の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。[5.1、8.1、8.3、8.4、9.1.5、9.1.6、9.1.7、9.1.8、15.1.1参照]

    • 8.3 自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。[5.1、8.1、8.2、8.4、9.1.5、9.1.6、15.1.1参照]

    • 8.4 家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患の精神症状の悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うように指導すること。[5.1、8.1、8.2、8.3、9.1.5、9.1.6、9.1.7、9.1.8、15.1.1参照]

    • 8.5 肝機能障害があらわれることがあるので、適宜肝機能検査(AST、ALT、γ-GTP及び総ビリルビン等)を行うとともに、患者の症状を十分に観察すること。[9.3.2、11.1.5、16.6.2参照]

    • 8.6 心拍数増加、血圧上昇、高血圧クリーゼがあらわれることがあるので、適宜、血圧・脈拍数等を測定し、推移等に十分注意すること。[9.1.2、11.1.8参照]

    • 8.7 眠気、めまい等が起こることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること。また、患者に、これらの症状を自覚した場合は自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないよう、指導すること。

    • 8.8 投与中止(特に突然の中止)により、不安、焦燥、興奮、浮動性めまい、錯感覚(電気ショック様感覚を含む)、頭痛、悪心及び筋痛等があらわれることが報告されている。投与を中止する場合には、突然の中止を避け、患者の状態を観察しながら徐々に減量すること。

  • <糖尿病性神経障害に伴う疼痛>

    • 8.9 本剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることから、糖尿病の治療を併せて行うこと。

    • 8.10 本剤の投与により血糖値上昇・HbA1c上昇等、糖尿病が悪化することがあるので、血糖値の推移等を慎重に観察するとともに、必要に応じて糖尿病治療薬の用量調節を行うこと。

  • <慢性腰痛症に伴う疼痛、変形性関節症に伴う疼痛>

    • 8.11 本剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることから、疼痛の原因があればその治療を併せて行い、薬物療法以外の療法も考慮すること。また、患者の状態を十分に観察し、本剤を漫然と投与しないこと。

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 9.1.1 前立腺肥大症等排尿困難のある患者

      • ノルアドレナリン再取り込み阻害作用により症状が悪化することがある。

    • 9.1.2 高血圧又は心疾患のある患者

      • 本剤投与前に適切にコントロールし、定期的に血圧・脈拍数等を測定すること。心拍数増加、血圧上昇、高血圧クリーゼがあらわれることがある。[8.6、11.1.8参照]

    • 9.1.3 緑内障又は眼内圧亢進のある患者

      • 症状が悪化することがある。

    • 9.1.4 過度のアルコール摂取者

      • 肝障害が悪化する可能性がある。[10.2参照]

    • 9.1.5 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者

      • 自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。[5.1、8.1、8.2、8.3、8.4、9.1.6、15.1.1参照]

    • 9.1.6 躁うつ病患者

      • 躁転、自殺企図があらわれることがある。[5.1、8.1、8.2、8.3、8.4、9.1.5、15.1.1参照]

    • 9.1.7 脳の器質的障害又は統合失調症の素因のある患者

      • 精神症状が増悪することがある。[8.2、8.4、9.1.8参照]

    • 9.1.8 衝動性が高い併存障害を有する患者

      • 精神症状が増悪することがある。[8.2、8.4、9.1.7参照]

    • 9.1.9 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者

      • 痙攣を起こすことがある。

    • 9.1.10 出血性疾患の既往歴又は出血性素因のある患者

      • 出血傾向が増強することがある。[10.2参照]

  • 9.2 腎機能障害患者

    • 9.2.1 高度の腎機能障害のある患者

      • 投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇することがある。[2.4、16.6.1参照]

    • 9.2.2 軽度から中等度の腎機能障害のある患者

      • 本剤の血中濃度が上昇することがある。

  • 9.3 肝機能障害患者

    • 9.3.1 高度の肝機能障害のある患者

      • 投与しないこと。肝機能障害が悪化することがある。また、消失半減期が延長し、本剤の血中濃度が上昇することがある。[2.3参照]

    • 9.3.2 軽度から中等度の肝機能障害のある患者

      • 肝機能障害が悪化することがある。また、消失半減期が延長し、本剤の血中濃度が上昇することがある。[8.5、11.1.5、16.6.2参照]

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与すること。妊娠末期にSNRI、SSRIを投与された女性が出産した新生児において、入院期間の延長、呼吸補助、経管栄養を必要とする、離脱症状と同様の症状が出産直後にあらわれたとの報告がある。臨床所見としては、呼吸窮迫、チアノーゼ、無呼吸、発作、体温調節障害、哺乳障害、嘔吐、低血糖症、筋緊張低下、筋緊張亢進、反射亢進、振戦、ぴくつき、易刺激性、持続性の泣きが報告されている。

  • 9.6 授乳婦

    • 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラット及びヒトで乳汁中へ移行することが報告されている。[16.3.1参照]

  • 9.7 小児等

    • 海外で実施された7〜17歳の大うつ病性障害(DSM-IV-TRにおける分類)患者を対象としたプラセボ対照の臨床試験において有効性が確認できなかったとの報告がある。[5.2参照]

    • ※:DSM-IV-TR:American Psychiatric Association(米国精神医学会)のDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders.4th edition,Text Revision(DSM-IV-TR精神疾患の診断・統計マニュアル)

  • 9.8 高齢者

    • 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者では薬物の消失が遅延し、血漿中濃度が上昇することがある。[16.6.3参照]
      また、高齢者においては、以下の点に注意すること。

      • ・低ナトリウム血症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の危険性が高くなることがある。[11.1.3参照]

      • ・めまい等により転倒を起こすことがある。

過量投与

  • 13.1 症状

    • 海外において、本剤3000mgを超える(単剤又は他剤との併用)過量投与が報告されている。過量投与による徴候及び症状は傾眠、昏睡、セロトニン症候群、発作、嘔吐、頻脈であった。

  • 13.2 処置

    • 特異的な解毒剤は知られていない。必要に応じて、活性炭投与等の適切な処置を行なうこと。本剤は分布容積が大きいので、強制利尿、血液潅流、交換輸血はあまり効果的ではない。

適用上の注意

  • 14.1 薬剤交付時の注意

    • 14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

    • 14.1.2 本剤は高温多湿を避けて保存するよう指導すること。

    • 14.1.3 腸溶性コーティングを施しているため、カプセルの内容物を砕いたり、すりつぶしたりしないで服用するよう指導すること。原薬が酸に不安定であり、胃酸で失活することがある。

その他の注意

  • 15.1 臨床使用に基づく情報

    • 15.1.1 海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、本剤を含む複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。[5.1、8.1、8.2、8.3、8.4、9.1.5、9.1.6参照]

    • 15.1.2 主に50歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において、選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び三環系抗うつ剤を含む抗うつ剤を投与された患者で、骨折のリスクが上昇したとの報告がある。

相互作用

相互作用序文

  • 本剤の代謝には主として肝代謝酵素CYP1A2が関与し、CYP2D6も一部寄与している。また、本剤はCYP2D6を競合的に阻害する。

薬物代謝酵素用語

CYP1A2

薬物代謝酵素用語

CYP2D6

併用禁忌

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤セレギリン塩酸塩(エフピー)ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)サフィナミドメシル酸塩(エクフィナ)[2.2参照] 他の抗うつ剤で併用により発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等の症状があらわれたとの報告がある。MAO阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔をおき、また、本剤からMAO阻害剤に切り替えるときは5日間の間隔をおくこと。 主にMAO阻害剤による神経外アミン総量の増加及び抗うつ剤によるモノアミン作動性神経終末におけるアミン再取り込み阻害によると考えられる。

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ピモジド QT延長、心室性不整脈(Torsades de pointesを含む)等の心血管系副作用が発現することがあるので注意すること。 本剤は、ピモジドの肝での酸化的代謝を阻害し、血中濃度を上昇させると考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アルコール[9.1.4参照] 相互に中枢神経抑制作用を増強することがあるので注意すること。また、肝機能が悪化するおそれがある。 アルコールは中枢神経抑制作用を有する。また、過度のアルコール摂取と本剤との併用により、肝機能が悪化することがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
中枢神経抑制剤バルビツール酸誘導体、ロラゼパム等 相互に作用を増強することがあるので、本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。 機序は不明
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー) セロトニン症候群があらわれるおそれがある。 左記薬剤のMAO阻害作用によりセロトニン作用が増強される。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
フルボキサミンマレイン酸塩、シプロフロキサシン、エノキサシン等[16.7.1参照] 本剤の血中濃度が上昇することがあるので、本剤の用量を減量するなど注意して投与すること。 これらの薬剤のCYP1A2阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇することがある。本剤とフルボキサミンとの併用により、本剤の血漿クリアランスが減少したとの報告がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
三環系抗うつ剤アミトリプチリン塩酸塩、ノルトリプチリン塩酸塩、イミプラミン塩酸塩等フェノチアジン系抗精神病剤ペルフェナジン抗不整脈剤プロパフェノン塩酸塩、フレカイニド酢酸塩 これらの薬剤の血中濃度が上昇することがあるので、これらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。 本剤のCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。本剤とCYP2D6基質であるデシプラミンとの併用により、デシプラミンのAUCが増加したとの報告がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
パロキセチン塩酸塩水和物、キニジン硫酸塩水和物等[16.7.1参照] 本剤の血中濃度が上昇することがあるので、本剤の用量を減量するなど注意して投与すること。 これらの薬剤のCYP2D6阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇することがある。本剤とパロキセチンとの併用により、本剤の血漿クリアランスが減少したとの報告がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
セロトニン作用薬炭酸リチウム、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)及び選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、トラマドール塩酸塩、トリプタン系薬剤、L-トリプトファン含有製剤、リネゾリド等セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等[11.1.1参照] 相互にセロトニン作用を増強することによりセロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれることがあるので、本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。 本剤はセロトニン再取り込み阻害作用を有するため、併用により、セロトニン作用が増強することがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
降圧剤クロニジン塩酸塩等 降圧剤の作用を減弱することがあるので、本剤の用量を減量もしくはこれらの薬剤を増量するなど注意して投与すること。 本剤のノルアドレナリン再取り込み阻害作用によると考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アドレナリン、ノルアドレナリン これらの薬剤(特に注射剤)との併用により、心血管作用(血圧上昇等)が増強することがあるので、本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。 本剤はノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有するため、併用により、アドレナリン作用が増強することがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
血漿蛋白との結合率の高い薬剤ワルファリンカリウム等 相互に作用を増強することがあるので、本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。 本剤は血漿蛋白との結合率が高いため、併用により、本剤及びこれらの薬剤の血中遊離濃度が上昇することがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
出血傾向が増強する薬剤非定型抗精神病剤、フェノチアジン系薬剤、三環系抗うつ剤、アスピリン等の非ステロイド系抗炎症剤、ワルファリンカリウム等[9.1.10参照] 出血傾向が増強することがあるので、本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。 SNRI、SSRIとこれらの薬剤との併用により、出血傾向が増強すると考えられる。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、必要に応じて、減量、休薬又は中止するなどの適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 セロトニン症候群(頻度不明)

    • 不安、焦燥、興奮、錯乱、発汗、下痢、発熱、高血圧、固縮、頻脈、ミオクローヌス、自律神経不安定等があらわれることがある。セロトニン作用薬との併用時に発現する可能性が高くなるため、特に注意すること。異常が認められた場合には投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行うこと。[10.2参照]

  • 11.1.2 悪性症候群(頻度不明)

    • 発熱、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗、白血球数増加、血清CK(CPK)上昇等の異常が認められた場合には、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行うこと。また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられ、急性腎障害に至ることがあるので注意すること。

  • 11.1.3 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)

    • 低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。[9.8参照]

  • 11.1.4 痙攣(0.1%未満)、幻覚(頻度不明)

  • 11.1.5 肝機能障害(0.1%未満)、肝炎(頻度不明)、黄疸(頻度不明)

    • AST、ALT、γ-GTP、総ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害、肝炎、黄疸があらわれることがある。[8.5、9.3.2、16.6.2参照]

  • 11.1.6 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)

  • 11.1.7 アナフィラキシー反応(頻度不明)

    • 呼吸困難、痙攣、血管浮腫、蕁麻疹等を伴うアナフィラキシー反応があらわれることがある。

  • 11.1.8 高血圧クリーゼ(頻度不明)[8.6、9.1.2参照]

  • 11.1.9 尿閉(頻度不明)

    • 症状があらわれた場合には投与を中止し、導尿を実施するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、必要に応じて、減量、休薬又は中止するなどの適切な処置を行うこと。

5%以上 1〜5%未満 1%未満 頻度不明
過敏症 発疹、そう痒、蕁麻疹 接触性皮膚炎、光線過敏反応、血管浮腫、皮膚血管炎
全身症状 倦怠感 ほてり、発熱、悪寒、脱水、脱力感
精神神経系 傾眠(24.3%)、頭痛、めまい 不眠、立ちくらみ、しびれ感、振戦、浮遊感 あくび、焦燥感、気分高揚、注意力障害、錐体外路症状、不安、異常夢(悪夢を含む)、頭がぼーっとする、性欲減退、躁病反応、錯感覚、無感情、味覚異常 激越、オーガズム異常、嗜眠、睡眠障害、歯軋り、失見当識、攻撃性、怒り、歩行障害、開口障害、下肢静止不能症候群、異常感
消化器 悪心(22.4%)、食欲減退、口渇(12.8%)、便秘(12.4%)、下痢 腹部痛、嘔吐、腹部膨満感、腹部不快感、消化不良、胃炎 口内炎、歯痛、胃腸炎、咽頭不快感 咽頭炎、咽喉緊張、口臭、嚥下障害、顕微鏡的大腸炎
感覚器 耳鳴 視調節障害、眼乾燥、霧視、耳痛 散瞳、緑内障
循環器 動悸、頻脈、血圧上昇 起立性低血圧、上室性不整脈、失神
肝臓 AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、総ビリルビン上昇、Al-P上昇、LDH上昇
血液 ヘモグロビン減少、赤血球減少、ヘマトクリット減少、鼻出血 異常出血(斑状出血、胃腸出血等)、白血球減少
筋・骨格系 背部痛、関節痛、筋痛、肩こり、筋痙攣 筋緊張
泌尿器・生殖器 排尿困難 性機能異常(月経異常、射精障害、勃起障害等)、排尿障害、血中クレアチニン上昇、BUN上昇、頻尿、尿中アルブミン/クレアチニン比上昇、尿流量減少 多尿、閉経期症状、精巣痛
代謝・内分泌 高血糖、トリグリセリド上昇、総コレステロール上昇、尿中蛋白陽性 血中カリウム減少 甲状腺機能低下、低ナトリウム血症、乳汁漏出症、高プロラクチン血症、血中カリウム上昇
その他 発汗、体重減少、体重増加、CK(CPK)上昇 浮腫、冷感、熱感、呼吸苦、胸痛、冷汗、咳嗽
  • 注:症状があらわれた場合には投与を中止すること。

薬価

サインバルタカプセル20mg 72.8円/カプセル
サインバルタカプセル30mg 93.1円/カプセル

評価サマリー

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効果の強さ

投稿日: 2020/01/04 参考率: 97%(67人/69人)

整形外科/50代/処方経験あり

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