1.1 本剤の投与によりinfusion reactionのうちアナフィラキシー反応があらわれる可能性がある。緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始し、投与終了後も十分な観察を行うこと。重篤なinfusion reactionが発現した場合には、速やかに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、本剤の使用中に免疫複合体を介すると考えられる反応(免疫関連反応)が報告されている。[7.、8.1、11.1.1、11.1.2参照]
1.2 心肥大を併発する乳児型糖原病II型患者に本剤を投与する場合は急性心肺不全を発症する危険性があるため、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には速やかに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。循環血液量が増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。[9.1.4、15.1参照]
本剤の成分に対しアナフィラキシーショックの既往歴のある患者[8.1参照]
糖原病II型
通常、アルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり20mgを隔週点滴静脈内投与する。
8.1 本剤はたん白質製剤であり、重度の過敏症又はアナフィラキシーショックが起こる可能性が否定できないため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には速やかに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、このような症状の発現に備え、緊急処置を取れる準備をしておくこと。承認時までに本剤を投与した患者のうちアルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)に対する特異的IgE抗体を測定した35例中3例が特異的IgE抗体陽性と判定され、そのうち1例にアナフィラキシー反応が発現した。[1.1、2.、9.1.1参照]
8.2 本剤投与中又は投与終了後数時間以内にinfusion reactionが発現することがあるので、投与終了後も患者の状態を観察すること。なお、投与速度が速い場合にはinfusion reactionが起こりやすい傾向がある。[7.、11.1.1参照]
8.3 ほとんどの患者にIgG抗体の産生が予測されるため、定期的にアルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)に対するIgG抗体検査を行うことが望ましい。[17.3.1参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者[8.1参照]
9.1.2 非代償性心不全患者又は急性疾患(急性感染症、熱性疾患、喘鳴又は気管支痙攣等)を有する患者
本剤投与前に患者の臨床症状を慎重に検討すること。外国での臨床試験の結果より、非代償性心不全患者又は急性疾患(急性感染症、熱性疾患、喘鳴又は気管支痙攣等)を有する患者に本剤を投与した場合、infusion reactionの発現頻度が高いとの報告がある。[11.1.1参照]
9.1.3 重症の糖原病II型患者
重症患者では心機能低下及び呼吸機能低下を合併する傾向があり、これらは重度のinfusion reactionを発現するリスクを増大すると考えられる。[11.1.1参照]
9.1.4 乳児型糖原病II型患者
肥大型心筋症の罹患率が高いことから、β-アドレナリン作動薬の使用を検討している場合には注意すること。なお、心肥大を併発する乳児型糖原病II型患者については、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には速やかに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。心肥大を併発する乳児型糖原病II型患者に本剤投与後、挿管及び強心薬投与を要する急性心肺不全が認められたとの報告があり、本剤の投与による水分過負荷との関連性が疑われたため、急性心肺不全を発症する危険性がある。[1.2、15.1参照]
9.1.5 Infusion reactionの既往のある患者[11.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。ウサギの胚・胎児発生に関する試験で10及び40mg/kg投与群の少数で流産又は早産がみられている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで哺乳中の児における影響は不明である。
9.8 高齢者
副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 調製方法
(1)患者の体重に基づき本剤の投与量を算出し、投与に必要なバイアル数を決める。
(2)日局生理食塩液による最終希釈液の薬剤濃度が0.5〜4mg/mLとなるよう日局生理食塩液の量を決定する。
(3)投与に必要なバイアル数を取り出し、室温になるまで放置する(約30分間)。
(4)調製前に本剤を目視検査し、変色又は異物を認めたバイアルは使用しないこと。
(5)日局注射用水10.3mLをバイアルの内壁に沿ってゆっくり注入し、本剤を静かに溶解し、1バイアルにつき10mLの溶液とする。振盪しないこと。
(6)予め日局生理食塩液含有点滴バックから、注入する薬剤溶解量分の生理食塩液を抜き取っておく。溶解したバイアルから必要量の溶液(5mg/mL)を抜き取り、日局生理食塩液含有点滴バック内に静かに注入し、希釈する。注入後、点滴バックを静かに回転させ、気泡ができないよう、ゆっくりと混和する。
14.1.2 本剤は保存剤を含有していないので、溶解・希釈後は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存する場合は希釈後2〜8℃で保存し、かつ24時間以内に使用すること。
14.1.3 他剤との混注を行わないこと。
14.1.4 各バイアルは一回限りの使用とすること。
14.2 薬剤投与時の注意
0.2ミクロンの親水性ポリエーテルスルフォン製メンブレンフィルターが付いた輸液セットを使用すること。微小異物除去用のろ過網が組込まれた輸液セットは、目詰まりを起こすため使用しないこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
本剤投与と明らかに関連性はないが、乳児型糖原病II型患者に全身麻酔を実施する場合には十分な注意が必要である。心肥大を併発する乳児型糖原病II型患者における本剤投与のための中心静脈カテーテル留置の際の全身麻酔に関連して、心停止又は死亡に繋がる心室細動、心室性頻脈、徐脈等の不整脈、あるいは心蘇生又は除細動を要する不整脈が認められた。すべての患者で本剤との関連性はなかった。心肥大を併発した乳児型糖原病II型患者では、全身麻酔に関する合併症発現のリスクが高くなる
凍結、振盪を避け、外箱に記載された使用期限を過ぎた製剤は使用しないこと。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 Infusion reaction(頻度不明)
本剤投与中又は投与終了後数時間以内に、蕁麻疹、発疹、潮紅、発熱、頻脈、咳嗽、酸素飽和度低下、頻呼吸、喘鳴
11.1.2 免疫関連反応(頻度不明)
本剤の使用中に、免疫複合体を介すると考えられる反応により皮膚壊死、皮膚潰瘍、関節痛、関節腫脹、ネフローゼ症候群、蛋白尿、血尿等が発現することがある。患者の状態を十分に観察するとともに必要に応じ尿検査等を実施すること。[1.1参照]
注)発現頻度は、外国における乳児型及び小児型糖原病II型患者を対象とした承認時までの臨床試験(39例)と、外国における小児型及び成人型糖原病II型患者を対象とした二重盲検比較試験(60例)の結果をあわせて算出した。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 10%以上 | 5〜10%未満 | 5%未満 | 頻度不明 | |
| 皮膚 | 蕁麻疹 | 発疹、多汗症 | 斑状皮疹、紅斑、斑状丘疹状皮疹、そう痒症、丘疹、紅斑性皮疹、網状皮疹、眼窩周囲浮腫、手掌紅斑、血管浮腫 | |
| 血管 | 潮紅 | 高血圧、蒼白、低血圧 | ||
| 臨床検査 | 酸素飽和度低下、血圧上昇 | CK-MB上昇、AST上昇、ALT上昇、血中Ca上昇、CK上昇、尿素上昇、ヘモグロビン減少、心拍数増加、血小板数減少、呼吸数増加、体温上昇、血圧低下、心拍数減少 | ||
| 全身及び局所反応 | 発熱 | 悪寒、注射部位反応、嗜眠、低体温、疲労、胸部不快感、局所腫脹、末梢性浮腫、熱感、非心臓性胸痛 | インフルエンザ症状 | |
| 呼吸器 | 咳嗽、頻呼吸 | 気管支痙攣、ラ音、咽喉絞扼感 | ||
| 消化器 | 嘔吐、悪心 | 便秘、胃食道逆流性疾患、下痢 | ||
| 循環器 | 頻脈、チアノーゼ、上室性頻脈 | |||
| 精神系 | 激越、易刺激性、不眠症、落ち着きのなさ | |||
| 神経系 | 頭痛 | 振戦、浮動性めまい、錯感覚 | ||
| 筋骨格系 | 筋攣縮、筋肉痛、筋痙縮 |
注)発現頻度は、外国における乳児型及び小児型糖原病II型患者を対象とした承認時までの臨床試験(39例)と、外国における小児型及び成人型糖原病II型患者を対象とした二重盲検比較試験(60例)の結果をあわせて算出した。
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