チエナム

カルバペネム系抗生物質製剤

3.33333(1件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 イミペネム水和物 シラスタチンナトリウム
製造/販売 MSD
剤形/規格
  • チエナム点滴静注用...
  • チエナム点滴静注用...
  • チエナム点滴静注用...

薬剤の評価コメントをご覧いただくにはログインが必要です。

はじめてご利用の方は、新規会員登録
すでにm3.comをご利用の方はログインしてご利用ください

禁忌

  • 本剤の成分によるショックの既往歴のある患者

  • バルプロ酸ナトリウム投与中の患者〔本剤との併用により、バルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかんの発作が再発することがある。(「相互作用」の項参照)〕

効能・効果

  • <適応菌種>

    • イミペネムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、アシネトバクター属、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属

  • <適応症>

    • 敗血症、感染性心内膜炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、骨髄炎、関節炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、腹膜炎、胆嚢炎、胆管炎、肝膿瘍、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼内炎(全眼球炎を含む)

用法・容量

  • 通常成人にはイミペネムとして、1日0.5〜1.0g(力価)を2〜3回に分割し、30分以上かけて点滴静脈内注射する。

  • 小児には1日30〜80mg(力価)/kgを3〜4回に分割し、30分以上かけて点滴静脈内注射する。

  • なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、重症・難治性感染症には、成人で1日2g(力価)まで、小児で1日100mg(力価)/kgまで増量することができる。

注意事項

重要な基本的注意

  • 本剤による

    ショック、アナフィラキシー

    の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。

    • 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。

    • 投与に際しては、必ず

      ショック

      等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。

    • 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。

  • 痙攣、呼吸停止、意識障害、呼吸抑制等の中枢神経症状

    があらわれることがある。特に、

    腎障害や中枢神経障害のある患者

    で起こりやすいので、これらの患者に投与するにあたっては減量等を考慮すること。

慎重投与

  • イミペネム/シラスタチンナトリウムに関する注意

    • カルバペネム系、ペニシリン系又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

    • 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者

    • 高度の腎障害を有する患者〔痙攣、意識障害等の中枢神経症状が起こりやすい。〕

    • 高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕

    • 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者〔ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。〕

    • てんかんの既往歴あるいは中枢神経系障害を有する患者〔痙攣、意識障害等の中枢神経症状が起こりやすい。〕

    • 肝障害のある患者〔肝障害が悪化するおそれがある。〕

  • 生理食塩液に関する注意(キット製品では生理食塩液100mLを含有)

    • 心臓、循環器系機能障害のある患者〔循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。〕

    • 腎障害のある患者〔水分、塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。〕

適用上の注意

  • 投与経路

    本剤は点滴静脈内投与にのみ使用すること。

  • 調製方法

    • 本剤の使用にあたっては、完全に溶解したことを確認して使用すること。

    • 溶解後は速やかに使用すること。なお、やむをえず保存を必要とする場合でも室温保存で4時間以内に使用すること。

    • 本剤溶解時、溶液は無色から微黄色澄明を呈するが、色の濃淡は本剤の効力には影響しない。

    • 寒冷期には溶解液を体温程度に温めて使用すること。

その他の注意

  • 本剤投与患者において、イミペネムが分解され、尿が赤褐色を呈することがある。

取扱上の注意

  • キット製品では、下記の点に注意すること。

    • 製品の品質を保持するため、本品を包んでいる外袋は使用時まで開封しないこと。

    • 次の場合には使用しないこと。

      • 外袋が破損しているときや溶解液が漏出しているとき。

      • 隔壁の開通前に抗生物質が溶解しているとき。

      • 抗生物質が変色しているときや、薬剤溶解前に溶解液が着色しているとき。

    • 容器の液目盛りはおよその目安として使用すること。

相互作用

併用禁忌

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
バルプロ酸ナトリウム:デパケン 本剤との併用により、バルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかんの発作が再発することがある。 機序不明

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ガンシクロビル 痙攣の発現が報告されている。 機序不明
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ファロペネムナトリウム ファロペネムナトリウムの血中濃度が上昇するおそれがある。 動物実験(ラット)において、シラスタチンにより代謝酵素(DHP-I)が阻害され、ファロペネムナトリウムの血中濃度が上昇することが報告されている。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 臨床試験(治験)

    • 総症例2,619例中114例(4.35%)、152件の副作用が認められた。その主なものは、発疹25件(0.95%)、下痢27件(1.03%)、嘔気35件(1.34%)、嘔吐14件(0.53%)、食欲不振10件(0.38%)であり、中枢神経系の副作用として痙攣2件(0.08%)が認められた。また、臨床検査値異常は2,592例中295例(11.38%)、509件に認められ、主なものはAST(GOT)上昇131件、ALT(GPT)上昇135件、Al-P上昇43件、好酸球増多53件、血小板増多25件等であった。

  • 使用成績調査(再審査終了時)

    • 総症例11,993例中486例(4.05%)、649件の副作用(副作用と判定された臨床検査値異常を含む)が認められた。その主なものは、発疹57件(0.48%)、発熱13件(0.11%)、下痢22件(0.18%)、嘔気120件(1.00%)、嘔吐53件(0.44%)、食欲不振17件(0.14%)、肝機能異常57件(0.48%)、AST(GOT)上昇33件(0.28%)、ALT(GPT)上昇35件(0.29%)、好酸球増多17件(0.14%)等であった。なお中枢神経系の副作用として痙攣18件(0.15%)、意識障害2件(0.02%)が認められた。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次のような副作用があらわれることがあるので、症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    • 痙攣(0.14%)、呼吸停止(頻度不明)、意識障害(0.1%未満)、意識喪失(頻度不明)、呼吸抑制(頻度不明)、錯乱(頻度不明)、不穏(頻度不明)

      中枢神経症状があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。特に、腎障害や中枢神経障害のある患者に起こりやすいので、投与する場合には注意すること。

    • ショック、アナフィラキシー(ともに頻度不明)

      初期症状として、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗又は呼吸困難、全身潮紅、浮腫等があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。

    • 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)

      (ともに頻度不明)

    • 重篤な肝障害

      劇症肝炎

      (頻度不明)

      、肝炎

      (頻度不明)等の重篤な肝障害

      、肝不全

      (頻度不明)

      、黄疸

      (0.1%未満)があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。

    • 気管支痙攣(0.1%未満)、間質性肺炎(頻度不明)、PIE症候群(頻度不明)

      喘息発作及び誘発等の気管支痙攣、また発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

    • 汎血球減少症(0.1%未満)、骨髄抑制(0.1%未満)、無顆粒球症(頻度不明)、溶血性貧血(頻度不明)

      重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。

    • 急性腎障害、尿崩症(ともに頻度不明)

      重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。

    • 偽膜性大腸炎(0.1%未満)

      血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    • 血栓性静脈炎

      (0.1%未満)

その他の副作用

  • 次のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

頻度不明 0.1〜5%未満 0.1%未満
過敏症 発疹、そう痒、発熱 蕁麻疹、潮紅、紅斑
血液 顆粒球減少、好酸球増多、好塩基球増多、リンパ球増多、血小板減少・増多、赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少
肝臓 AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、尿ウロビリノーゲン上昇
腎臓 乏尿、血尿 BUN上昇 血清クレアチニン上昇、頻尿
消化器 血中アミラーゼ上昇、舌変色 腹痛、下痢、嘔気、嘔吐、食欲不振
精神神経系 幻覚、譫妄、激越、ジスキネジア しびれ感、振戦
菌交代症 口内炎、カンジダ症
ビタミン欠乏症 ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
その他 頭痛、倦怠感、浮腫、胸痛、味覚異常、注射部位の疼痛及び硬結、血清ナトリウム低下、血清カリウム上昇・低下

薬価

チエナム点滴静注用0.25g
チエナム点滴静注用0.5g 1264円/瓶
チエナム点滴静注用キット0.5g 1497円/キット

評価サマリー

もっとも参考になった評価コメント

使いやすさ

投稿日: 2015/03/26 参考率: 100%(1人/1人)

内科/40代/処方経験あり

はじめてご利用の方

m3.comは、医療従事者のみ利用可能な医療
専門サイトです。会員登録は無料です。

新規会員登録

m3.comにご登録済の方

ログイン

{"controller":"medicines","action":"show","id":"6032"} false