本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
プロラクチン分泌性の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)の患者〔抗ドパミン作用によりプロラクチン分泌が促進し、病態を悪化させるおそれがある。〕
褐色細胞腫の疑いのある患者〔急激な昇圧発作を起こすおそれがある。〕
統合失調症
スルピリドとして、通常成人1日300〜600mgを分割経口投与する。
なお年令、症状により適宜増減するが、1日1200mgまで増量することができる。
うつ病・うつ状態
スルピリドとして、通常成人1日150〜300mgを分割経口投与する。
なお年令、症状により適宜増減するが、1日600mgまで増量することができる。
統合失調症
スルピリドとして、通常成人1日300〜600mgを分割経口投与する。
なお年令、症状により適宜増減するが、1日1200mgまで増量することができる。
うつ病・うつ状態
スルピリドとして、通常成人1日150〜300mgを分割経口投与する。
なお年令、症状により適宜増減するが、1日600mgまで増量することができる。
本剤の投与により、内分泌機能異常(プロラクチン値上昇)、錐体外路症状等の副作用があらわれることがあるので、本剤の投与に際しては、有効性と安全性を十分考慮のうえ使用すること。
ときに眠気、めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること。
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。
心・血管疾患、低血圧又はそれらの疑いのある患者〔症状を悪化させるおそれがある。〕
QT延長のある患者〔QT延長が悪化するおそれがある。〕
QT延長を起こしやすい患者〔QT延長が発現するおそれがある。〕
著明な徐脈のある患者
低カリウム血症のある患者 等
腎障害のある患者〔高い血中濃度が持続するおそれがある。〕
パーキンソン病の患者〔錐体外路症状が悪化するおそれがある。〕
脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者〔悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい。〕
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
小児(「小児等への投与」の項参照)
徴候、症状
パーキンソン症候群等の錐体外路症状があらわれる。また、昏睡があらわれることもある。
処置
主として対症療法及び維持療法(輸液等)を行う。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
動物の慢性毒性実験で精巣萎縮を、また、生殖試験において妊娠率の低下を起こすとの報告がある。
ラットで40mg/kg/日以上、また、マウスで600mg/kg/日以上を長期間経口投与した試験において、下垂体、乳腺等での腫瘍発生頻度が対照群に比し高いとの報告がある。
外国で実施された認知症に関連した精神病症状(承認外効能・効果)を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告がある。また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率の上昇に関与するとの報告がある。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
QT延長を起こすことが知られている薬剤イミプラミンピモジド 等 | QT延長、心室性不整脈等の重篤な副作用を起こすおそれがある。 | 本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強するおそれがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ジギタリス剤ジゴキシンジギトキシン 等 | ジギタリス剤飽和時の指標となる悪心・嘔吐、食欲不振症状を不顕性化するおそれがある。 | 本剤の制吐作用による。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ベンザミド系薬剤メトクロプラミドチアプリド 等フェノチアジン系薬剤クロルプロマジン等ブチロフェノン系薬剤ハロペリドール等 | 内分泌機能異常、錐体外路症状が発現しやすくなる。 | これらの薬剤は抗ドパミン作用を有するため、併用により抗ドパミン作用が強くあらわれる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
中枢神経抑制剤バルビツール酸誘導体麻酔剤 等 | 相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。 | ともに中枢神経抑制作用を有する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ドパミン作動薬レボドパ 等 | 相互に作用を減弱させることがある。 | 本剤は抗ドパミン作用を有するため、作用が拮抗する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アルコール(飲酒) | 相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。 | ともに中枢神経抑制作用を有する。 |
総症例17010例中、副作用発現例は2136例で発現頻度は12.6%であった。(副作用頻度報告終了時:1982年4月)
悪性症候群(Syndrome malin)(0.1%未満)
悪性症候群があらわれることがあるので、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡した例が報告されている。
痙攣(0.1%未満)
痙攣があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
QT延長、心室頻拍(0.1%未満)
QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸(0.1%未満)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、ALPの上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
遅発性ジスキネジア(0.1%未満)
長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
無顆粒球症、白血球減少(0.1%未満)
無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肺塞栓症、深部静脈血栓症(0.1%未満)
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。
0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | |
心・血管系 ※1) | 血圧下降 | 心電図異常、血圧上昇、胸内苦悶、頻脈 |
錐体外路症状 ※2) | パーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎等)、ジスキネジア(舌のもつれ、言語障害、頸筋捻転、眼球回転、注視痙攣、嚥下困難等)、アカシジア(静坐不能) | |
内分泌 ※3) | 乳汁分泌、女性化乳房、月経異常、射精不能 | 乳房腫脹、勃起不全 |
精神神経系 | 睡眠障害、不穏、焦燥感、眠気、頭痛、頭重、めまい、浮遊感、興奮、躁転、躁状態、しびれ、運動失調 | 物忘れ、ぼんやり、徘徊、多動、抑制欠如、無欲状態 |
消化器 | 悪心、嘔吐、口渇、便秘、食欲不振、腹部不快感 | 下痢、胸やけ、腹痛、食欲亢進 |
肝臓 | AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP等の上昇 | |
皮膚 ※4) | 発疹 |
|
眼 | 視力障害、眼球冷感・重感、眼のちらつき | |
その他 ※5) | 体重増加、浮腫、脱力感、倦怠感、排尿困難、性欲減退 | 頻尿、腰痛、肩こり、熱感、発熱、発汗、鼻閉 |
急激に増量した場合、心電図に変化がみられることがあるので慎重に投与すること。
このような症状があらわれた場合には、減量又は抗パーキンソン剤の併用等適切な処置を行うこと。
このような症状があらわれることがあるので観察を十分に行い、慎重に投与すること。
このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
浮腫があらわれた場合には投与を中止すること。
アビリット錠100mg 15.4円/錠
アビリット錠200mg 19円/錠
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