バルビツール酸系化合物に対し過敏症の患者
急性間歇性ポルフィリン症の患者[酵素誘導によりポルフィリン合成を促進し、症状を悪化させるおそれがある。]
○不眠症
○麻酔前投薬
○不安緊張状態の鎮静
○持続睡眠療法における睡眠調節
<不眠症>
通常、成人にはペントバルビタールカルシウムとして1回50〜100mgを就寝前に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
<麻酔前投薬>
通常、成人にはペントバルビタールカルシウムとして手術前夜100〜200mg、手術前1〜2時間に100mgを経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
<不安緊張状態の鎮静>
通常、成人にはペントバルビタールカルシウムとして1回25〜50mgを1日2〜3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。[9.1.4、11.1.2参照]
本剤投与中の患者には、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
(1)心障害を有する患者
バルビツール酸系化合物を大量投与した場合、血管拡張作用、心拍出量の減少が知られており、血圧下降が増強されるおそれがある。[13.1参照]
(2)呼吸機能が低下している患者
呼吸中枢抑制作用により、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.2 虚弱者
呼吸抑制を起こすことがある。
9.1.3 脳に器質障害のある患者
中枢作用が増強されるおそれがある。
9.1.4 アルコール中毒、薬物依存の傾向又は既往歴のある患者、重篤な神経症患者
連用により薬物依存が生じやすい。[8.1、11.1.2参照]
9.2 腎機能障害患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。排泄の遅延により副作用発現のおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。代謝の遅延により副作用発現のおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。類薬(フェノバルビタール)で催奇形作用が報告されている。新生児の出血傾向、呼吸抑制等を起こすことがある。また、分娩前に連用しないことが望ましい。出産後新生児に退薬症候(多動、振戦、反射亢進、過緊張等)があらわれることがある。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。母乳中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。小児等では、呼吸抑制が起こることがある。
9.8 高齢者
少量から投与を開始すること。一般に高齢者では、めまい、運動失調、呼吸抑制等の副作用があらわれやすい。
13.1 症状
バルビツレートの急性中毒症状としては、中枢神経系及び呼吸器系の抑制があり、チェーン・ストークス呼吸、瞳孔縮小(重度な中毒時には麻痺性の拡張)、乏尿、頻脈、低血圧、体温低下、昏睡等の症状があらわれるおそれがある。[9.1.1参照]
13.2 処置
呼吸管理には必要により気管内挿管や人工呼吸器の使用を考慮する。
循環管理には乳酸リンゲル等の輸液、改善されない低血圧には塩酸ドパミン等の使用を考慮する。
血液透析、血液灌流が有効であったとの報告もある。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
開封後は湿気を避けて保存すること。
本剤は、厚生労働省令第23号(平成14年3月8日付)及び厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付)に基づき、1回14日分を限度に投薬量の上限が設けられています。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ミトタンオペプリム[2.3参照] | 本剤の睡眠作用が減弱するおそれがある。 | 機序は明確でないが、本剤の睡眠作用が減弱するとの海外報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アルコール | 中枢神経抑制作用(催眠、鎮静、昏睡等)が増強することがある。定期的に臨床症状を観察し、異常があれば本剤を減量するなど適切な処置を行う。 | 相加的に作用(中枢神経抑制作用)を増強させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
抗ヒスタミン剤ジフェンヒドラミンプロメタジン塩酸塩等 | 中枢神経抑制作用(催眠、鎮静、昏睡等)が増強することがある。併用する場合には定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。 | 相加的に作用(中枢神経抑制作用)を増強させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
フェノチアジン系薬剤クロルプロマジンハロペリドール等 | 中枢神経抑制作用(催眠、鎮静、昏睡等)が増強することがある。併用する場合には定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。 | 相加的に作用(中枢神経抑制作用)を増強させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
催眠・鎮静剤アモバルビタールトリクロホスナトリウム等 | 中枢神経抑制作用(催眠、鎮静、昏睡等)が増強することがある。併用する場合には定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。 | 相加的に作用(中枢神経抑制作用)を増強させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
三環系抗うつ剤イミプラミン塩酸塩アミトリプチリン塩酸塩ノルトリプチリン塩酸塩 | 中枢神経抑制作用(催眠、鎮静、昏睡等)が増強することがある。併用する場合には定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。 | 相加的に作用(中枢神経抑制作用)を増強させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
抗不安剤ジアゼパムニトラゼパム | 中枢神経抑制作用(催眠、鎮静、昏睡等)が増強することがある。併用する場合には定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。 | 相加的に作用(中枢神経抑制作用)を増強させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
解熱・鎮痛剤イブプロフェンジクロフェナクナトリウムアセトアミノフェン | 中枢神経抑制作用(催眠、鎮静、昏睡等)が増強することがある。併用する場合には定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。 | 相加的に作用(中枢神経抑制作用)を増強させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
チアジド系薬物シクロペンチアジドトリクロルメチアジド等 | 起立性低血圧があらわれることがある。異常が認められた場合には、本剤を減量するなど適切な処置を行う。 | 機序は不明である。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ジスルフィラム | 起立性低血圧があらわれることがある。異常が認められた場合には、本剤を減量するなど適切な処置を行う。 | ジスルフィラムは本剤の代謝を阻害する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
クラーレ様物質ツボクラリンパンクロニウム | 筋弛緩作用、呼吸抑制作用が増強することがある。異常が認められた場合には、適切な処置を行う。 | 相加的に作用(筋弛緩作用、呼吸抑制作用)を増強させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ワルファリンカリウム | 抗凝血作用が減弱することがある。頻回にプロトロンビン値の測定を行い、ワルファリンカリウムの用量を調節する。 | ワルファリンカリウムの代謝を促進し、半減期を短縮し、クリアランスを増加させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ドキシサイクリン | ドキシサイクリンの抗菌作用が減弱することがある。併用する場合には、用量に注意する。 | ドキシサイクリンの代謝を促進し、半減期を短縮させる。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(頻度不明)
11.1.2 依存性(頻度不明)
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。
また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、不安、せん妄、痙攣、振戦、全身の筋肉・関節痛、呼吸促迫、抑うつ状態等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど、患者の状態を観察しながら行うこと。[8.1、9.1.4参照]
注)発現頻度は再評価の結果を含む。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
0.1〜5%未満 | 頻度不明 | |
過敏症 | 発疹 | |
精神神経系 | 知覚異常、構音障害、精神機能低下、せん妄、昏迷又は運動失調 | |
腎臓 | ヘマトポルフィリン尿、蛋白尿 | |
血液 | 低カルシウム血症又は葉酸代謝異常によると思われる巨赤芽球性貧血 | |
その他 | 頭痛、頭重、めまい、悪心、嘔吐、術中不安、覚醒後の残遺・不快感、眠気、尿閉 | 興奮、倦怠感 |
注)発現頻度は再評価の結果を含む。
ラボナ錠50mg 9.2円/錠
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