アミノグリコシド系抗生物質製剤
| 一般名 |
リボスタマイシン硫酸塩
|
|---|---|
| 製造/販売 | Meiji Seikaファルマ |
| 剤形/規格 |
|
本剤の成分並びにアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者
<適応菌種>
リボスタマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、大腸菌、肺炎桿菌、プロテウス属
<適応症>
敗血症、表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、淋菌感染症、腹膜炎、胆嚢炎、涙嚢炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、中耳炎、副鼻腔炎、顎炎
通常、成人はリボスタマイシンとして1日量1.0g(力価)を1〜2回に分け、小児・乳幼児はリボスタマイシンとして1日量20〜40mg(力価)/kgを1〜2回に分け、それぞれ筋肉内に注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤によるショック、アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
眩暈、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあるので慎重に投与すること。特に腎機能障害患者、高齢者、長期間投与患者及び大量投与患者等では血中濃度が高くなり易く、聴力障害の危険性がより大きくなるので、聴力検査を実施することが望ましい。アミノグリコシド系抗生物質の聴力障害は、高周波音に始まり低周波音へと波及するので、障害の早期発見のために、聴力検査の最高周波数である8kHzでの検査が有用である。
急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので慎重に投与すること。
腎障害のある患者[高い血中濃度が持続し、腎障害が悪化するおそれがあり、また、第8脳神経障害等の副作用が強くあらわれるおそれがある。]
肝障害のある患者[肝障害を悪化させるおそれがある。]
重症筋無力症の患者[神経筋遮断作用がある。]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
徴候、症状
腎障害、聴覚障害、前庭障害、神経筋遮断症状、呼吸麻痺があらわれることがある。
処置
血液透析、腹膜透析による薬剤の除去を行う。神経筋遮断症状、呼吸麻痺に対してはコリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与又は機械的呼吸補助を行う。
投与経路
筋肉内注射にのみ使用すること。
アンプルカット時
本剤はワンポイントアンプルであるが、異物混入を避けるため、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭したのちカットすることが望ましい。
筋肉内注射時
筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため、下記の点に注意すること。
同一部位への反復注射はなるべく行わないこと。
また、低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児には特に注意すること。(「小児等への投与」の項参照)
神経走行部位を避けるよう注意すること。
なお、注射針を刺入したとき、神経に当たったと思われるような激痛を訴えた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
注射器の内筒を軽くひき、血液の逆流がないことを確かめて注射すること。
硬結をきたすことがあるので、注射直後は局所を十分にもむこと。
クエン酸水和物で抗凝固処理した血液を大量輸血された患者にアミノグリコシド系抗生物質を投与すると、投与経路にかかわらず、神経筋遮断症状、呼吸麻痺があらわれることがある。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 腎障害を起こすおそれのある血液代用剤デキストランヒドロキシエチルデンプン等 | 腎障害が発現、悪化することがあるので、併用は避けることが望ましい。腎障害が発生した場合には、投与を中止し、透析療法等適切な処置を行うこと。 | 機序は明確ではないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中への蓄積、近位尿細管上皮の空胞変性が生じるという報告がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ループ利尿剤エタクリン酸フロセミドアゾセミド等 | 腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。 | 機序は明確ではないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中濃度の上昇、腎への蓄積が起こるという報告がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤バンコマイシンエンビオマイシン白金含有抗悪性腫瘍剤(シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン)等 | 腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。 | 両薬剤ともに腎毒性、聴器毒性を有するが相互作用の機序は不明。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 麻酔剤筋弛緩剤ツボクラリンパンクロニウム臭化物ベクロニウム臭化物トルペリゾンA型ボツリヌス毒素等 | 呼吸抑制があらわれるおそれがある。呼吸抑制があらわれた場合には、必要に応じ、コリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与等の適切な処置を行うこと。 | 両薬剤ともに神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 腎毒性を有する薬剤シクロスポリンアムホテリシンB等 | 腎障害が発現、悪化するおそれがある。 | 両薬剤ともに腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明。 |
調査症例3,661例中副作用発現例数は37例(1.01%)であり、種類は皮膚障害(0.30%)、一般的全身障害(0.27%)、聴覚障害(0.16%)、神経障害(0.11%)、消化管障害(0.08%)等であった。(ビスタマイシン注射液の副作用頻度調査終了時)
耳鳴(0.1〜5%未満)、難聴・眩暈(0.1%未満)等の第8脳神経障害(主として蝸牛機能障害)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与すること。
急性腎不全等の重篤な腎障害(0.1%未満)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
ショック(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、心悸亢進、発汗、悪寒等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
| 5%以上又は頻度不明 | 0.1%未満 | |
| 腎臓 | 腎機能障害注2)(BUN、クレアチニン上昇等) | 浮腫、蛋白尿、血尿、カリウム等電解質の異常 |
| 肝臓注2) | 肝障害 | |
| 過敏症注3) | 発疹等 | |
| 消化器 | 下痢、悪心、嘔吐等 | |
| ビタミン欠乏症 | ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等) | |
| 注射部位 | 注射局所の疼痛又は硬結 | |
| その他 | 頭痛又はしびれ感 |
注2)観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止すること。
注3)症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
ビスタマイシン筋注500mg 284円/管
ビスタマイシン筋注1000mg 446円/管
m3.comにご登録済の方
薬剤名検索
薬剤情報提供:一般財団法人日本医薬情報センター 剤形写真提供:株式会社薬事日報社
・薬剤情報・剤形写真は月一回更新しておりますが、ご覧いただいた時点で最新情報ではない可能性がございます。 最新情報は、各製薬会社のWebサイトなどでご確認ください。
・投稿内容の中に適応外、承認用法・用量外の記載等が含まれる場合がありますが、エムスリー、製薬会社が推奨するものではありません。