エストラーナ

経皮吸収型エストラジオール製剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 エストラジオール
製造/販売 久光製薬
剤形/規格
  • エストラーナテープ...

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禁忌

  • エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者

    [腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]

  • 乳癌の既往歴のある患者
  • 未治療の子宮内膜増殖症のある患者

    [子宮内膜増殖症は細胞異型を伴う場合があるため。]

  • 血栓性静脈炎や肺塞栓症のある患者、又はその既往歴のある患者

    [卵胞ホルモン剤は凝固因子を増加させ、血栓形成傾向を促進するとの報告がある。]

  • 動脈性の血栓塞栓疾患(例えば、冠動脈性心疾患、脳卒中)又はその既往歴のある患者

    (「9.その他の注意」の項参照)

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦

    (「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

  • 重篤な肝障害のある患者

    [代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。]

  • 診断の確定していない異常性器出血のある患者

    [出血が子宮内膜癌による場合は、癌の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]

効能・効果

  • 効能・効果 用法・用量
    更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う下記症状
    血管運動神経症状(Hot flush及び発汗)、泌尿生殖器の萎縮症状
    通常、成人に対しエストラジオールとして0.72mgを下腹部、臀部のいずれかに貼付し、2日毎に貼り替える。
    閉経後骨粗鬆症
    性腺機能低下症、性腺摘出又は原発性卵巣不全による低エストロゲン症 通常、成人に対しエストラジオールとして0.72mgから開始する。下腹部、臀部のいずれかに貼付し、2日毎に貼り替え、症状に応じ増減する。
    小児では、エストラジオールとして0.09mgから開始する。下腹部、臀部のいずれかに貼付し、2日毎に貼り替える。その後、エストラジオールとして0.18mg、エストラジオールとして0.36mg、エストラジオールとして0.72mgへ段階的に増量する。

用法・容量

  • 効能・効果 用法・用量
    更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う下記症状
    血管運動神経症状(Hot flush及び発汗)、泌尿生殖器の萎縮症状
    通常、成人に対しエストラジオールとして0.72mgを下腹部、臀部のいずれかに貼付し、2日毎に貼り替える。
    閉経後骨粗鬆症
    性腺機能低下症、性腺摘出又は原発性卵巣不全による低エストロゲン症 通常、成人に対しエストラジオールとして0.72mgから開始する。下腹部、臀部のいずれかに貼付し、2日毎に貼り替え、症状に応じ増減する。
    小児では、エストラジオールとして0.09mgから開始する。下腹部、臀部のいずれかに貼付し、2日毎に貼り替える。その後、エストラジオールとして0.18mg、エストラジオールとして0.36mg、エストラジオールとして0.72mgへ段階的に増量する。

注意事項

重要な基本的注意

  • 外国において、卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を長期併用した女性では、乳癌になる危険性が対照群の女性と比較して高くなり、その危険性は併用期間が長期になるに従って高くなるとの報告があるので、本剤の使用にあたっては、患者に対し本剤のリスクとベネフィットについて十分な説明を行うとともに必要最小限の使用にとどめ、漫然と長期使用を行わないこと。(「9.その他の注意」の項参照)

  • 使用前に病歴、家族素因等の問診、乳房検診並びに婦人科検診(子宮を有する患者においては子宮内膜細胞診及び超音波検査による子宮内膜厚の測定を含む)を行い、使用開始後は定期的に血圧、乳房検診並びに婦人科検診を行うこと。(「1.慎重投与」の項(1)〜(4)参照)

慎重投与

  • 子宮筋腫のある患者[子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。]

  • 子宮内膜症のある患者[症状が増悪するおそれがある。]

  • 乳癌家族素因が強い患者、乳房結節のある患者、乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者[症状を悪化させるおそれがある。]

  • 高血圧、心疾患、腎疾患のある患者、又はその既往歴のある患者[卵胞ホルモン剤の過量投与では体液貯留をきたし、これらの疾患を悪化させるおそれがある。]

  • 糖尿病患者[耐糖能を低下させるおそれがあるので十分管理を行いながら使用すること。]

  • 片頭痛、てんかんのある患者[症状を悪化させることがあるので、観察を十分に行うこと。]

  • 肝障害のある患者[肝障害を悪化させるおそれがあるので、定期的に肝機能検査を実施するなど観察を十分に行うこと。]

  • 術前又は長期臥床状態の患者[血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険性が高くなることがある。]

  • 全身性エリテマトーデスの患者[症状を悪化させるおそれがある。]

適用上の注意

  • 貼付部位

    • 本剤を背部に貼付した場合、下腹部に比べてエストラジオールの血中濃度が高くなることがある。

    • 衣服との摩擦ではがれるおそれがあるため、ベルトラインを避けること。また、胸部に貼付しないこと。

    • 創傷面又は湿疹・皮膚炎等がみられる部位は避けて貼付すること。

    • 皮膚刺激を避けるため、毎回貼付部位を変えることが望ましい。

  • 貼付時

    • 貼付部位の皮膚を拭い、清潔にしてから本剤を貼付すること。また、貼付部位の水分は十分に取り除くこと。

    • 本剤をハサミ等で切って使用しないこと。

その他の注意

  • 本剤の投与方法としては、連続投与法あるいは周期的投与法(3週間連続貼付し、1週間休薬するなど)がある。

    • [参考]

      • 国内臨床試験での投与方法

        • 下記の投与方法にて、エストラーナテープ0.72mgの更年期障害及び卵巣欠落症状に対する有効性・安全性が認められている。

          • 短期投与(3カ月以内)

            エストラーナテープ0.72mgを2日毎に貼り替え3週間連続貼付し、1週間休薬。

          • 長期投与(6カ月以上)

            エストラーナテープ0.72mgを2日毎に貼り替え3週間連続貼付し、1週間休薬。エストラーナテープ0.72mg貼付期間の後半12日間は黄体ホルモン剤を併用。黄体ホルモン剤は原則として酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)5mg/日を投与。

        • 下記の投与方法にて、エストラーナテープ0.72mgの閉経後骨粗鬆症に対する有効性・安全性が認められている。

          • エストラーナテープ0.72mgを2日毎に貼り替え休薬期間を入れずに連続貼付し、4週間の前半12日間に黄体ホルモン剤を併用。黄体ホルモン剤は原則として酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)5mg/日を投与。

      • その他の投与方法

        上記臨床試験で使用された投与方法の他、下記の投与方法がある。

        • 卵胞ホルモン剤単独投与(休薬なし)

          卵胞ホルモン剤の単独投与で休薬期間を入れず連続的に投与する方法。

        • 卵胞ホルモン剤・黄体ホルモン剤連続投与法

          卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を連続して投与する方法。

  • ホルモン補充療法(HRT)と子宮内膜癌の危険性

    卵胞ホルモン剤を長期間(約1年以上)使用した閉経期以降の女性では、子宮内膜癌になる危険性が対照群の女性と比較して高く、この危険性は、使用期間に相関して上昇し(1〜5年間で2.8倍、10年以上で9.5倍)、黄体ホルモン剤の併用により抑えられる(対照群の女性と比較して0.8倍)との疫学調査の結果が報告されている。

  • HRTと乳癌の危険性

    • 米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験(Women's Health Initiative(WHI)試験)の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、乳癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.24)との報告がある。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、乳癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意差はない(ハザード比:0.80)との報告がある。

    • 英国における疫学調査(Million Women Study(MWS))の結果、卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を併用している女性では、乳癌になる危険性が対照群と比較して有意に高くなり(2.00倍)、この危険性は、併用期間が長期になるに従って高くなる(1年未満:1.45倍、1〜4年:1.74倍、5〜9年:2.17倍、10年以上:2.31倍)との報告がある。

  • HRTと冠動脈性心疾患の危険性

    米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群と比較して高い傾向にあり、特に服用開始1年後では有意に高くなる(ハザード比:1.81)との報告がある。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群と比較して有意差はない(ハザード比:0.91)との報告がある。

  • HRTと脳卒中の危険性

    米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.31)との報告がある。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.37)との報告がある。

  • HRTと認知症の危険性

    米国における65歳以上の閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験(WHI Memory Study(WHIMS))の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、アルツハイマーを含む認知症の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:2.05)との報告がある。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、アルツハイマーを含む認知症の危険性がプラセボ投与群と比較して有意ではないが、高い傾向がみられた(ハザード比:1.49)との報告がある。

  • HRTと卵巣癌の危険性

    • 卵胞ホルモン剤を長期間使用した閉経期以降の女性では、卵巣癌になる危険性が対照群の女性に比較して高くなるとの疫学調査の結果が報告されている。

    • 米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群において、卵巣癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意ではないが、高い傾向がみられた(ハザード比:1.58)との報告がある。

  • HRTと胆嚢疾患の危険性

    米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群において、胆嚢疾患になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.59)との報告がある。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、胆嚢疾患になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.67)との報告がある。

  • 卵胞ホルモン剤投与と乳癌発生との因果関係については未だ明らかではないが、使用期間と相関性があることを示唆する疫学調査の結果が報告されている。

  • 卵胞ホルモン剤の長期投与により、ヒトで肝腫瘍が発生したとの報告がある。

  • 実験動物に卵胞ホルモン剤を皮下投与(埋め込み投与を含む)したとき、マウスにおけるリンパ系腫瘍、ラットの下垂体腺腫及びハムスターにおいては腎腫瘍の発生が報告されている。

取扱上の注意

  • 患者には包装のまま本剤を渡し、使用するときに包装から取り出すように指示すること。

相互作用

相互作用序文

  • 本剤は主に薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP3A4)で代謝されるので、本酵素の活性に影響を及ぼす薬剤と併用する場合には、注意して使用すること。

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リファンピシン抗てんかん剤フェノバルビタールフェニトインカルバマゼピンHIV逆転写酵素阻害剤エファビレンツセイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品ステロイドホルモン 本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。 これらの薬剤等は薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP3A4)を誘導することにより、本剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させる可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
プロテアーゼ阻害剤リトナビルネルフィナビル等 本剤の血中濃度が変化するおそれがある。 これらの薬剤は薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP3A4)を誘導又は阻害する可能性がある。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 更年期障害及び卵巣欠落症状

    更年期障害及び卵巣欠落症状に対する国内臨床試験において、副作用調査対象例数386例中、臨床症状として186例(48.2%)に369件の副作用が認められた。主な副作用の発現頻度は全身性症状として131例(33.9%)207件で、乳房緊満感62件(16.1%)、帯下40件(10.4%)、子宮出血34件(8.8%)等であった。また、局所性の皮膚症状(貼付部位)としては111例(28.8%)162件で、その症状は紅斑、

    そう

    痒等であった。また、本剤貼付によると思われる主な臨床検査値異常は、トリグリセライド上昇2.9%(10件/345例)、総コレステロール上昇1.7%(6件/348例)、LDH上昇1.1%(4件/349例)等であった。(承認時)

  • 閉経後骨粗鬆症

    国内臨床試験において、副作用調査対象例数461例中、臨床症状として248例(53.8%)に481件の副作用が認められた。主な副作用の発現頻度は全身性症状として183例(39.7%)348件で、子宮出血54件(11.7%)、乳房緊満感49件(10.6%)、乳房痛26件(5.6%)等であった。また、局所性の皮膚症状(貼付部位)としては105例(22.8%)133件で、その症状は紅斑、

    そう

    痒等であった。また、本剤貼付によると思われる主な臨床検査値異常は、トリグリセライド上昇4.3%(18件/421例)、ALT(GPT)上昇2.8%(12件/425例)、フィブリノーゲン増加2.5%(10件/403例)、AST(GOT)上昇2.1%(9件/419例)等であった。(承認時)


    製造販売後調査の総症例558例中、副作用が報告されたのは99例(17.7%)108件であった。その主な症状は不正子宮出血69件(12.4%)、乳房痛5件(0.9%)、乳房不快感5件(0.9%)、接触性皮膚炎4件(0.7%)等であった。(再審査終了時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • (頻度不明)

    注1)
  • アナフィラキシー

    • アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 静脈血栓塞栓症、血栓性静脈炎

    • このような症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、下肢の疼痛・浮腫、胸痛、突然の息切れ、急性視力障害等の初期症状が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと。また、患者に対しては、異常が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること。

  • 注1)国内の臨床試験及び使用成績調査では認められず、自発報告あるいは海外において認められている。

その他の副作用

  • 次のような副作用があらわれた場合には使用を中止する等、適切な処置を行うこと。
頻度不明注1) 5%以上 0.1〜5%未満 0.1%未満
皮膚注2) 一次刺激性の接触皮膚炎(紅斑、そう痒等) かぶれ、水疱、色素沈着
生殖器 不正出血、消退出血 帯下、外陰部腫脹感、外陰部そう痒感、子宮内膜増殖
乳房 乳房緊満感 乳房痛、乳頭痛、乳腺症
精神神経系 片頭痛 頭痛、眠気、めまい 不眠
循環器 静脈瘤の悪化 動悸 胸部不快感、血圧上昇
消化器 嘔吐、嘔気、下痢、腹部膨満感、便秘、心窩部痛
電解質代謝 浮腫
過敏症 アレルギー性接触皮膚炎 全身のそう痒、発疹、顔面そう痒、顔面紅斑 蕁麻疹
肝臓 胆石症、胆嚢疾患、胆汁うっ滞性黄疸 肝機能障害(AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDH上昇等)
その他 下肢痛、ポルフィリン症の悪化、喘息の悪化、耳硬化症 腹痛、下腹部痛、関節痛、腰痛、耳鳴、体重の増加、背部痛、倦怠感、トリグリセライド上昇、フィブリノーゲン増加 体重の減少、発熱
  • 注1)国内の臨床試験及び使用成績調査では認められず、自発報告あるいは海外において認められている。

  • 注2)このような症状を避けるため、毎回貼付部位を変えることが望ましい。

  • 同種の薬剤で以下の副作用が報告されている。

    • 電解質代謝

      特に大量継続投与により、ナトリウムや体液の貯留があらわれることが報告されている。

    • 長期連用

      まれに血栓症が起こることが報告されている。

薬価

エストラーナテープ0.72mg 106.2円/枚

評価サマリー

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